★★★これを面白いと言わずして何を(略

規制なんて許せない、戦ってやる! という話だと思ってたら逆だった。主人公は規制推進側。
警察と官僚のなんやかんやあり、カーアクションあり、ハッキングあり、謎解きあり、と盛りだくさんの内容。読み出すと切り上げるタイミングに困る。時間があれば一気読みしただろうと思う。
細かなエピソードがたくさんあると、普通ならごちゃごちゃするだろうと思うのだが、どれもきれいに繋がっていて、物語に厚みを持たせている。
登場人物が多いが、キャラが立っているので、こいつ誰だっけ?となることも、混同することもない。
タグはついているけれども恋愛要素はかなり薄い。同僚や他組織とのチームワークの方に重きが置かれていると感じた。得意分野の能力を発揮することでチームとして成り立つってのはいいよね。そのせいで個人的に応援していた人物の陰が薄くなってしまったけれども、まあそれは作者の思いがあるのだから仕方がない。

個人的には、ミステリーというよりは、現代アクションやSFなんじゃないかと思う。謎解き部分よりも、カーアクションやIT部分に心躍った。
車やITに詳しくなくても、注釈があるから安心してほしい。

ぜひ読んでもらいたい一冊。

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