誰にも言えない孤独が、ニュータウンの風景と重なって胸に響く

この連作を読み進めていくうちに、自分の中の記憶が静かに動き出した。

「地元とは呼べないけれど簡単に手放すべきじゃなかった居場所」
の歌から始まって、もう心を掴まれている。

誰もが抱える曖昧な郷愁を、こんなに的確に表現できるものかと思った。

「ファミレスも中途半端な星空も記憶の中じゃ変に綺麗だ」
には、思わず頷いてしまった。

何でもない日常が、時間が経つと妙に美しく思えてくる、あの不思議な感覚。

「百均で何でも揃うけどいつも誰かを探すふりをしている」
の歌には、胸がキュッとなった。

本当は誰も探していないのに探しているように装う、
その演技自体が現代の孤独の本質を表現していると感じた。

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