仲間殺しの勇者、ハーレムでうやむやに〜あの世で異世界スローライフ配信でもしてろジジィ〜

あの夜、俺は気づけば賢者オルフェンを刺していた。
闇が囁いたのか、俺の心が叫んだのか……わからない。
ただ剣は抜けず、血は止まらず、俺は震えていた。

けれども俺は言い張る。
——これは自殺だ。

疑いの視線は俺を刺す。
それでも仲間たちは、なぜか俺を庇い続ける。
まるで「自分だけが俺を理解している」と思い込むように。

不自然な信頼、歪な絆、そして共犯めいた愛情。
俺は勇者であり、探偵を演じ、罪を隠しながら歩く。

魔王を倒すその日まで……
許せ、オルフェン。
俺はきっと、この手を血に染めたまま戦う。


※注意
・この物語は異世界ファンタジーです。
・ただし「スローライフ」や「配信」は一切出ません。