恐怖の大王…いたね。高校生とは思えない文章力!
- ★★★ Excellent!!!
幼少期から「王様」の声を聞いていた環太は、母により新興宗教の預言者にされる。声に導かれ書いたコラムが新聞に載り、彼は周囲から認められる。だが1999年7月、声の主が「恐怖の大王」として現れ人々を消し去る。環太が失いたくないと告げたのは他ならぬその声であり、告白によって大王は消滅する、というこの物語。
おもしろい!
幼少期からの「声」が人生を縛り、母親や周囲を巻き込みながら宗教や預言者としての役割へと押し上げていく過程がスリリングでした。1999年の恐怖の大王の顕現は不気味で圧倒的ですが、最後に環太が「失いたくないのはお前だ」と告白する場面には、依存と友情の境界が揺れる切なさがあります。恐怖と優しさが同居する物語だと思います。
高校生、すごいなあ。本当に。