概要
壁を挟んだ、顔も知らないあなた
王城の離宮には、“名前を知られていない”王女がいる。
エイリッヒは、軽い男だ。今日も酒と賭けで盛り上がる。
「おい、エイリッヒ。さっきの負けをチャラにしてやるから、その王女から“名前”を聞き出してこいよ。誰も知らないんだろ?」
公爵家の嫡男エイリッヒは、公の場で婚約者に振られて以来、ずっとこんな生活だ。
「君の名前は?」「……“君”でいいわ。そう呼びかけたでしょう?」
名前を聞き出すだけの賭けだったはずが――。放蕩息子はいつしか、壁の向こうの、名無しの王女に会う夜を待ちわびるようになる。
エイリッヒは、軽い男だ。今日も酒と賭けで盛り上がる。
「おい、エイリッヒ。さっきの負けをチャラにしてやるから、その王女から“名前”を聞き出してこいよ。誰も知らないんだろ?」
公爵家の嫡男エイリッヒは、公の場で婚約者に振られて以来、ずっとこんな生活だ。
「君の名前は?」「……“君”でいいわ。そう呼びかけたでしょう?」
名前を聞き出すだけの賭けだったはずが――。放蕩息子はいつしか、壁の向こうの、名無しの王女に会う夜を待ちわびるようになる。
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