異種族間の魅力を語ろうか

幸まる

異種族間交流

私は”異種族間“の交流を描いた物語が大好きです。

もちろん恋愛に発展する物語はだ〜い好きで、色々web小説を漁っても、自分好みの異種族間恋愛の物語が見つからなかったから、自分で書いてしまえ!と考えたのが、小説を書き始めたきっかけでした。


ですが、別に恋愛に発展しなくても良いのです。

人間とは感覚も考え方も違う異種族が、何かのきっかけで近付き、種族は違っても同じものを見つけたり、違うことを尊重し合ったりしながら、絆を深めていく。


その過程が堪らなく良いのです。

最高。


世界を変える人間と精霊の大恋愛。

拗れまくった人間とエルフの友情。

種族の違う獣人と獣人の淡い初恋。

人間と魔獣の主従契約よりも強い絆。

妖精と人間の世代を超えた温かな関係。


……などなど。

今までにたくさん書きました。



「異類婚姻譚」という言葉があるくらいですから、人間と人間以外の生き物が恋愛したり結婚したりする物語は世界的に見てもポピュラーなもので、それこそ神話の世界には溢れるほどありますね。

詳しくない私でも色々浮かびます。


……詳しくないのでそこは飛ばしますが。(飛ばすんかい)


子供の頃から当たり前に目にする童話にもたくさん。

有名どころで言えば、「鶴の恩返し」や「浦島太郎」なんかは、子供の頃に絵本で読みますよね。

「人魚姫」なんてディズニー映画にもなっているわけですから、多くの人が異種族間の関係に何かしらの魅力を感じるのでしょう。



近付きすぎれば、同族から待ったがかかり、邪魔が入る。

離れれば自分の種族にはないものに気付き、考え方を変えていく。

互いに影響しあい、それが周りにも変化をもたらす。


人間同士でももちろんこうしたことはありますが、異種族間だからこそ当たり前にある差異がどう表現され、両者がそれを飲み込んでどう交流していくのかが見どころ。

ドーン! スパーン! では解決しないもどかしさ。

それが異種族間交流の醍醐味であり、魅力であると思うのです。


共感頂けるでしょうか?




さて。


こんな風に「好き」を語ってきたわけですが、そういえば私がこれ程異種族間交流に惹かれたのは、一体何がきっかけだったのだろうかと思いました。

もちろん子供の頃に「鶴の恩返し」も「浦島太郎」も読みましたが、それで惹かれたわけでもありません。


小学生までは、読む本といえば伝記か昆虫記くらい。

漫画は友人宅で読んでいましたが、特に強く覚えているものはありません。

私の父はどちらかといえば厳格な人だったので、家にテレビゲームはなく、テレビのチャンネル権は末っ子の私にはないのでアニメも観れませんでした。


う〜ん、自分が好きなもので、異種族間交流が描かれてあった物語……。


漫画は、間違いなく紫堂恭子先生と篠原烏童先生。

ゲームだとファイナルファンタジーシリーズ?

それより前に夢中になっていたものもあるにはありますが、異種族間というものではありません。

なんだろう。

はて、何か忘れているような……。



“夢中になっていたもの”、で、ふと思い出しました。



私が中学生の頃、まだ土曜日は半日学校があったのですが(歳がバレるわ…)、学校が終わると私は急いで走って帰り、お昼ご飯も放ったらかしにしてテレビに齧り付いていました。


テレビのチャンネル権がない私にとって、土曜の昼は、誰にも邪魔されずにテレビを観られる時間でした。

それである日、何気なくテレビをつけ、その時間に放送されていたドラマに魅了されたのです。



そのドラマとは、「ナイトライダー」。



1980年代前半に作られたアメリカの特撮テレビドラマで、私の住む地域のテレビ局では、土曜の昼に一時間枠で放送されていました。

元敏腕刑事の主人公マイケルが、訳あって顔と身分を失い、ナイト財団の後ろ盾で私立探偵として奔走する内容。(ザックリ)

そのマイケルの相棒として活躍するのが、人工知能搭載のドリームカー、ナイト2000。

通称”キット“。


人間の言葉を喋り(しかも丁寧な言葉遣いで礼儀正しい)、マイケルをはじめとする人間たちと意思疎通でき、自走可能。

マイケルの命令に忠実に従うだけでなく、彼の危機には自らの考えで助けに動いてみたり、女性に弱いマイケルに呆れたような発言をすることも。

ユーモアを理解し、マイケルとの会話は軽快で楽しく、仲間の誰もがキットをただの車ではなく、人格を持つ仲間として見ているようでした。


見ている内に、いつしかキットを愛おしく思い、車体前部でフォンフォンと音を立てて揺れる赤いランプに、彼の感情や表情を感じる気がしました。

キットが廃棄物処理工場で毒液に浸かる場面は、死を恐れるキットの声に震え、再生を図るも、臆病になってしまった彼を勇気付けるマイケルに、テレビの前で涙しました。


人間と機械という感覚ではなく、まさに異種族間バディ。


……はっ!

これだわ!


私が最初に好きになった異種族間交流は、やはりこのドラマだったのでしょう。




カクヨム内でも、「人工知能✕青春」をテーマに企画があったりする現在。

AIなしに世界は成り立たないのだなと感じますが、よくよく考えれば、「ナイトライダー」は人間とAIとの交流が主軸にあるドラマ。

ものすごく時代を先取りしたものだったのですね。

いやぁ、異種族間交流は奥が深いですね。



しみじみとその奥深さを感じながら、今日も異種族間の物語を考えます。


人間が世界を人間だけのものとせず、他種族を尊重して共に生きていく。

異種族間の物語の素晴らしさの根底はそこにあると思います。

当たり前に異種族が描かれた絵本や童話を読み、動物達と暮らす。

誰もが知らない内に、異種族間交流に触れているのですよね。


だから私は、異種族間交流というテーマが大好きなのです。




《 おしまい 》


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