春夏秋冬それぞれを代表する情景をみごとに切り取った四首。そして、その根底には、変わることなき暖かき眼差しがそそがれています。そんな素敵な一年を体験してみたい方、どうぞ!
タイトルに込められた「よついろ」は、それぞれの季節に想う心の色を象徴しているかのように感じます。春、幻想的でありながら力強い意思。夏、刹那の輝きに宿る命の尊さ。そして願いとメッセージ。秋、深まる季節と高まる情熱。推される瞬間の心の躍動。冬、交錯する雪の冷たさと人肌の温もり。どこか儚げで柔らかい。『よついろ歌』は心に沁み入る鮮やかな印象と深い余韻を残します。何より、鐘古こよみ氏の言葉は、五感を通して感情の機微にそっと触れてくる優しさに満ちています。何度でも、読みたいと思いました。
短歌という短い形態の中に、突如として現れる身を切る様な鋭い表現にただただ感嘆の溜息が出ます。自分も戯れに短歌を詠むからこそ分かる、この圧倒的な言葉のセンスに、ジタバタと身悶えするしかありませんでした。
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