この連作は、謎めいたほろびゆく世界を発掘する道具たちである

 運び屋・隼の仕事を通して少しずつ明らかになってくる、ほろびゆく世界とその謎に引き込まれました。淡々として単調なようでいて、所々で人々の感情がにじみ、変化があり、人間の生のぬくみがある。だからこそ繋がる最後の出会いが、一際際立つ――――殺伐とした世界の人間ドラマが見事に描かれている作品だと思います。

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