このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(418文字)
一度でも小説を書いたことのある人なら、必ずどこかしらで刺さるんじゃないかと思う。自分も、同世代のプロ作家が現れて脚光を浴びた時には言葉にならない悔しさを感じたし、自作の小説が読まれなさすぎて絶望したことも何度もあった。別の創作手段を模索したこともあった。それでも、不思議と何かのタイミングでまた小説を書きたくなる。そんな陽の目を見ない文字書きの、小説に対する愛憎に近い感情。それを見事に表現した短編だと思いました。
私は物を書いていながら己の感じたことを表出することに慣れていないのです。それでも、何か言葉を残したいと思いました。共感する読者が居ると伝えたくなりました。
小説を書いている人間なら誰しもが抱く嫉妬や憧憬を優しく包んでくれる話です。才能という壁に届かなくても、書き続けていれば誰かに届くことがきっとある。私はそんな風に受け取りました。勇気がもらえるエッセイです。是非読んでみてください。
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