概要
ひび割れたスマホで検索する〝fiction〟さあデスゲームを開始します
ドットリンク。「秋の王座と短歌賞」に応募した短歌10首連作です。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!独特の感性……それもみずみずしい。
※過去にレビューを投稿したつもりだったのですが、どうも反映されていなかったみたいなので、記憶を手繰りながら書き直します。
トーストの一首が好きでした。ダッと駆け出す勢いと、その先にある「世界への愛」と。
作者の一初ゆずこさんは、小説では厚塗りの非常に美しい文章を書かれる方なのですが、短歌という文字数の限られた芸術だとこんな、「言葉遊び」というか、「言葉と言葉の一風変わった繋がり」というか、とにかくカラフルな糸が絡み合ってできる編みぐるみみたいな作品になるのが本当にすごくて。
特に、ゆずこさんのファンなら最初の一首でちょっとニヤッとするかも。直近の作品に影響を受けてしまうのはあるあるですね…続きを読む - ★★★ Excellent!!!フィクションとリアルをリンクさせて紡ぐのは、言葉の宝石たち。
まず、十作すべてに目を通して思ったのが、その多様さ。題材から、表現から、着地の仕方から十首十様という感じがあって、一首一首を噛み締めるみたいに眺めてしまいました。
デスゲームというフィクションから始まる連作は、けれどデスゲームのようなものはリアルでも地続きで存在するよな、と思わされるリンク具合で作品全体の色や温度を保っています。
〈体温を測るふりして熱じゃないものを測ってる、やっぱり熱かも〉
この”熱”というリアルと”熱じゃないもの”のフィクションによる対比は、ありありと情景が浮かんでくるようで作品の強度をほこる。「ああ、この切り口、良いなあ。」と思わず膝をうつ作品でした。
〈濁ら…続きを読む