生と死を見つめる静かな視線が、心の奥に響く10首

この短歌を読んだのは、真夏の陽射しが残る夕暮れ時だった。

「はじめての世界吸いこむその肺に」から始まる生命への眼差しに、
汗ばんだ肌に涼風が吹くような感覚で心を揺さぶられた。

特に印象に残ったのは、「包丁がふれてりんごは口ひらく」の一首だ。

夏の暑さの中で感じる生と死の境界線を静かに描く表現が、胸の奥に重く響く。
「管管管管」という繰り返しが、蝉の声に混じって言葉にならない想いを伝えてくる。

真夏の暑さの中で感じる生命の尊さと、言葉にできない想いの重さに触れた気がした。

=== 以下個人的な解釈ですが、読む方のご参考になれば ===

「包丁がふれてりんごは口ひらく赤は流れず生が物になる」

◾️ シーン

りんごを包丁で切っただけのことなのに、生と死について深く考えさせられたなぁ

◾️ 意味

「生きているもの」から「ただの物」に変わる瞬間
・木になっている(切られる前)のりんご = 生きている
・包丁で切られた後のりんご = ただの物(血が出ない。死んでいる。)

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「亡くなった貴方を想い願う星実はどこかの鮭の星かも」

◾️ シーン

亡くなった大切な人のことを想って夜空の星に祈りを捧げていたら、「見上げた星の光は、遠い海を泳ぐ鮭たちの命と関係があるのかもしれない」とふと考えいる。

◾️ 意味

・「鮭」は生まれた川に戻って死ぬ習性があり、生命の循環を象徴していると考えられる
・死者への祈りを託した星も別の生命(鮭)の光かもしれないという発想の転換により、すべての生命がつながっているという世界観を表現している。
 => 手塚治虫先生の「火の鳥」を思い出しました。

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