概要
ただ、あなたを愛している。
幼気な彼女は悪魔憑きを指摘されて、町外れの端切れで出来た屋敷に不思議な青年と暮らすことになる。おかあさまともおとうさまとも離れてしまったけれど、彼女は充分に満たされていた。青年の存在あってのことだった。
ある日、ふたりの安寧は崩れ去ろうとする。正しい愛とはどんな姿をしているのか、あなたにもらったぶんわたしが渡せるものってなあに、でもそれより。あなたが欲しいもの、ひとつでも多く与えてやりたかった。
ある日、ふたりの安寧は崩れ去ろうとする。正しい愛とはどんな姿をしているのか、あなたにもらったぶんわたしが渡せるものってなあに、でもそれより。あなたが欲しいもの、ひとつでも多く与えてやりたかった。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!「受け入れる」が、そのたびに違うものを指していく物語。
物語は、町外れの診療所を車椅子で出る場面から始まります。家族に遠ざけられた少女が廃屋で出会うのは、アルミサエルという名を与えられた、天使とも悪魔とも、人間とも言い切れない存在。二人をつなぐ不思議な緒は、命を支えるものに見えながら、暮らしの自由を狭めるものでもあります。
印象的なのは、「受け入れる」という同じ言葉が、場面ごとに別の対象へ向けられ、そのたびに感触を変えていくことです。言葉と行為のあいだに、本文が埋めない距離があり、読み進めるほど、ひとつの選択を簡単に正しいとも間違いとも言えなくなっていきます。けれど作品は、その迷いを都合のよい答えで閉じません。
言葉が誰の口から出て、どこに置…続きを読む