概要
きみと一緒に、景色は呼吸する。
きみがいて、水が流れて、魚が跳ねて、空は広くて、風は涼しくて、日差しは暑くて、水鳥が笑って、釣り糸が揺れて、僕がいた。
さよなら、六月。
さよなら、六月。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!バケツに六月を詰め込んで
小学生くらいの頃、確かに釣りをしたことはあるはずなのですが、もうほとんど記憶に残っていないので、小説を読む前に他の方が『釣りの話』とレビューしているのを見た時にうーむ、感情移入出来るんだろうか、やめとこうかなぁ……と思いました。
やめなくてよかった!!
まず女の子が出てくる前の描写で、自転車の走る道やら草っぱらやら空気のおいしさやら、どんどん世界が広がっていくのを感じました。小説にありがちな真っ白な世界に登場人物だけが浮かんでいるような読み味ではなく、世界がちゃんとに、そこにあるんです。素晴らしい力量!
そして女の子がかわいい。これまた、女の子はそこにいるし、呼吸して、汗かいて、魚を釣…続きを読む