概要
灰色の正義、剥き出しの悪
都内を震撼させた連続殺人犯・阿久津が逮捕された。取調室で彼と対峙するのは、自らの正義を絶対と信じて疑わないベテラン刑事・九条。九条は、阿久津の凶行を「社会の平穏を乱す悪」と断じ、自らの信念を押しつけることで、犯行の動機を自白させようと試みる。彼にとってこの取り調べは、正義が「異常者」を屈服させる一種の儀式でもあった。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!“社会”にあまりに長く奴隷にされてきた人は、“自然”への回帰を渇望する
人類という種がこの世に誕生して以来、その支配のもと、世界はひとつの新たな属性を獲得した。
“社会” という、“自然”から独立し、それを超えようとする属性である。
人類の社会は人類の存続のために存在し、人類は存続するほどに“社会的属性”を刻印されてきた。
人類が進化するにつれ、その社会的属性はより“文明”へと傾いていく。
しかし、その文明なるものは、結局のところ「愚かな善人」と「賢い悪人」が安定を維持するための道具に堕してしまった。
他者へ強要されるこの文明は、世界に生きる人類が生まれながらに持つ“自然”なる属性を押しつぶす軛となった。
だから、圧迫と蹂躙に耐えかねた奴隷たちの一部が、目…続きを読む