第7話 被告人に告ぐ
被告人がコーヒーカップに残した指紋と被害者の手の甲に付着していた指紋が一致した。被告人の供述によると、被害者と電車内で初めて遭遇した際に握手を交わしたという。指紋の付き方から判断するに、その際に付着したものと見られる。
「指紋を消し去るために被害者の家の中にあるあらゆる物体を拭いたが、人体にまでは目が向かなかった。人体の皮膚に付着した指紋まで検出する技術があるとは知らなかった」と供述していますが、この内容に誤りは?――ないのですね。
被告人はマッチングアプリをきっかけに知り合った被害者を一時的に高ぶった自己の感情に基づき殺害した。非常に身勝手な犯行であり、その後も犯行の隠滅を目的に指紋等を拭き取るなど、犯行態様は極めて悪質。
また、警察の事情聴取の際にも何食わぬ顔で対応するなど反省の色は薄いものと見られる。
よって、検察の求刑通り無期拘禁刑に処する。
GAME OVER.
あなたは犯人です。 天野 純一 @kouyadoufu999
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