ネッ禁法時代:東京試炸例(トーキョー・バースト・プロトタイプ)#トバプロ

作者 吾奏伸(あそうしん)

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★★★ Excellent!!!

文庫本では一冊に収まりきらない程のかなり長い作品ですが、首都圏を物語の舞台とした、壮大なミステリー活劇にはどこにも無駄な要素はなく、すべてに意味があり、時には伏線として読者を驚愕させる、ものすごい小説です。ハイレベルな頭脳戦は、無料のWeb小説の枠を軽々と凌駕するレベルだと思います。
これを書くのに、どれだけの時間と下準備を要しただろうと、思わず感じざるを得ません。

アクション、ミステリー、ヒューマンドラマ、コメディ、恋愛要素もありの、とてつもなくハイスペックなストーリー。少し時間はかかりますが、期待を裏切らないと思います。

★★★ Excellent!!!

映像が浮かぶような文章に展開が速く飽きさせない物語。
キャラクターそれぞれのストーリーもいいし、それぞれの活躍が読んでいて楽しいです。プロか、それ以上かと思うほど細部のリアリティ、作り込みが読んでいる方にも伝わってくる作品で、読み応えがバッチリでした。

★★★ Excellent!!!

規制なんて許せない、戦ってやる! という話だと思ってたら逆だった。主人公は規制推進側。
警察と官僚のなんやかんやあり、カーアクションあり、ハッキングあり、謎解きあり、と盛りだくさんの内容。読み出すと切り上げるタイミングに困る。時間があれば一気読みしただろうと思う。
細かなエピソードがたくさんあると、普通ならごちゃごちゃするだろうと思うのだが、どれもきれいに繋がっていて、物語に厚みを持たせている。
登場人物が多いが、キャラが立っているので、こいつ誰だっけ?となることも、混同することもない。
タグはついているけれども恋愛要素はかなり薄い。同僚や他組織とのチームワークの方に重きが置かれていると感じた。得意分野の能力を発揮することでチームとして成り立つってのはいいよね。そのせいで個人的に応援していた人物の陰が薄くなってしまったけれども、まあそれは作者の思いがあるのだから仕方がない。

個人的には、ミステリーというよりは、現代アクションやSFなんじゃないかと思う。謎解き部分よりも、カーアクションやIT部分に心躍った。
車やITに詳しくなくても、注釈があるから安心してほしい。

ぜひ読んでもらいたい一冊。

★★★ Excellent!!!

私は自分の職業柄、官公庁のITにかかわることが多く、NICTや警察との商談に関わったこともある。そのためこうした組織は現実に存在していても、普通は攻殻機動隊の9課やニューロマンサーのチューリングと同じファンタジー組織として扱われているのに多少の違和感があり、読み始める前は少し腰が重かった。

しかしながら、読み始めたらやはり面白かった。キャラクターや構成もさることながら、組織や技術の取材がおそろしく正確で舌を巻いた。さすがにここはファンタジーだな、と思う脚色もあったが、この手のウンチク文章は、たいていプロや関係者が読むと書けば書くだけ恥ずかしくなるような間違いで溢れるのだが、本作は、少なくとも私の理解している範囲では、割り切って意図的にウソを書いている部分以外はとことんまでリアルに見えた。

これはプロの犯行だなと思い、作者のサイトを見たら、やはりwiredに寄稿するような技術系のライターということで納得。

トリックもうまい、展開も早い、文章もクールでキャラクターは格好いい、アクションシーンの疾走感も見事である。奔放で緻密で、情熱的で計算高い。なんか書くなら、このレベルを目指したいものです。

★★★ Excellent!!!

簡単に人と人が繋がる世界の片隅で、人の悪意は容易く増殖し、強大な力となって人々に牙を剥く。

だが、悪意が増殖するならば、人と人の繋がりによって善意もまた力を増し、それに抗おうとするのでしょう。

絶望と希望。
この物語には両方の人の意思が感じられました。

自由と不自由の挟間で繰り広げられる人々の争い。
その結末は読者様自身の目で確かめてください。



★★★ Excellent!!!

いやいやこれが無料で読めるってどういうことですが、ありがとうございます。わたしが編集者だったら確実にアポとります。

緻密なプロット、伏線。緩急のつけ方も抜群。あのスピード合戦は実写化されてほしくてたまらない。意外な展開、あのひとが実は…なところほんとに驚きました。これは読んで得しかない作品です。

★★★ Excellent!!!

この作品を読んで「カドカワ的には、この作者さん取り逃す選択肢ないだろ」と思いました。俺が編集なら即契約ですよ。こんだけ書ける人を他に探せる気もせんし、その辺の新人捕まえてこれ書けるレベルまで育て上げられる気もしない。



37万字もあって全くだれていません。誇張ではなく「読むモチベーションが下がらないために、文字を追う速度が普段より早い」と自覚しました。あらゆる場面の終わりに興味を引くフックを忘れない心遣いを見せつつ、圧倒的な知識量にうらうちされた筆力、厚みのあるキャラクターと世界を書ききっています。
そう、書ききってる感じがするのです。書くべきこと全部詰め込めるだけ詰め込んで、その全てが面白いのです。



商業作家と比べても引けをとらない文章。エンターテイメント性を失わず、リーダビリティもかなり高め。格闘や狙撃&カーチェイスといった動きの激しいシーンもそつなく書いていました。
ハッカーという題材やネッ禁法という独自の単語から、専門用語の飛び交う物語が察せられて、見た目とっつきにくそうかと思います。でも実際読んでみると、引っかかるところあんまりないです。説明そのものも上手いですが、説明するタイミングも上手いですね。頭の中で前に説明された内容と今説明された内容を結びつけて理解できるよう、情報の並べ方が計算されてる感じがしました。


しかしプロットの精緻や、知能と知能のぶつかり合いのステージの高さもさることながら、単純にアツい。感情を揺さぶられます。この点についてアツいとしか言いようがないんですがとにかくアツい。




ネタバレ回避のためめちゃくちゃ曖昧に言いますが、急加速したらあれが折れて頭めがけて飛び込んできたけどあれが飛び出して身を乗り出したがために助かったシーンに「うおおおおお!」となりました。(伝わるんかこれ)

★★★ Excellent!!!

角川とはてなが満を持してローンチした小説投稿サイト「カクヨム」が、その最初のコンテストとともに産声をあげて約一か月が経過しました。

web小説というものにどんな印象を持っていますか。人によって様々な印象を持っていると思います。正直、紙の小説よりも、クオリティやランクを落としたものだという見方をしている人も多いのではないかと僕は思っています。

確かにクオリティの保証がないというのはweb小説のひとつの特徴かもしれません。もちろん実際には、web小説ではない紙の書籍だって、クオリティが必ずしも保証されてはいません。しかしそれでも、紙の書籍については、少なくとも出版社や編集者が出版に値するという評価を下している以上、そこまでひどいものではないだろう、と多くの人が考えているのではないかと思います。

ところが、小説に人が求めるものはまったく一定ではない。人によって様々です。だから、多少文章が乱雑だとしても、どこかで見たような設定のご都合主義な物語だとしても、スマホで手軽に読めて、自分を楽しませてくれるならそれでいいと考える人は少なからずいると思います。これまでのweb小説というのは、そうした需要に応えるひとつのありかただったのではないかと思います。

ただ、カクヨムの登場を経て、僕は今後そうしたweb小説に対する「あなどり」は通用しなくなっていくのではないかと感じています。程度が低い、大した作品ではないだろうという軽視。そんな目線でweb小説をみつめる時代は終わる。

そして僕こそが、本作品「ネッ禁法時代:東京試炸例(トーキョー・バースト・プロトタイプ)」を、無意識のうちに、そうしたあなどりの目で見てしまっていた一人であることを懺悔しなければなりません。「web小説にしては面白い」「アマチュアの作品にしては面白い」――カクヨムローンチ以降、何十作品も目を通すうちに、そんな感覚… 続きを読む

★★★ Excellent!!!

圧倒的な存在感。綿密に組み上げられたストーリー。どんどん先が読みたくなってしまいます。完結してしまってつらい。

電脳車、ハッキング、ネットの免許制、面白すぎます。
友人とかに勧めまくりたい気分です。半村良とか好き?攻殻機動隊とかは?だったら読んで!後悔はさせない!という風に。

紙の本で読みたい。途中で気になったところをページめくって読み返したくなるからです。

★★★ Excellent!!!

緻密な描写、ぶれのない表現力、愛すべきキャラクター、巧みな構成……魅力的な部分を挙げ始めたらきりがありません。
明らかに、頭ひとつもふたつも飛び抜けた才能を発揮されています。
商業小説以外で、これほど滑らかに読め、時間を忘れてモニタにかじりつきたくなった作品は初めてです。

★★★ Excellent!!!

活字を見ると自然と目が閉じる私でも
長編苦手なあなたも夢中になる最終章!
登場人物の心の様子や背景が、小説を読み進めるうちにこちらに伝わってくる。
第3話(十八−2)からは妄想力マックス!!
特に第3話(十九)の岩戸紗英氏と箕輪教授の会話が素敵だった!
親心以上の「紗英氏を思えばこそ!」
教授からしたら「生徒諸君がいたからこそ!」
自分の人生と重ね、あの時あの人は!
言葉や行動の裏にある心温かい瞬間を感じられた小説だった。

★★★ Excellent!!!

義体の出てこない攻殻機動隊。一言でいうとそんな感じでしょうか? 自分はそういうイメージを持ちました。キャラクターの一人である「香坂一希」を「トグサ」でイメージしながら読んでます。

実際、未来の日本は、この作品世界のようになりそうな予感がありますね。今から、電網免許証の勉強をした方がいいかもしれません。

★★★ Excellent!!!

インターネットをするのに免許が必要? なぜなぜ?

政府の陰謀や策略等、ダークで分かりづらい話かと思ったら、恋愛あり・コメディあり・ミステリーありで、なかなかに取っ付きやすい物語だった。

とはいえ、話の本筋はサイバーテロリストに立ち向かう3人の主人公を中心に巻き起こる様々な事件たち。

作者様の作戦だと思いますが、毎週絶妙にいいところで終わるので、続きが早く読みたくなる作品です。

★★★ Excellent!!!

スケールの大きさとミステリーの緻密さ、魅力あふれる会話劇、底知れぬダークな雰囲気が漂うかと思えば、それをひっくり返すブッちぎりの爽快感。様々な要素が混在する、これぞエンタテイメント!な作品だと思います。

ストーリーがものすごい勢いで走るかと思えば、一方で丁寧な心理描写や会話で楽しませてくれる。物語のドライブには近未来的なギミックが効いていて、またその様がとても映像的でステキなのです。

特に私が好きなところは会話パート。GEEの人を食ったような物言いに毎回爆笑してます。森見登見彦とか京極夏彦好きの方に特にオススメ。そして主役(有華♀、香坂♂、緒方♂)のキャラクター。このドリカム状態な3人組が悩み苦しみ、そして笑いながら一生懸命前を向く姿に、思わずニマニマしてしまいます。

物語はまだ連載中(そろそろ終盤?)ですけど、これまでの作中で数多くばら撒かれたミステリーの種をどのように回収するのか、恋の行方、人間関係のもつれをどのように解きほぐすのか、今から大団円が待ち遠しいのです。早く続き読ませて♪

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追記:クライマックスの第3話(十九)~(二十一)は圧巻でした。手に汗にぎり、何度涙がこぼれたことか。
加えて畳み掛けるように続く垂水 vs 四本木、飯島 vs UNKNOWNの会話では底知れぬ恐怖感とリアリティを感じました。
そして香坂と有華の最終話、爽やかの一言です!

終わってしまって寂しいと思う反面、でもまた新たな物語の始まりという気も(希望的観測)……。
続編が読みたい。読みたいゾ。