まず「読後感」を決め、のちにジャンルを決める(888文字創作論)

カイ 壬

まず「読後感」を決める道理

 小説を企画するとき、どのような手順が理想的でしょうか。



 私は、まず「読み手に、どんな読後感を与えたいのか」を決めることを提唱します。


 主人公を祝福したくなるハッピーエンド? ざまぁみろとせいせいした気分にしたい?

 これが決まらないままでは「読後感」はチグハグになります。つまり「読んで損した」「時間の無駄だった」と思わせてしまうのです。


 駆け出しの段階だったり、これから処女作を書きたい方は、すぐにでも書き出したいでしょうけれども、まずはきちんと「読後感」を意識することを忘れないでください。



 そのため、書いている途中で方針を変更しないほうがよいでしょう。

 すでにハッピーエンドへ向かっている物語は、執筆途中で全滅エンドに変えても支離滅裂になってしまうものです。

 「筆の赴くままに書くのが小説」というのは昭和初期の文豪までの話です。

 今は企画段階から出版社や編集者が関与してきますからね。





 それが決まったらジャンルを決めます


 あれ、先にジャンルを決めてから読後感を考えたほうがいいんじゃないんですか?


 その疑問もわかります。

 私もまず「兵法もの」と決めてから、どんな読後感にするかを決めていましたから。

 しかし、その創り方をしていると、決まり切った型にハマった作品しか生み出せません。


 どんなジャンルだろうと、まずは「読後感」を決めたほうが自由に書けます。


 また、読後感を強めるために、ラストから遠く離れている状況を演出するのです。

 つまり、振れ幅を大きくするとドラマチックになります。


 振れ幅が大きい進行をしてきて、途中から結末を蔑ろにしたら、かえって振れ幅が狭くなってしまう。

 すると感動も薄れてしまいます。


 ここでも、企画段階で決めた「読後感」を最大限に活かすためには、「筆の赴くままに書くのが小説」ではダメなのです。

 最も広い振れ幅を狙っていたはずなのに、ゴールをきまぐれにしたため、かえって振れ幅が狭くなって駄作に堕してしまう。




 ですので、小説を書きたくなったら、まず「読後感」を決め、次に「ジャンル」を定めたほうがよいでしょう。

 もちろん「ジャンル指定のあるコンテスト」では「読後感」だけを決めればよいのです。



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