誰にも言えない恋心が、三十一文字の中でひそやかに息づいている

この連作を読み進めていくうちに、心が次第に引き込まれていった。

「背徳の蜜 抗いて」という歌で、何となく心がざわつき始める。
叶わない想いの甘さと苦さを、こんな風に表現するのかと思った。

「重ならない 常に僕らは すれ違い」
の歌で、深いため息をついてしまった。

どんなに想っても届かない距離感が、痛いほど伝わってくる。

「はしゃいだ僕の赤面メール」
という表現には、思わず微笑んでしまった。

文字を打ちながら赤面している姿が浮かんで、なんだか愛おしくなる。

そして最後の
「君がため 惜しからざりし 玉の緒の」
で、この現代の恋が千年前の恋と同じ深さを持つことを知った。

遠い日の想いが私の頬を撫でていくのを感じた。