羽込のボケと飛沫のツッコミが光る、夫婦漫才の様なコメディ小説と思いきや、物語は途中から思わぬ展開へ。
SFだが、ミステリー要素も大いに含まれたストーリーです。
友情、親子愛などのメッセージ性もあり、奥深い内容だと思いました。
個人的には、作中の
「もとより知らない命の果てだ。縮まってたって気づきやしない。今を生きるためなら、いくらでも使ってやる」と、
「元々、あり得ない存在というのは、それ自体がロマンであり、夢物語であること。その尊さが美しいんじゃなかろうか。そう思うようになった」
というフレーズが好きです。
子供たちのわくわくするような探検から始まったので、現代ドラマ的な展開かなと思ったけども、始まったのは超科学の未来ファンタジー体験記だった! ってコメントに書いてるじゃん! いや~、でもこの展開はびっくりですよ。
チートなのは主人公だけじゃなくて、世界が丸ごとチートだった件。
かなり自由度の高い世界で、あえてディスクをこう使う主人公のセンスも面白いっす。
面白いと言えば、キャラも立っててよかった! 話の展開が早めですけど、しっかりとキャラがついて行ってますねー。
いかに時代が進もうとも、仲間と共にっていう古典を踏んでたのは好印象でした。やっぱりいくらチートキャラでもね、できることとできないことがありますからね。
で、チート無双かなーと思っていたんですけど・・・・・・
助けたいと伸ばされた腕はすれ違い。
空を切る手は闇雲に、掴んだものにすがりつく。
触れた何かに思いの丈を、ぶつけるように力を込める。
必死に、必死に。
不意に、巨大な何かは動き出す。
動かしてからその大きさに気が付いた。
巨大なそれは、
「世界」
と呼ばれている物だったーー
まさかの「始まり」こうきたか!
懐かしさやわくわくを、沢山詰め込んだアドベンチャーもそろそろ佳境とのこと。
どう決着をつけるのか、楽しみですね!
追伸
作者さんのコメディの引き出し大杉ィ