概要
昨日について言及できなくなった世界にあるのは……
ある日、政府から通知が届く。「本日より、昨日の言及を禁じます」
それは悪い冗談のように思われたが、確かに効力がある法律だった。
昨日、恋人と別れたばかりのトオルは、彼女と再び会おうとするが……。
それは悪い冗談のように思われたが、確かに効力がある法律だった。
昨日、恋人と別れたばかりのトオルは、彼女と再び会おうとするが……。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!昨日を奪われた世界の、小さな抵抗
ある日突然、「昨日」というたった一語が社会から消される──。。
その一行だけで「え、どうなるの?」と読者を強く引き寄せる、アイデア勝負圧勝のディストピアSFです。
政府の通達により、人々は一斉に“昨日を語ること”をやめ、ニュースもSNSも会話もすべてが“今日だけ”で構成されていく世界。
主人公のトオルは、どうしても「昨日」を忘れられない理由を抱えており、読者は彼とともに“語れない昨日”をめぐる葛藤に寄り添うことになります。
何が失われていき、何が残るのか。
その答えが、作中のある一文に置かれていると自分は感じました。
読み手それぞれの“昨日”に小さな問いを投げかけてくれる作品です。 - ★★★ Excellent!!!是非読んでみてください
「昨日」という存在が突然禁止され、記録も言及も消されるディストピア的な世界を舞台に、主人公トオルの個人的な喪失感と抵抗が描かれています。
政府の突拍子もない命令が日常を歪める中で、過去の記憶や感情、愛すべきものの痕跡が抹消されていく恐怖と孤独がリアルに伝わってきます。
しかし、トオルが図書館司書から受け取った「昨日を語れないものは、明日を失う」という言葉が象徴的で、過去を忘れないことが未来を生きる意味につながるというテーマが深く響きます。
恋人との別れという個人的な「昨日」が消されても、それを記憶に留め日記に書き綴ることで、トオルは「昨日」を死守し続ける姿が切なくも力強く描かれています…続きを読む