夏なので、ちょっとだけ怖い話とか

とーふ

ちょっとだけ怖い話とか

昔ね。

子供の頃の話なんだけどさ。

私は夏休みで、父方のお爺ちゃんの家に行ってたのね。


お爺ちゃんもお婆ちゃんも私に甘々だからさ、麦茶を飲んで、ゴロゴロしながらポケモンやってたんだけど。

途中、昼過ぎくらいにお爺ちゃんとお婆ちゃんが村の会合とかで出かける事になって、私はどうする? って聞かれたから家にいるーって言おうとしたんだけど。


ふと、山に行きたいなって思ったのよ。

自分でもよく分からないんだけど、行かなきゃなぁと思って、家を出たのね。


外は暑いからさ。ちゃんと飲み物も買って、帽子も被って向かったんだ


そして、田舎でお友達になった女の子と途中すれ違ってさ、女の子も山に行きたいって言ってたから二人で向かったのね。


畑の近くの草が生えた道を歩いて、子供たちの遊び場になってた山に入って、涼しい山の中を歩いてたんだけど。

何かおかしいなーと思いながら山の中を歩いてたんだけどさ。

ずーっとその違和感は私の中にあって。

でも、先に行かなきゃって気持ちはあったから進んで行ったんだ。


それで、ふと開けた場所に出て、そこでアッと気づいたんだけどさ。


自分が出している音以外は何の音もしてなかったのよ。


夏だからさ。セミとかの声もするし、風が吹いてるから木々な鳴っている音も聞こえるハズなのに。

なーんの音もしてなくて。

自分の心臓の音だけが嫌に響いてて、暑さとは違う理由で汗が噴き出して来たんだよね。


それで、何か凄い嫌な予感がして、すぐにここを離れて家に帰らなきゃって逃げようとしたんだけど。

すぐ後ろから肩をガシって掴まれて、「ここに居なきゃ駄目だよ」って言われたの。


え? って思いながら後ろを振り返ったらさ。

一緒に山まで来た女の子が無表情で私に、「ここに居なきゃ駄目だよ」って繰り返しているのね。


それがさ。

何か録音を何度も繰り返しているみたいな感じで、ずっと同じ喋り方を繰り返しているんだよね。

人間ってどんなに繰り返し同じ事を言っても、そういう風にはならないから不気味でさ。

すぐに逃げ出したかったけど、それはそれで怖くて。


「ここに居たら、怖い事しない?」


って聞いたのね。

今思い出してもアホみたいな質問なんだけど。


女の子は無表情のまま、うんって頷いてくれたから。

良かったと思って、そのまま私は女の子と遊ぶ事にしてさ。


とは言っても、鞄の中にはゲームしか無かったから、一緒にポケモンやってたんだけど。

(私が説明しながらプレイしているのを、女の子が見ているだけ)


何だかんだ夕方くらいまで一緒に遊んでてさ。

そろそろ帰らなきゃなーと思ってたら、女の子が「帰って良いよ」って言ってくれたから一緒に山を下りる事にして。

暗い山道は危ないから、慎重に歩いてさ。


結構時間が掛かっちゃって、山から下りる事にはもうすっかり夜になっちゃったのね。


それで、流石にこれは甘々なお爺ちゃんとお婆ちゃんも激おこだろうなぁと思いながら、家に向かって歩こうとしたらさ。

クワとか斧とか猟銃を持った爺さん婆さんに囲まれちゃったのね。

いや、みんな知っている人だったけど、帰るのが遅くなっただけで、どんだけ怒ってるの!?

って半泣きだったんだけど、武器を構えた老人たちの間からお爺ちゃんとお婆ちゃんが飛び込んできて、良かった! って泣いててさ。


何があったのか、事情を聞いたらさ。

お爺ちゃんとお婆ちゃんの家に、変質者が入り込んでたらしいんだ。

ちょうど村の会合でお爺ちゃんとお婆ちゃんが居なくなる時を狙ってたんだって。

結構前から村の事とか、私の行動とかを調べてたらしい。


だから、家に居ると思ったけど、居ないから家の中で暴れまわってたら、近所の人が気づいて通報したっていう話。


と、まぁ、オチはこんなモンですわ。

ではー

(*'ω'*)ノシ


PS:私と一緒にいた女の子は、その日家族と一緒に村の外に居たので、あの女の子は何者だったのか。という疑問は残る。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

夏なので、ちょっとだけ怖い話とか とーふ @to-hu_kanata

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ