特典メニュー EP7編

用語集EP7編






【インナーオーシャン】

・最奥が塞がった長大な円筒状である【ガス状巡礼天体ガスグリム】の本体の、円筒の内壁に張り付くようにして存在した海。

・H2Oを主成分とする深度およど1000mの液体の満ちた場所。

・2・2Gの重力があり、【ガス状巡礼天体ガスグリム】がロール回転することによる遠心力と、【ガス状巡礼天体ガスグリム】最奥から降り注ぐUVエネルギーが作用した結果、発生していると思われる。

・海水成分は、太古の地球の原始の海と呼ばれた時代と似ているという。

・その海底部分の地形はおそろしく平坦であり、無数の並行に並んだ溝がわずかに確認できるだけである。

・高速でワープゲイトを抜けた〈じんりゅう〉〈ナガラジャ〉〈ファブニル〉は、【ガス状巡礼天体ガスグリム】内に存在した【インナーオーシャン】否応も無く着水することとなった。






【音による索敵エコーロケーション

・【インナーオーシャン】に着水した〈じんりゅう〉において、一時的に艦の指揮を執ることとなったケイジが、【インナーオーシャン】海中での索敵を行う為に考え出した海中探査手段。

・艦内各部にある監視カメラ内部の収音マイクを利用し、船殻を通じて船外の音を収集し、【位置情報視覚化LDVシステム】を用いて視覚化しビュワーに投影、クルーに海中に潜む敵や障害物等の情報を伝達する仕組みである。

・試みられた当初は期待した程の成果は出せなかったが、時間経過と共に【位置情報視覚化LDVシステム】がアップデートされたことで使用に耐えるものとなった。










【人類地球脱出作戦】

・グォイドの脅威が本格的となった20年ほど前から、常に検討され続けてきた人類を太陽系から脱出させようという作戦。

 だが、当然ながら現在太陽系に住まう人類すべてを太陽系外へと脱出させることなど、物理的に不可能であった。

 人類が技術的に可能なのは、多く見積もっても数千名、遺伝子やそのデータだけならば数万名の人間……というより“種”を冷凍状態にして積みこみ、辛うじて獲得したUV技術によって航行する恒星間宇宙船によって、すでにグォイドの手に落ちているかもしれない近場の恒星系に、何十~何百~何千年かけて送ることだけである。

 太陽系から脱出させられる人類はごくわずかであり、長い長い旅の果てに着いた先で、再び繁栄できる可能性は皆無に限りなくゼロに近かった。

 だが、人類の有する最高の知性であSSDFの戦略AI〈メーティス〉は、ありとあらゆる選択肢の検討を行った結果、確かに成功率は低くとも、最も未来まで人類を存続させられる可能性だけならばこの選択肢に利があると考え、一部の賛同者の協力のもと、なかば独断で秘密裡のこの選択肢を実行に移していた。

 〈メーティス〉は極秘裏に〈アクシヲン〉級恒星間移民船三隻の建造を進め、そのうち〈アクシヲン三世〉が第四次グォイド大規模侵攻迎撃戦の最中に発進させられたが、土星圏【ザ・ウォール】に墜落し、〈じんりゅう〉との遭遇により偶然計画が再開されるまでは失敗に終わったと判断されていた。

・【ガス状巡礼天体ガスグリム】の地球接近に伴い、30人会議で〈メーティス〉は、再びこの『人類脱出作戦』の実行を提唱し、メインベルト内の【集団クラスター】にて建造中であった、残る二隻の〈アクシヲン〉級恒星間移民船による人類の太陽系脱出を提案した。

 結果として、〈30人会議〉は〈アクシヲン〉級恒星間移民船の内一隻の、対【ガス状巡礼天体ガスグリム】戦闘用への転用を決定し、残る一隻の〈アクシヲン〉級による『人類脱出作戦』の継続が一応は許可される運びとなった。













【ナギ】

・〈ナガラジャ〉のアヴィティラ化身

・【インナーオーシャン】突入直前に行った〈じんりゅう〉級三隻の同時【ANESYS】が切っ掛けで出現するようになった。

・〈ウィーウィルメック〉のアヴィティラ化身・アビーと同様に、普通の人間と同じ様に喋り会話することが可能である。

・ケイジの主観によれば、その姿はなんとなく大人になったアイシュワリア艦長のような印象があるが、同時に〈ナガラジャ〉クルーの容姿を全て掛け合わせたような姿でもあると思われる。

・やたらきらびやかな扇子をひらひらさせながら、ホログラムの豪奢な寝椅子に寝そべった状態で現れ、一応軟式簡易宇宙服ソフティ・スーツのような服を纏ってはいるが、基本色が深紅であり、そこへ金色のエングレービング的刺繍が全身に渡った施され、一部がシースルーになっていたり、フリルがついていたりと……とても派手な服装。

・彼女は生まれたばかりのアヴィティラ化身のはずであったが、その態度は泰然自若というか図太い印象をケイジに与え、頼りがいと不安を同時に覚えさせている。







【コウモリ・グォイド】

・【インナーオーシャン】水中を進む〈じんりゅう〉と〈ナガラジャ〉に襲い掛かってきた、新種の有大気重力中下を飛行するグォイド。

・昇電の倍のサイズであり、全身がほ黒い翼で構成されている。横長の逆三角形に近いシルエットをしている。

・飛宙戦闘機型グォイドの一種と思われ、内部にはUVキャパシタしか有していないため、いずこかにある拠点か母艦に帰還する必要があると考えられる。

・海中攻撃用のUV弾頭魚雷を一基搭載しており、海中の〈じんりゅう〉級に向け攻撃してきた。





【ジグラッツ】

・【インナーオーシャン】で〈じんりゅう〉が遭遇した、グォイド製と見られる移動する巨大極まりない黒い柱のこと。

・直径だけで数十キロあり、【インナーオーシャン】の海中から【ガス状巡礼天体ガスグリム】中心軸方向へ伸びており、全長5000キロ近くあると思われる。

・海中部分で【ジグラッツ】の下端はT字状になっており、移動しながら巨大な掃除機のごとく猛烈な勢いで海水を吸い込んでいる。

 【ジグラッツ】はこの機能で、【インナーオーシャン】の海底に堆積している有効資源を根こそぎ収集する為の装置であると考えられる。

・〈ナガラジャ〉が【ガス状巡礼天体ガスグリム】墜落時に観測したデータと照合してみたところによれば、【ジグラッツ】は少なくとも三基は存在し、【ガス状巡礼天体ガスグリム】の中心軸から三基が放射状に伸びて、それがジェットエンジンのタービンの如く、【ガス状巡礼天体ガスグリム】の円筒に対しロール回転しているものと思われる。

 またガス雲で隠された【ガス状巡礼天体ガスグリム】奥の空間にはさらなる【ジグラッツ】が存在する可能性がある。

・グォイドはこの【ジグラッツ】を用いて、【ガス状巡礼天体ガスグリム】の数十億年もの宇宙の旅の間に、内部に堆積した資源を用いてグォイド艦艇の材料にしていると推測される。

 しかしながら、【ガス状巡礼天体ガスグリム】が太陽系を訪れた段階で、【インナーオーシャン】海底に堆積した物質はほぼ吸い尽くされており、海底はまっ平な状態となっていた。

 このことからケイジ達は、【ガス状巡礼天体ガスグリム】内のグォイドが、今存在する以上のグォイド艦隊を製造することが困難である可能性を考えている。






【バチカル・スラップ垂直張り手

・【ガス状巡礼天体ガスグリム】内にも配備されていたトゥルーパー・グォイドが、海中に隠れている〈じんりゅう〉級に向かって繰り出した攻撃手段。

・巨大な手のひら状に展開したトゥルーパー・グォイドが海上から急降下し、そのスピードのままに海中を突き進み、その行く手にある全てを破壊する。

・無数のトゥルーパー・グォイド同士が適度に間隔を開けた状態で突き進む為、海上から海中に高速で突入しても、水中抵抗による減速は最小限であり、海中を限られた速度でしか移動できない〈じんりゅう〉級にとって非常に厄介な攻撃方法。








【ヴィニー】

・〈ファブニル〉のアヴィティラ化身

・〈ナガラジャ〉のナギと同じ様に、【インナーオーシャン】突入直前に行った〈じんりゅう〉級三隻の同時【ANESYS】が切っ掛けで出現するようになったと思われる。

・ナギと同様に、普通の人間と同じ様に喋り会話することが可能である。

・濃淡のあるグリーンを基調とした軟式簡易宇宙服ソフティ・スーツに、上からグレーのスプリッター迷彩のロングコートを羽織り、頭には艦長帽をかぶっていた。

 顔立ちはともかく、髪型だけでいえばケイジの知る〈ナガラジャ〉艦長のアストリッド中佐に似た短いブロンドヘアをしている。





インディジェナス(先住生物)】

・【インナーオーシャン】で誕生・進化したサティに酷似した巨大な不定形生命体。

・一時消息不明となっていたものの、IDNと同時に〈じんりゅう〉一行と再合流したサティにより命名された。

・【インナーオーシャン】に〈じんりゅう〉が墜落した際に、IDNの一体が〈じんりゅう〉内のサティを知覚、同胞と認識し、彼女を善意から救出のつもりで捕食・吸収・同化した。

 その結果、サティを捕食したIDNはサティと同一の存在となり、同時に巨大化したサティはIDNについての情報を理解するに至った。

 またサティと同様にテレパシー能力で同胞と意思疎通をしており、サティの同化によって得た情報は他のIDNに伝播し、その結果【インナーオーシャン】に生息していたIDNは急速にサティの知識を元に知性化していった。

・サティとIDNが酷似した存在であったのは、サティとIDNが共通の祖先を持つ生物であったからと推測される。

 太古の昔、【ガス状巡礼天体ガスグリム】が誕生間もない太陽系を訪れた際に、IDNの先祖に当たる不定形生命体が【ガス状巡礼天体ガスグリム】の放ったオリジナルUVDに付着した状態で木星に突入、22世紀の末に人類に発見され、スィン・ヌニエル博士によって培養されたのがサティをはじめとしたクラウディアンなのだと思われる。

 それに対し、IDの生まれた【インナーオーシャン】は、生命進化を促すような環境変化の乏しかった為、数十億年かけてもサティのような知的生命体にまでは進化しなかったようである。

・サティと同様UVエネルギーを活動源とするが、【ガス状巡礼天体ガスグリム】の最奥から常にUVエネルギーの光が降り注いでいるため、エネルギー確保の為の特段の進化は必要とされなかったと思われる。

 しかしながら、【ガス状巡礼天体ガスグリム】に後のグォイドと呼ばれる存在が来訪し、【ジグラッツ】などを用いて【インナーオーシャン】内のIDNふくむあらゆる物質を、己の艦隊を作る為の材料として採集しはじめたことで、IDNの平穏な暮らしは一変し、IDNにグォイドの魔の手から逃れるための進化を促すこととなった。

 IDNといえどもグォイドに発見されれば資源として採集されるため、IDNにグォイドに発見されぬように、UVエネルギー摂取時以外は、【インナーオーシャン】の海底深くまで潜り隠れ、ステルス能力を獲得するに至らせた。

 そのグォイドに怯える時間の中で、IDNは【ガス状巡礼天体ガスグリム】に巣食うグォイドを攻撃しに来た異星文明の宇宙船と、それに対するグォイドによる迎撃戦闘に遭遇し、その結果敗れ去り【インナーオーシャン】に沈んだ異星文明の宇宙船内部の、まだ稼動していたUVDから、UVエネルギーを得ることを覚える。

 その習性は、異星文明の宇宙船の残骸との、ある意味で共生とも呼べる関係を構築するに至ることとなった。












【バトイディア】

・これまで幾度となく【ガス状巡礼天体ガスグリム】のグォイドを攻撃しに訪れ、【インナーオーシャン】の海底に沈んだ複数の異星文明の、幾隻もの宇宙戦闘艦の残骸と、IDNとが融合してできた全長全幅十数キロの巨大な菱形の移動巨大都市のようなもの。

 ただし【インナーオーシャン】の深度の関係から、全高は数百メートルしかない。

・最初に訪れた〈ファブニル〉のアストリッド艦長により、その外見からエイの学名であるバトイディアと名付けられた。

・グォイドから発見されぬように、海底を這うようにして移動する為に、エイのような形状になったものと思われる。

 また、バトイディア表面からは夜の摩天楼のようにUVエネルギーの光が溢れ出ているが、バトイディア上方で極薄の平面状態となったIDNが、ステルス膜となって海上からの監視からバトイディアを隠しているため、これまでグォイドに発見されることはなかった。

・内部では複数の異なった異星文明の宇宙船に搭載されていた人造UVDが、制御AIと共に稼働状態で維持されており、いつの日か【ガス状巡礼天体ガスグリム】のグォイドを倒す為に、戦力を維持するという共通した目的でIDNを利用することで意見が一致した結果、人造UVDの生むUVエネルギーをIDNに提供し、その代わりにグォイドの索敵からバトイディアを隠してもらうという共生関係が生まれた結果バトイディアは誕生した。

 なお、異星文明の宇宙船の攻撃から現在まで、あまりにも時間が経過している為、各異星文明の宇宙船のクルーの生存者はいない。

・バトイディアの行動指針は、異星AIの集合体である【デリゲイト】が行っている。

・〈ファブニル〉が【インナーオーシャン】に墜落した直後に遭遇し、【ANESYS】を用いてクルーがコンタクトした結果、デリゲイトとの意思疎通に成功し、利害関係の一致から協力関係を築くに至り、損傷していた〈ファブニル〉の修理改修と、同時に【インナーオーシャン】に落下した元ワープゲイトを形成していたオリジナルUVDの主機への換装が行われた。

・〈じんりゅう〉一行が遭遇した当時、バトイディアは辛うじて維持しているのが精一杯であり、とうていグォイドへの反撃を行うどころではなく、いずれはグォイドに発見され、破壊される運命であった。

 が、オリジナルUVDを搭載した〈じんりゅう〉級が現れたことで、【ガス状巡礼天体ガスグリム】に巣食うグォイドを倒す可能性ができたとデリゲイトは判断し、全力で〈じんりゅう〉一行を支援することを決定した。








【デリゲイト】

・バトイディアを制御している異星文明製のAI。

・グォイドに敗れ、【インナーオーシャン】に沈んだ数多くの異星文明の宇宙船内の、まだ稼動していた複数のAIが統合された存在。

・地球圏人類の生み出したAIと同様、異星文明製ではあっても論理的な思考によって判断し行動する。

・〈じんりゅう〉一行に対し、対グォイド攻撃という目的が一致したことから協力を申し出る。

 しかし、彼の提案したプランは、〈じんりゅう〉級のクルーにとって、AIが考えたとは思えないほど無茶であった。

・人類が〈ウィーウィルメック〉のアヴィティラ化身・アビーがによって【ガス状巡礼天体ガスグリム】に関する情報を得たように、各異星文明にも事前にグォイドを生み出した文明が残した【他文明救助要請プロトコル】からのコンタクトを受け、対グォイド戦闘を行ったらしく、デリゲイトもまた、そのAI内に【他文明救助要請プロトコル】を宿していると思われる。

 そのためか、〈じんりゅう〉クルーとの会話の際は、アビーに似た姿のアバターで現れた。

・バトイディア崩壊後も、IDN内に人造UVDごと取り込まれた異星コンピュータ間で存在し続けており、対【ガス状巡礼天体ガスグリム】戦に寄与した。






【オリオン文明グォイド被害者の会・同盟艦隊】

・デリゲイトが人類の言葉で名のった自分の属する勢力のこと。

・誕生経緯から考えて、あくまで【インナーオーシャン】内で異星文明のAI同士で結ばれた同盟であると思われる。




【プランA】

・デリゲイトが各〈じんりゅう〉級のクルーに提案した、現状で実行可能な対グォイド作戦のこと。

・大雑把に言えば、【ガス状巡礼天体ガスグリム】最奥にある〈太陽系の建設者コンストラクター〉の異星物にコンタクトし、【ガス状巡礼天体ガスグリム】前方に浮かぶ多数のオリジナルUVDをワープゲイトにする権限をもらうことで、〈じんりゅう〉級三隻が【ガス状巡礼天体ガスグリム】に来た時のように、人為的にワープゲイトを開通させること、で内太陽系のSSDF艦隊を【ガス状巡礼天体ガスグリム】内部に超光速移動させ、【ガス状巡礼天体ガスグリム】最奥に巣食うグォイドに奇襲をかけようというもの。

 実行するには内太陽系のSSDFとの連絡と連携が必須でありとうてい不可能と思われたが、ケイジ一曹を除くユリノ艦長以下の〈じんりゅう〉クルーが、【ガス状巡礼天体ガスグリム】内部への突入以後、【ANESYS】を用いて【ガス状巡礼天体ガスグリム】最奥にある〈太陽系の建設者コンストラクター〉の異星物とのコンタクトを継続して実行しており、しかもそのコンタクトには、内太陽系に残してきたはずの〈じんりゅう〉艦載機パイロットのクィンティルラとフォムフォムも参加していることが判明した、

 このことから、彼女らに内太陽系SSDFとの連絡を頼めば、内太陽系SSDFとの連携も可能と考えられた。

 しかしながら、その為にはユリノ艦長らにこのプランAの試みそれ自体連絡する必要があった。

 が、それはケイジ一曹を後からユリノ艦長らが行っている〈太陽系の建設者コンストラクター〉の異星物とのコンタクトに【ANESYS】のデヴァイスを用いて参加させることで、彼を伝令にすることで解決が試みられることとなった。











【プランB】

・ユリノ艦長ら〈じんりゅう〉クルーが実行中のプランAに対し、〈ファブニル〉艦長アストリッドが提案した対グォイド作戦。

・大まかに言えば、〈じんりゅう〉を曳航しつつIDNたちと共に〈ファブニル〉と〈ナガラジャ〉でジグラッツの内部を昇り、【ガス状巡礼天体ガスグリム】中心軸から最奥にある〈太陽系の建設者コンストラクター〉の異星物に向かって移動し、物理的にコンタクトを試みようという作戦。

 当然、その途中にはグォイドによる凄まじい妨害と障害が予想され、その実行は事実上の自殺行為に等しいが、〈じんりゅう〉級三隻が身を隠しているバトイディアが無数のトゥルーパー・グォイドと複数のトータス・グォイドに包囲されたことから、バトイディアに留まることは実質不可能となり、なし崩し的に実行にうつされた。

・いわば【インナーオーシャン】に沈んだ異星文明の艦隊が、【ガス状巡礼天体ガスグリム】内侵入時に試みたのと同じ作戦である。









【SSDF立川基地広報部第8課2係〈俗称:スタジオ第一艦橋〉】

・SSDFの数ある部所の一つ。

・それまでアニメあるいはマンガ調のSSDF隊員募集用ホロポスターや、長くとも90秒程のごく短いアニメーションの隊員募集CMも数多く制作してきていたが、第三次グォイド大規模侵攻迎撃戦に辛うじて勝利し、次なる第四次グォイド大規模侵攻に備えるにあたって、新たなる航宙士の確保の為に、広く航宙士希望者を募集すべく、30分ワンクールのSSDFの広報を目的とした配信TVアニメシリーズの制作が行われることとなった。

・地球・日本SSDF立川基地の一画に広報部第8課二係の専用作業棟を有し、

▼プロデューサー

▼監督・脚本

▼制作進行

▼絵コンテ・演出

▼キャラ監督

▼メカ監督 

▼背景・編集・エフェクト

▼音響・音楽監督

▼モーションアクター(小・大)

 ‥‥‥の九人のスタッフによりアニメ制作が行われている。










【〈太陽系の建設者コンストラクター〉の試練】

・この場合は【ガス状巡礼天体ガスグリム】に宿る〈太陽系の建設者コンストラクター〉製の異星AIによる、【ガス状巡礼天体ガスグリム】の使用権を得るための試験のこと。

・〈じんりゅう〉の【ガス状巡礼天体ガスグリム】への突入と同時に、【ANESYS】中だったユリノ達の意識は、〈太陽系の建設者コンストラクター〉製AIとコンタクトし、【ガス状巡礼天体ガスグリム】の使用権を欲しくばこの試練をクリアせよと仮想現実世界へとその意識を運び込まれ、気が付け第三次グォイド大規模侵攻迎撃戦直後の地球・【SSDF立川基地広報部第8課2係】所属のアニメ制作スタッフとなって、後の大ヒットアニメシリーズである『VS』のパイロット版第一話を作ることになっていた。

・ユリノ達はかつて〈じんりゅう〉が土星圏【ザ・ウォール】にて【ウォール・メイカー】に宿る異星AIとコンタクトし、【ウォールメイカー】のある程度のコントロールに成功したように、今回もアニメ制作を行うことが試験のクリア条件と信じて行動するが、彼女達の〈じんりゅう〉クルーとしての記憶は、時間経過と共に失われ、就寝中のみ〈じんりゅう〉クルーとしての記憶を維持した状態で、仮想の〈じんりゅう〉メインブリッジで目覚めるようになる。










【立川基地広報部第8課2係メンバー】

・この場合は、〈太陽系の建設者コンストラクター〉製の異星AIによる、【ガス状巡礼天体ガスグリム】の使用権を得るための試験内で、アニメ制作スタッフとして〈じんりゅう〉クルーが担当することとなった各セクションのことを指す。

・〈じんりゅう〉クルーが担当する各セクションは以下の通り。


▼監督・脚本〈秋津島ユリノ〉

▼制作進行〈サヲリ・L・シュトルヴィナ〉

▼絵コンテ・演出〈カオルコ・アルメリア〉

▼キャラ監督〈フィニィ・アダムス〉

▼メカ監督〈ルジーナ・ジュエワ〉

▼背景・編集・エフェクト〈クローティルディア・ヅァミューレン〉

▼音響・音楽監督〈柳瀬ミユミ〉

▼モーションアクター(小)〈クィンティルラ・フェルミ〉

▼モーションアクター(大)〈フォロメラ・フォミラ〉 

▼制作支援AI〈EXプリカ〉

▼プロデューサー〈寺浦ゆら〉

▼AD〈立川あみ〉


・この時代は技術の進歩により、十名前後のマンパワーでTVシリーズのアニメ制作が可能となっているが、決して楽に出来るというわけではない。

 また〈じんりゅう〉クルー意外のメンバー存在しているが、それはいわばNPCのような存在と思われる。

 しかしながら、〈じんりゅう〉クルーが接する限りでは、本物の人間とまったく変わらぬ存在である。










【UVリーマー】

・バトイディア内で〈ナガラジャ〉艦首に装備された異星文明製のオプション。

・【ジグラッツ】に侵入し、その内部をさかのぼることで【ガス状巡礼天体ガスグリム】中心軸から最奥にある〈太陽系の建設者コンストラクター〉の異星物に向かおうという試み〈プランB〉を実行するのに際し、【ジグラッツ】下端の物質吸引口を突破する為に装備されることとなった。

・起動させると、オリジナルUVD由来の膨大なUVエネルギーを用いることで、〈ナガラジャ〉艦首円盤状オプション前方から直径が〈ナガラジャ〉の全高全幅の三倍近くある、太く長いエンピツ状のUVシールドを形成し、無数のUVエネルギー製の刃が並ぶ円錐状先端部を回転させながら目標に突貫することで、最初に〈ファブニル〉が発射した実体弾投射砲により、【ジグラッツ】下端の物質吸引機構である巨大なシュレッダー状の吸引口にあけられた穴を、極めて強引に押し広げ、〈じんりゅう〉級の通過を可能とする。

・バトイディアの有する異星文明の技術と、オリジナルUVDを搭載した〈ナガラジャ〉の双方が揃って初めて使用が可能となった。

・この装備がなされた状態の〈ナガラジャ〉は、艦長アイシュワリアの美的感覚からいって非常に不格好であるため、アイシュワリア艦長は大いに不満であった。












【じんりゅうドラゴン】

・サティとIDN群が結合して〈じんりゅう〉と合体することで生まれた、いわば〈じんりゅう〉の有大気重力下飛行形態。

・【ジグラッツ】の吸い込む海水に紛れて【ガス状巡礼天体ガスグリム】最奥を目指すプランB実行中に、謎の流星雨状の現象により【ジグラッツ】が断ち切られ、開いた断面から〈じんりゅう〉が落下した際に、プランAから叩き起こされたケイジ一曹の発案で実行された。

・その名の通り、自在に形状を変えられるサティとIDNが〈じんりゅう〉と合体することで、〈じんりゅう〉を頭部にした巨大な竜のような姿をしている。

 その巨大な翼の下部には、大気を吸い込んで加熱加速させたうえで、高速で後方に噴射するジェットエンジン状の円筒形推進機が多数懸架されており、その巨体の高速飛行を可能にしている。

 また、〈じんりゅう〉墜落寸前に取り込んだ海水からロケット燃料を精製し、高速噴射することで【ガス状巡礼天体ガスグリム】中心軸方向への速やかな移動を成し遂げた。

・当初は〈じんりゅう〉の十倍近いサイズであったが、〈ファブニル〉〈ナガラジャ〉合流後は、その二隻にIDNが取りつくことで両艦をドラゴン化し、そのサイズを減じている。

・命名したのはサティである。









【|中心軸砲〈センターキャノン〉】

・【ガス状巡礼天体ガスグリム】の中心軸に存在していた巨大な惑星間||実体弾投射砲レールガン

・砲身部内径はおよそ千キロ、全長はその十倍以上はあると思われるが、細部は砲身をとりまく銀色のガス雲に阻まれ観測不可能であった為に不明。

 砲身の各部からは放射状に【ジグラッツ】が伸びており、【インナーオーシャン】からの資源収集を行うと同時に、他文明からの実体弾攻撃を受けた際は、【ジグラッツ】と【ジグラッツ】の間にUVエネルギーで出来たネットを展開し、敵実体弾の弾体を受け止回収し、己の放つ実体弾の材料にする機能を有する。

 つまりグォイドの侵略目標にされた文明が、攻撃の為に【ガス状巡礼天体ガスグリム】に向かって実体弾を放つということは、グォイドに実体弾の材料を与え、撃ち返され、自らの首を締める結果となるということである。

・SSDF艦隊が〈ヴァジュランダ〉と〈アラドヴァル〉を用いて、メインベルトの小惑星密集エリア【集団クラスター】それ自体を実体弾として放った攻撃は、この中心軸砲センターキャノンにより撃ち返され、少なくないダメージを被ることとなった。

・この中心軸砲センターキャノンの存在を知った【ガス状巡礼天体ガスグリム】内部の〈じんりゅう〉一行は、中心軸砲センターキャノンから伸びる【ジグラッツ】の基部を破壊することで、中心軸砲センターキャノン全体の重心バランスを崩し、崩壊させようと試みた。







【グォイド・プラント】

・グォイド艦艇を建造するグォイドの根幹施設のこと。

 当然グォイドという存在にとって要となる存在であり、人類がグォイドとの戦いに勝利するためには、この施設の破壊を成し遂げることが必須条件である。

・人類は土星圏タイタンに【グォイド・プラント】が存在すると推測し、攻撃を試みたが、その姿を確認する間もなく大反撃を受け撤退、しかしおよそ五年後にVS‐802〈じんりゅう〉の活躍により、減速することが出来なくなった【グォイド増援光点群】の一部が激突することで、人類がその姿を知ることの無いまま、タイタンごと【グォイド・プラント】は破壊された。

 これにより人類にとってのグォイドの脅威は消滅したかに思えたが、

 その直後に太陽系への接近が確認された、グォイドの真の本拠地である【ガス状巡礼天体ガスグリム】の最奥に、全グォイドの祖となる【グォイド・プラント】が【ガス状巡礼天体ガスグリム】内部に侵入していた〈じんりゅう〉級三隻により発見された。

・横倒しになったクラゲかキノコ類のような形状をしていると思われ、直径はおよそ3000キロ、全長はその数倍あると思われる。

 レンズのような形状の正面部分は、蜂の巣のようなハニカム構造をしており、その六角柱状の空間一つ一つにグォイド艦艇を製造する機能があると思われる。

 艦艇製造能力は、レンズの中心部ほど巨大な艦艇を製造する能力があると思われ、レンズの端にゆくほどレギオン・グォイド等の小型艦艇が製造される。

 その存在理由から、サイズに大して内部空間が多々あり、大きさだけで言えば月に匹敵するが、その質量はかなり小さい。

 また自立航行能力があり、その必要があれば【ガス状巡礼天体ガスグリム】から出て移動することも可能である。

 また、その製造能力をもってして、大量極まるUV弾頭ミサイルを製造し続けることが可能であり、絶大な攻撃力も有している。

 防御力は必ずしも高いわけではないが、そのサイズそれ自体が多少のダメージを受けたとしても無事な他の部位が補間して仕舞う為、完全に撃破・破壊することは極めて困難である。








【ジューズ・リング】

・【ヘリアデス計画】直後に、〈ウィーウィルメック〉が内部のオリジナルUVDごと回収したムカデ・グォイドの残骸を利用し、ノォバ・チーフの主導で製造した汎用オリジナルUVD起動用ユニット。

・SSDFは【ヘリアデス計画】で100柱以上のオリジナルUVDを入手したが、その用途と、それを搭載する艦船の製造は間に合ってはいなかった。

 そのため、オリジナルUVDを起動させ、ワープゲイトさえ展開可能なムカデ・グォイドの残骸を利用する案が実行されたのである。

・テューラがクィンティルラとフォムフォムが継続したままの【ANESYS】に、キルスティを投入させることで得た情報から、【ガス状巡礼天体ガスグリム】内の〈じんりゅう〉がワープゲイトを開き、【ガス状巡礼天体ガスグリム】内にSSDF艦隊を直接進行させるプランを知り、内太陽系側のワープゲイト形成の為にオリジナルUVD42柱を納めた〈ジューズ・リング〉を用意し、メインベルト内【ガス状巡礼天体ガスグリム】進路上にて待機する【ガス状巡礼天体ガスグリム】突入艦隊【カチコミ艦隊】の前方でワープゲイト形成の時を待っていた。

・万が一とはいえ、グォイドの意思によってオリジナルUVDが起動し、ワープゲイトが開通してグォイド艦隊が内太陽に侵入して来ないように、42柱のオリジナルUVDを納めた〈ジュース・リング〉は普段は三分割された状態にされており、ワープゲイト形成時には連結しリング状となる。

・ワープゲイトの形成意外にも、オリジナルUVDの大出力を利用し、空間偏向などの使い方が可能である。








【カチコミ艦隊】

・【ガス状巡礼天体ガスグリム】内で〈じんりゅう〉三隻が進行中のプランAを知ったテューラが、形成されたワープゲイトを通じて直接【ガス状巡礼天体ガスグリム】内に進行させる為に、【30人会議】を説得して編成した艦隊。

・参加艦艇は、どう考えても帰還の見込みが非常に小さい関係上、可能な限り無人艦艇を投入することで、SSDF航宙士の人命の損耗を抑え込む方針で決定された。

 また、対【ガス状巡礼天体ガスグリム】迎撃艦隊本体の中核を成し、また有大気空間である【ガス状巡礼天体ガスグリム】内ではその性能を発揮しきれないことを考え、実体弾投射砲艦は基本的に【カチコミ艦隊】には加えられてはいない。

・以下、【カチコミ艦隊】参加艦艇。

 ▼高速戦闘指揮巡洋航宙艦〈リグ=ヴェーダ〉オプションフル装備仕様

 ▼VS‐804〈ジュラントwithアクシヲン二世〉

 ▼VS‐806〈ウィーウィルメック〉オプションフル装備仕様

 ▼無人量産型〈ウィーウィルメック〉10隻

 ▼無人駆逐艦〈ラパナス改〉〈シボル〉〈ゲミニー〉各6隻

 ▼〈じんりゅう〉艦載機〈昇電withエックスブースター〉











【時間遅延現象】

・【ガス状巡礼天体ガスグリム】内では、その外に比して時間の進行速度が遅くなっている現象のこと。

・【ガス状巡礼天体ガスグリム】内の〈じんりゅう〉がプランA・Bを敢行するに際し、内太陽系側のSSDFの準備期間がたりないという問題があったが、【ガス状巡礼天体ガスグリム】内で一週間が経過する間に、その外の宇宙では4か月以上の時間が経過していた為、内太陽系側のSSDFは【カチコミ艦隊】を編成する時間的余裕を得ることができた。

・なぜ【ガス状巡礼天体ガスグリム】ではそのような現象が起きているのかは、その時点では想像するしかなかったが、【ガス状巡礼天体ガスグリム】最奥にブラックホールレベルの超重力源が存在する為と〈メーティス〉や〈じんりゅう〉のクルーは推測している。

 ブラックホール《BH》等の発する超重力は、空間を引き延ばすのと同時に、時間もまた引き延ばすからである。

 しかしながら【ガス状巡礼天体ガスグリム】内ではBHの発するような重力は観測はされておらず、BHが原因と考えるには不可解な点があるが、〈太陽系の建設者コンストラクター〉の技術がBHの超重力のみを遮断してはいるが、時間遅延現象までは遮断できなかった可能性が考えられている。










【エックス・ブースター】

・VS‐802〈じんりゅう〉用に製造された最新のオプション装備。

 〈じんりゅう〉がこれまでに行った【ANESYS(特にサートゥルヌス計画)】時に、〈太陽系の建設者コンストラクター〉から受け取ったと思しき設計データを元に製造された。

・〈じんりゅう〉の補助エンジンをそのまま巨大化したような姿の大型推進機を四基、四角筒状に組んだトラスフレームの四隅部分に繋いだ姿をしており、〈じんりゅう〉級の艦尾補助エンジンナセル後端に接続される。

 動力源にオリジナルUVDを4柱搭載しており、通常はその名の通りブースターとしても機能するが、オリジナルUVDを四柱も用いることによって如何な機能を発揮するのかは分からないまま、〈じんりゅう〉に接続して初めて分かるであろうと推測されつつ製造され、今回の【カチコミ艦隊】に組み入れられることが決まった。

 この機会を逃せば、もう使用するチャンスなど訪れないはずだからである。

・〈じんりゅう〉接続までの単独移動時は、〈昇電Ⅱ〉を接続し、同機にコントロールさせることで〈じんりゅう〉に【エックス・ブースター】を送り届けることに成功した。

・〈じんりゅう〉に接続したことで判明したその真の機能は、いわば一種の【ウォールメイカー】であり、極めて高度な【立体造形機マテリアル・プリンター】であった。

 〈じんりゅう〉はこの機能でVS‐806〈ウィーウィルメック〉専用装備の〈王冠〉を極めて短時間に製造し、同艦に送り届けることに成功した。












【〈ジュラントWAⅡ〉】

 SSDF戦略AIの〈メーティス〉の主導により、恒星間太陽系脱出船として同型艦〈アクシヲン一世〉と共に密かに建造が進められていたものの、諸事情あって放置されていた〈アクシヲン二世〉の作りかけの船体を、対【ガス状巡礼天体ガスグリム】用兵器としての改装し、オリジナルUVDと積めるだけの武装を詰め込み、そのコントロール用に【ANESYS】の使えるVS‐804〈ジュラント〉を接続し〈ジュラントwithアクシヲン二世〉とした全長10キロを超える巨大戦闘艦のこと。

 【カチコミ艦隊】に組み入れられ、ワープゲイトを潜り【ガス状巡礼天体ガスグリム】最奥付近に突入すると【グォイド・プラント】とそこから発艦したグォイド艦艇との大戦闘を繰り広げた。

・全長10キロを超える巨体となった〈ジュラントWAⅡ〉は、【ガス状巡礼天体ガスグリム】内においてはグォイドの良い的のはずであったが、複数のオリジナルUVDを搭載した〈アクシヲン二世〉部分は、巨体からは想像もつかない程の防御力と推力を有しており、ワープゲイトを潜り【ガス状巡礼天体ガスグリム】内での戦闘に突入した際は、タグボート兼シールド役の無人シールド駆逐艦〈ヘリアンサス〉のよる牽引補助と、IDNが艦首部に合体をしたことでさらに運動性能を補助し、見かけからは想像もできない機動性を発揮することとなった。

・〈アクシヲン二世〉の船殻外面には、百基を超える対宙レーザー砲塔群、〈じんりゅう〉級と同型のUVキャノン砲塔が全方向に50門、さらに同数の旋回式UV弾頭ミサイル発射管が80基、旋回式中型実体弾投射砲20基、そして船体とほぼ同じ全長の半可動式実体弾投射副砲4門、船体中心軸に超大口径実体弾投射主砲一門が装備されている。

 船体内部の空きスペースの大半はUV弾頭ミサイルと実体弾の保管に使われており、〈アクシヲン二世〉は宇宙戦闘では最も有効なれども、搭載弾数の限りがあるUV弾頭ミサイルと実体弾投射砲を、船体の方を巨大にすることで搭載量を増やし、弾切れの問題を大いに緩和させている。

・多大な戦力を有する〈ジュラントWAⅡ〉であったが、その真の目的は、〈アクシヲン二世〉の巨大な船体を用いて内蔵された〈対消滅爆弾〉を、敵の妨害を潜り抜けグォイド本拠地中心部に送り込み起爆させることである。










【対消滅爆弾】

・〈ジュラントWAⅡ〉の改修された〈アクシヲン二世〉部分内部に搭載された巨大爆弾のこと。

・〈じんりゅう〉が土星圏から【サートゥルヌス計画】と『黙示録アポカリプスキャンセルデイ』を経て帰還した際に、メインコンピュータの記憶領域に保存されてい〈太陽系の建設者コンストラクター〉の技術と思しき設計データを元に製造された。

 その原理は当時の人類の知性ではまだ理解不能であったが、原理が十分に理解できずともが製造し使用が可能だった為、迫る【ガス状巡礼天体ガスグリム】との最終決戦に際し、製造と使用が決定され便宜上〈対消滅爆弾〉と呼称することとなった。

・その使用には、通常の航宙艦では収納不可能な巨大な機構と、少なくとも二柱以上のオリジナルUVD出力、さらに起動から起爆状態に移行するのに数か月の充填期間が必要であることは判明しており、結果として、この〈対消滅爆弾〉は対【ガス状巡礼天体ガスグリム】戦に際し、建造途中で放置され、船体内スペースに余裕のある〈アクシヲン二世〉の船体内に搭載の上使用されることとなった。

・人類の理解の範囲内で説明を試みるならば、この〈対消滅爆弾〉は人類が最初期のグォイド戦で用いた〈反物質爆弾〉の系譜に属し、起爆すると同時に猛烈な熱と光の放射を行いつつ、瞬時に誕生した直径200キロを超える光球は、〈対消滅爆弾〉が保有していたエネルギーと同等の質量を瞬時に消滅させる。

 結果として、光球内に存在したありとあらゆる物質は直径200キロの球状に抉りとられたよう形で消滅する。

 希薄ではあるが有大気環境である【ガス状巡礼天体ガスグリム】内で使用された際は、周囲の大気を爆発させたのと同義の現象を引き起こし、〈対消滅爆弾〉を放った主である〈ジュラントWAⅡ〉他の〈じんりゅう〉級にもその破壊現象の余波を叩きつけることとなった。










【ニセじんりゅう】

・【グォイド・プラント】内部への侵入を果たした〈じんりゅう〉級一行に対し、差し向けられた新種のグォイド。

・黒地に極彩色のカラーリングは既存のグォイド艦艇のそれであったが、艦尾に四基の補助エンジンナセル、シュモクザメのような艦首を有し、〈じんりゅう〉級の特徴に著しく合致していることから、グォイドが〈じんりゅう〉級を模して生み出したグォイド艦艇と推測される。

・10隻程が〈じんりゅう〉級一行に襲い掛かり、ケイジは苦戦を予測していたが、その性能を確認する前に【対消滅爆弾】の爆発の衝撃波に巻き込まれ、交戦する間もなくその大半が破壊された。








【王冠】

・〈じんりゅう〉が艦尾に接続された〈エックス・ブースター〉の創造機能を用いて瞬時に生み出した〈ウィーウィルメック〉の追加装備。

・〈ウィーウィルメック〉の艦上部センサーモジュールの上に被さるようにして接続される王冠のような形状をしていることから、便宜上そう呼称されることとなった。

・〈太陽系の建設者コンストラクター〉技術で生み出された物である為、その原理や機構は不明であったが、その機能を検証する間もなく【ガス状巡礼天体ガスグリム】内戦闘で起動してみたところ、グォイド艦に対し〈ウィーウィルメック〉を指揮系統の上位の存在と誤認させ、偽の命令を与えて自在に操る装置であることが判明した。 

 ただし、駆逐艦以上のグォイド艦艇をニセの命令信号で操ることは叶わず、操ることができたのは最も小型グォイドであるトゥルーパー・グォイドのみであった。

・〈王冠〉は【亡命グォイド】にして【他文明救助要請プロトコル】でもある〈ウィーウィルメック〉のアヴィティラ化身・アビーが使用することで、はじめて機能を発揮するため、〈ウィーウィルメック〉意外のSSDFの艦艇以外では使用は不可能である。

・操れたのはトゥルーパーズ・グォイドのみであったが、数万のトゥルーパー・グォイドを自在に操り、グォイド艦への攻撃と防御が可能となったため、【カチコミ艦隊】圧倒的不利な戦力比にも関わらず、【ガス状巡礼天体ガスグリム】内戦闘を潜り抜けることができた。












【オリジナルUVDビルダー】

・【ガス状巡礼天体ガスグリム】最奥に存在するオリジナルUVDを無尽蔵に生み出す装置。

・グォイドとの激戦を潜り抜け、〈じんりゅう〉が【ガス状巡礼天体ガスグリム】最奥にてようやく目撃したそれは、【ウォールメイカー】によく似た巨大なリングの内側に、波打つ水銀の膜が張ったような存在であった。

 そのリングは一種のワープゲイトであり、一種ブラックホールBHと思しき天体の降着円盤へと通じていた。

 この事実からオリジナルUVDはブラックホールから生み出され、リングを通じて【ガス状巡礼天体ガスグリム】内に出現するものと思われる。

 つまり【オリジナルUVDビルダー】は、リングとその向こうのブラックホールが合わさってオリジナルUVDを生み出す存在であったといえる。

 また【ガス状巡礼天体ガスグリム】内にて発生してる時間遅延現象は、ブラックホールの強大な重力による時間遅延現象が、リングを通じて【ガス状巡礼天体ガスグリム】内に漏れだした結果生じた現象と思われる。











【空間屈曲トライアングル】

・SSDFが【ガス状巡礼天体ガスグリム】迎撃に際し製造された無人兵装。

・オリジナルUVD搭載のムカデ・グォイドの節三つずつをUVワイヤー繋ぎ、一辺100キロのトライアングル状に繋いだ物体。

・オリジナルUVDの無限のUV出力で三角形の中の空間を歪め、三角内を通過した物体の速度に関係なく、わずかに方向を変えることを可能とする装置である。

・〈ヴァジュランダ〉〈アラドヴァル〉による【集団クラスター】を実体弾代わりにする攻撃が、使用可能な【集団クラスター】が尽きたことで不可能となったSSDF【ガス状巡礼天体ガスグリム】迎撃艦隊は、月と【ガス状巡礼天体ガスグリム】との間に〈空間屈曲トライアングル〉を十数基並べることで、断面が三角形の緩いカーブを描いたパイプを形成し、【ガス状巡礼天体ガスグリム】に対し地球の影に位置していた月のマスドライバー群より発射した、実体弾代わりの多数の鉱物資源パレットの軌道を偏向し、【ガス状巡礼天体ガスグリム】前方のグォイド大艦隊へ命中させることに成功した。

・しかし、敵グォイド艦隊は巨大な円錐状UVシールドを展開し、迫る鉱物資源パレットの方向に向けることで、シールドに命中した鉱物資源パレットを逸すことで防御したため、大きなダメージを与えることはできなかった。

 また、〈空間屈曲トライアングル〉自体は、鉱物資源パレットによる第二次攻撃が終了した段階で、グォイド艦隊が放ったUV弾頭ミサイルと思しき攻撃により破壊され、月からのマスドライバーを用いた鉱物資源パレット攻撃はそれ以降は実行行不可能となった。













【GP作戦】

・互いに高速で接近する超長距離・大質量加減速移送艦〈ヴァジュランダ〉とその姉妹艦である〈アラドヴァル〉を用いて、両艦が放つ運動エネルギーが上乗せされたオリジナルUVD由来のUVエネルギーで【ガス状巡礼天体ガスグリム】前方のグォイド艦隊を挟み込み、圧殺する作戦。

・“GP”とは〈グラビティプレス〉の略。

・メインベルトの二か所にて【ガス状巡礼天体ガスグリム】に向けて実体弾代わりに投射する【集団クラスター】が無くなった〈ヴァジュランダ〉と〈アラドヴァル〉を、【ガス状巡礼天体ガスグリム】前方のグォイド艦隊殲滅に有効活用する為に、主に〈メーティス〉によって考案・実施された。

・緩加速することでグォイドに発見されることなく光速の数%まで加速し、グォイド艦隊に回避の隙を与えることなく圧殺する手はずであったが、作戦最終段階での微調整はほぼ不可能なため、SSDF【ガス状巡礼天体ガスグリム】迎撃艦隊によるグォイド艦隊のキルゾーンへの誘導が必要であった。

・作戦はテューラ率いる旧カチコミ艦隊のグォイド艦隊の誘導により成功するが、〈ヴァジュランダ〉と〈アラドヴァル〉は想定外運用による負荷で甚大なダメージを受けた状態で作戦宙域を離脱してゆくこととなり、再び【ガス状巡礼天体ガスグリム】迎撃戦闘に参加させることは不可能となった。













ブラックホール

・余りにも高重力すぎて空間の彼方へ落ちこみ、宇宙からは巨大な“穴”としてしか観測できくなった天体のこと。

 高重力により周囲のあらゆる物質を吸い込み、仮にその穴に吸い込まれてしまった場合、脱出は不可能。

・この場合は【ガス状巡礼天体ガスグリム】最奥の巨大なリングを潜った〈じんりゅう〉が、その彼方で遭遇した〈ブラックホール〉に酷似した天体のことを指す。

・これまで得た情報から考えて、オリジナルUVDはこの〈ブラックホール〉より生み出されるものであり、この〈ブラックホール〉と出入口である巨大リングの二つを合わせて〈オリジナルUVDビルダー〉なのだと考えられる。

 それはこの〈ブラックホール〉が、〈太陽系の建設者コンストラクター〉が人工的に生み出した存在である可能性を示唆している。

・〈ブラックホール〉は強大過ぎる重力故に、周囲の物質を引き寄せ吸い込むだけでなく、空間を捻じ曲げ引き延ばし、結果〈ブラックホール〉周囲の時間をも引き延ばし、巨大リングを通じて【ガス状巡礼天体ガスグリム】内部に時間遅延現象を引き起こした。

・〈ブラックホール〉周囲には、膠着円盤なるプラズマ流のリングが高速周回している。

 これは元は〈ブラックホール〉近傍にあった天体が、BHの高重力吸い込まれる過程で、星を構成していた物質が、BHに重力で引っ張られ加速した際に、回転運動に伴う遠心力と〈ブラックホール〉の高重力が釣り合った結果、延々とリング状を維持してしまったもの。

 〈じんりゅう〉が通過した巨大リングの出口は、この降着円盤のプラズマガス流内に存在していた。

 またその降着円盤のプラズマガス流に潜むようにして、〈アークグォイド〉が巨大リングを潜って侵入者を待ち受けていた。

・膠着円盤にならずに吸い込まれたプラズマ流の内のごくわずかが、〈ブラックホール〉の南北の極点で互いに激突し、吸引された時の速度で膠着円盤に対して垂直方向に飛び出してゆことで【高速ジェット】として〈ブラックホール〉南北の極点より噴出している

・降着円盤は〈ブラックホール〉に対し、土星のリングのような形状と位置関係で高速周回しているが、高重力で周囲の光が屈曲させられた結果、本来〈ブラックホール〉の影にあるはずの降着円盤の姿まで観測者である〈じんりゅう〉の元まで届き、その結果〈じんりゅう〉からは〈ブラックホール〉手前の降着円盤と〈ブラックホール〉の影の降着円盤が同時に観測できてしまう現象が生じた。

 その光景はケイジには巨大な小文字の“e”のように見えた。

・エクスプリカの分析によれば、〈ブラックホール〉の直径は金星の公転軌道ほどもある。

 人類の知る〈ブラックホール〉と似てはいるものの、〈じんりゅう〉の観測する物理法則が既知宇宙とは異なっていることから、人類の住まう宇宙の〈ブラックホール〉とは似て非なる存在である可能性もある。

 その証左として、〈じんりゅう〉は金星の公転軌道ほどもある〈ブラックホール〉のさらに周囲に存在する降着円盤上をわずか数十秒の時間で一周することができた。











【アーク・グォイド】

・〈ブラックホール〉を周回する降着円盤内に潜み、〈オリジナルUVDビルダー〉に接触しようとしてきた侵入者を待ち受けていたグォイド。

・全長約4キロ。恐ろしく鋭く細長い巻貝の一種のような、どこか生物的な曲面を有した円錐状の船体の後部に、強力なエンジンナセルがいくつも束ねられた形状をしており、さらに細長い棘のようなものや、イカの触腕のようなものが艦尾に伸びている。

 基本的に黒色をしたグォイドの船体に対し、その船体色は〈じんりゅう〉に近いパールホワイトを基本色に、ピンク色のラインが端々にうねっている。

 目撃したケイジの印象だけで言えば、通常のグォイドよりもはるかに奇麗で美しい優美な艦に見え、サティは“可愛らしいグォイド”と評した。

・【ANESYS】により〈アーク・グォイド〉と命名された。

・その船体の中心軸部分は長大な実体弾投射砲となっており、オリジナルUVD出力の〈じんりゅう〉のUVシールドさえも容易に貫徹する実体弾のバースト射撃を主な攻撃手段とする。

 またオリジナルUV出力と思われる強力なUVシールドと大推力を有しており、その巨体にも関わらず、エックス・ブースター合体状態の〈じんりゅう〉と同等の機動力と、〈じんりゅう〉の主砲UVキャノンを完全に防ぎきる程の防御力をもつ。

 通常の実体弾投射砲艦ならば、搭載された実体弾を打ち尽くせば攻撃能力は消失するが、〈アーク・グォイド〉の場合、その船体の周囲にもうけられたダクト状装置を、〈ブラックホール〉の降着円盤に浸すことで、降着円盤を構成してる物質を船体内に取り込み、新た実体弾を生み出すことを可能とする。

 この為〈ブラックホール〉の降着円盤上を戦域とする限り、〈アーク・グォイド〉に実体弾の弾切れという事態は存在せず、降着円盤から構成物質を取り込む限り、無尽蔵に実体弾投射砲を撃ち続けることが可能であり、事実上最強のグォイドであると言える。

 またグォイド観測史上初のクラッキング攻撃を〈じんりゅう〉に対して行い、〈じんりゅう〉が制御を奪われることは無かったものの、【ANESYS】の情報処理能力に大いに負荷を与えた。

 このクラッキングの事実から〈アーク・グォイド〉は、単艦でこれまで遭遇してきた全てのグォイドの中でも最も高い知性を有し、また〈じんりゅう〉を知性ある存在として見てめたものと考えられる。

 【ANESYS】による防御でクラッキングが不可能と判断したのか、〈アーク・グォイド〉は説得という形で、自らの脳を【ANESYS】に繋ぎ〈じんりゅう〉の操艦を行っていたケイジに降伏を勧めてきた。









【〈じんりゅうwith アクシヲン二世〉】

・ 〈じんりゅう〉に、〈対消滅爆弾〉使用後の〈アクシヲン二世〉の実体弾投射砲であるセンターフレームおよび推進部がドッキングした状態のこと。

・【ガス状巡礼天体ガスグリム】最奥での〈ジュラントWAⅡ〉による〈対消滅爆弾〉の使用後、〈ジュラント〉のジュリー《アヴィティラ》によって託され、サティによって〈ブラックホール〉周囲の降着円盤上で〈アーク・グォイド〉と交戦中の〈じんりゅう〉に届けられた。

 その際、サティは自らをステルス幕として〈アクシヲン二世〉センターフレームおよび推進部を覆うことで、〈アーク・グォイド〉に発見されることを逃れた。

・この追加装備がなされたことで、〈じんりゅう〉はUVキャノンもUV弾頭ミサイルも通じない〈アーク・グォイド〉に通用する武装を使用可能となった。

 その実体弾の弾体として、〈アクシヲン二世〉の主動力源であるオリジナルUVDをそのまま撃ち出すことが可能となっている。

 オリジナルUVDは絶対破壊不可能物体であるため、この実体弾を回避する以外で防御する術は存在しない。














【汎銀河グォイド被害者の会艦隊】

・〈アーク・グォイド〉を撃破したことで、【ガス状巡礼天体ガスグリム】の使用権を得た〈じんりゅう〉クルーが、迫るグォイド・プラントから地球人類を守るべく、ワープゲイトを通じて銀河中に救援要請し

た結果現れた勢力のこと。

・【インナーオーシャン】海底のバトイディアで〈じんりゅう〉級が出会った【オリオン文明グォイド被害者の会・同盟艦隊】の代表AI〈デリゲイト〉が仲介することで、言語翻訳がなされ人類とのコミュニケーションが可能となった。

 その名称等は全て〈デリゲイト〉が人類に理解できるよう訳した結である果。

・【ガス状巡礼天体ガスグリム】前方を先行して移動するオリジナルUVD群がワープゲイトとなり、そこを通過することでグォイド・プラントとの最後の戦闘に挑むSSDFの前に現れた。

・銀河のいずこかでグォイドと戦ってきた異星文明の多種多様な戦闘艦艇からなり、その船体は赤や青や白などの原色に光輝くことで、フォルムやシルエットは判別できるが、ディティールまでは判別できないようにされている。

 これは無暗に各異星文明の艦艇の姿を開示しないことで、無用な偏見や先入観を互いの僚艦に与え、諍いの原因とならない為の配慮であるとされる。

 同じ理由でテューラにコンタクトしてきた【汎銀河グォイド被害者の会艦隊】の代表のアヴァーシャララは、テューラ達の前に地球の白猫の姿で映像通信してきた。

・いったいどのような経緯と手段を用いて、銀河の端々に存在する異星文明間で【汎銀河グォイド被害者の会艦隊】が結成されたかは不明だが、〈太陽系の建設者コンストラクター〉の異星遺物の使用権を獲得し、ある程度ワープゲイトの使用ノウハウを得た文明が複数出現した結果、グォイドに関する情報と利害が共有された為と推測される。








【SSDF‐ISES‐XX1〈アクシヲンⅠ世〉】

・【ガス状巡礼天体ガスグリム】の地球侵攻に際し、30人会議の承認を経てSSDFが完成させた恒星間インター・ステラー移民船イミグラント・シップ

・元はグォイドとの戦いに、人類が勝利する可能性は皆無であると判断したSSDF戦略AI〈メーティス〉が、UV技術が確率され始めた第二次グォイド大規模侵攻迎撃戦直後に、SSDF上層部に対し独断かつ秘密裡に建造を開始した船。

・建造はメインベルト内の秘密工廠にて、予備としての二番艦である〈アクシヲン二世〉と同時に行われたが、第三次グォイド大規模侵攻迎撃戦を経た段階で人類のUV技術が予想外に進歩し、当時最新のUV技術に合わせて再設計した〈アクシヲンⅢ世〉を優先して新たに建造することが決定されたため、設計が陳腐化してしまった〈アクシヲン一、二世〉は完成度が30%の段階で人知れず放置されることとなっていた。

 しかし第五次グォイド大規模侵攻迎撃戦から約半年後、地球侵攻が確認された【ガス状巡礼天体ガスグリム】に対処すべく、建造途中で放置された〈アクシヲン一、二世〉の船体の再利用が決定され、〈アクシヲン二世〉は攻撃用戦闘艦として、〈アクシヲン一世〉は再び人類の地球圏脱出を成す為の箱舟として建造が再開された。

・全長約10キロ、21世紀前後の原子力潜水艦を平たくしたようなフォルムをした艦であり、その船体構造や搭載設備は、サイズが〈アクシヲン三世〉より二回りほど巨大である以外は、〈アクシヲン三世〉と変わらず、建造再開時の最新のUV技術が投入され建造された。

・主機関にはオリジナルUVDが搭載されており、地球圏で【ガス状巡礼天体ガスグリム】迎撃戦が行われた段階で完成度約95%に達していたが、突如動き出した建造用自動機械群により異星文明の装備である〈トラクタービーム〉が搭載され、無人状態で建造地である火星圏のドックから地球圏への移動を開始した。

・グォイド戦役が終了した後に、人類の太陽系脱出目的ではなく、人類の恒星間移民を目的とした艦として太陽系より旅立った。


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リバース・スラスターズ マユ・クロフト @17012409

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