タケノコの灰汁抜きを、これほど不穏に、かつ魅力的に描いた文章が他にあるでしょうか。おどろおどろしい「悪」としてのタケノコが、鍋の中で頬を染め、醤油の衣を纏って「良いヤツ」へと転生する。その過程を彩る言葉選びのセンスが、とにかく強烈です。シュールな会話劇の背後に流れる、土と煮汁の濃厚な香り。旬の食材を「食べる」という行為に潜む、ある種の残酷さと深い喜びを再発見させてくれる、傑作です。
独特の空気感を持つ作品だけど、何を言っているのかちゃんと伝わる不思議な物語―—……貴方も、読んだその後は、グゥ……と、お腹が鳴るはずです。
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