概要
幼馴染みの彼が遺したロードバイクで、私は今日も重いペダルを踏み込む。
海の日の暑い日差しの中、女子大生の西木日奈は幼馴染の穂高から譲り受けたターコイズブルーのロードバイクを漕ぎ、運動公園へ向かう。5年前のコロナ禍、SNSの炎上によって自室で命を絶った穂高。彼が遺した自転車に乗り、蝉時雨と川のせせらぎに包まれながら、日奈は二度と真意を聞くことのできない彼の「ごめん」に思いを馳せる。切なくも美しい、夏の日の記憶と再生の短編
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!本当に恐ろしいのは未知のウイルスより、荒んでしまった人の心だった
風情のあるタイトルの美しさにぐっと惹かれ、読ませていただきました。
主人公のモノローグが苦しくて切なくて、それなのに不思議と世界が輝いて見えるような情景描写に、思わず息を呑みました。
誰もが未知のことに疑心暗鬼になってしまっていた、あの頃。
この物語のような悲しい事件は、当時実際にいくつも起きたことだと思います。
あの頃のことを風化させてしまわぬように、二度と悲しい出来事が起きてしまわぬように、忘れずに心に留めておきたいです。
素敵な作品を読ませていただき、大切なことを思い出させていただきありがとうございました。