概要
夜闇の隅に青白く燃えるその火はきっと――さびしく、哀しいんだろう。
近所のコンビニの駐車場。その片隅に、すこし場違いに突き出ているその石には、どこかしら哀しげな怪談が流れていた。
柴田恭太朗様主催の企画『三題噺 #154』参加作品( お題「油」「集」「話題」)、および、小野塚様主催の企画『納涼怪談会』の参加作品です。
柴田恭太朗様主催の企画『三題噺 #154』参加作品( お題「油」「集」「話題」)、および、小野塚様主催の企画『納涼怪談会』の参加作品です。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!背筋がゾクゾクする
『おれ』こと主人公は、黒澤と睦山と共に小学校から下校していた。
コンビニのブロック塀のところにある、真四角の石を黒澤は「墓石なんやで」と自慢げに語る。黒澤のグループに一度目をつけられたことのある主人公は、自信満々に話す黒澤の言葉を半ば信じ込んだ。
その後、黒澤は得意げに墓石の由来を話すのだが——といったお話です。
とても怖く、そして面白かったです。本作では昔の伝承のような話が黒澤の口によって話されるのですが、まずそれがもう恐ろしい。聞いているだけで背筋が凍るような話にはリアリティがあって、現実の話のように思えます。
短編小説ではオチが重要なのだと私は思いますが、この作品ではオチも素晴…続きを読む - ★★★ Excellent!!!陰火は今も静かに宵闇に燃ゆ
小学生の頃に聞いた、駐車場横に出ている
『石碑』の曰く…。
以前に、この地域では車のガソリンを抜く
泥棒がいて、運悪く車に押し潰されて
亡くなったという。
ブロック塀に染み付いた油の如く
恨みなのか後悔なのか分からぬ程の哀しみが
茫んやりと灯る陰火となって立ち現れる。
車と塀との間に押し潰された無念は、今も
人の口に膾炙するが…。
そもそも、その話をおどろおどろに聞かせて
来たのは卑劣で陰湿ないじめっ子。
他人を軽んじ、自分に従わない者は平然と
仲間外れにするなど造作もない。皆んな、
心の中では辟易しつつ顔色を伺うのが
暗黙の了解だった。
油を盗む者が死後に妖怪になった 油坊…続きを読む