読めば読むほど面白い

一文一文、そして1ページごとのエピソードが短いため、気軽に楽しむことができました。それでいて必要最低限の描写はしっかり書かれているので、余白が多くて物足りないような印象も受けませんでした。

序盤では、ひょんなことから美少年を拾ったアラサーOLあかりの日々を中心に、女性的に喜べる内容なのかなと感じていました。
ミステリアスな少年の夏海が気になるものの、やや舞台装置めいていて「男の自分にはあまり向いていないかな」とも思っていました。
しかし5章の『初夏』辺りから、衝撃的な展開や盛り上がりが続き、読了後には冒頭で感じていた印象などどこかへ吹き飛んでいました。まさに尻上がりに面白くなる作品でした。
それだけに、序盤からもっと面白さの要素を散りばめて良かったのではないかなと、『惜しい』気持ちになりました。感動的なラストなので、そこまでスムーズに辿り着きたかったです。

出会いは偶然でなく、しかし奇跡的な必然。過去と今を繋ぐ愛の物語は、予想以上の面白さを発揮してくれました。


P.S.
それと余計なお世話かもしれませんが、作品の設定が『連載中』になっているのは意図してのことなのでしょうか?

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