BLACK SOULS Ⅱ クリア記念雑感書き散らし
泉 とも
第1話完走した感想ですね。
BLACK SOULSⅡ クリア記念雑感書き散らし
どんな時代どんなジャンルにも、名作傑作と呼べるタイトルが存在する。それは同人、フリー、エロゲーでも同じだ。況やエロ同人をや。コンシューマーの様に脚光を浴びることこそないが、作者のセンスを原液のままお届けされるため、何よりも刺激的であり、言いたいことが濁されることもない。紛れも無く本作は傑作である。
ニコニコ動画でのRTAを見てから、前々からやってみたいと思っていたので、三部作まとめてやっと購入。フリー素材のBGMの版権問題で、一部差し換えられていたのは悲しいが、それでも本編の内容を損なう訳でもないので、安心して良い。ダークソウルモチーフというかまんまじゃねえか!な1から大幅に進歩を遂げて独自性を持つようになった本作。やり直しも含めると、かれこれ70時間遊んでいる。未だロイヤルティーが見つからない。
そんなことはどうでもいい。とにかく終わった後のカタルシスがすごい。エンディングというものについて、これだけ情感が募るものは久しく見たことがない。一流のバッドエンドより三流のハッピーエンドが好きな筆者だが、こうも見事なメリーバッドエンドをお出しされると、ぐうの音も出ない。海外でもファンMODや二次創作が未だに有ることも納得の作品である。
という訳でいつものようにアレコレと雑語りして行こうと思う。話が壮大過ぎて攻略サイトを見ても、筆者の頭では理解し切れない部分が結構あるので、そうじゃないだろという面が有っても悪しからず。
それと最後に、このお話にはネタバレが含まれているので、それが嫌な場合は読まないでくださいお願いします。
ストーリーについて
1の時点だと創造主が世界を滅ぼすというか、悪意に満ちたおとぎ話の世界に改変したという感じの世界観だったんだけど、2でコズミックホラーたちの縄張りの一つということになった。それに合わせてクトゥルフ神話の存在たちが、時にはモンスターとして、時には童話やヒロインの皮を被って現れる。グロもやります。ホラーもやります。エッチな展開の中にギャグもやります。エッチな展開の後にショッキングなイベントもやります。
陰鬱かつ退廃的な箱庭で一服の清涼剤だったあの日の笑いが、後で悲しみに変わるなんてことはザラ。やり切れない無念さが渇いた笑いを誘い、項垂れながら次の場面へ歩き出す。これはそんなゲームです。
まあ慣れたらループを繰り返すキリングマシーンみたいなるから、そこは慣れだよ。1のポセイドンホテルでCエンドのためにヒロインたちを一人一人呼び出して殺すっていうシリアルキラームーブやるよりは、精神的によっぽどマシ。
マルチエンドだけど1→2での時系列は、1のDエンドから引き続き2のOPに至る感じ。作品のエンディングでモロに次回作に引っ張るの初めて見たよ。そしてグッドエンドを引っくり返してバッドエンドをやるのもすげえ胆力だと思う。
主人公はラスボスに創られた存在であり、運命に抗うっていうのは、そこだけ見ると王道なんだけどね……。
ゲームについて
バランスが結構シビアだけどスタンダードなRPG。ダークソウルモチーフなだけあって基本的には一人プレイを強いられる。1ではヒロインたちを召喚できたけど、2では夢霊というかつてのボスやNPCたちを召喚する。レベルが簡単に999になるがステータスは貧弱そのもの。ドーピングによって強化することでようやくこのゲームの入り口に立ったと言える。難易度を上げると獲得ソウルが増えるものの、敵がモリモリ強くなる。このゲームで難易度を上げることは自殺行為です。挑戦以外の目的で上げてはいけません。DLC3の敵は難易度0でもHP8万全ステ2万の主人公を容易く屠って来ます。ふざけてるの?
とはいえ適性レベルで挑めば敵は真っ当に強く、ちゃんと耐性を積んだりスキルを揃えたりすれば勝てるようにはなっているので、理不尽ということは中々無い。欲を言えば手術刀を購入可能にして欲しかった。精神病棟で稼いで来るのめんどい……。あと混沌ダンジョンでのロイヤルティーが未だに手に入らないので、できればメイベル撃破後でもいいので、購入を解禁して欲しかった。無くてもクリアできるしボスも倒せたけど。
また何人かの女性キャラは『誓約』というソウルを支払うことで強化可能な、ステータス補正を得るシステムに対応している。攻略に応じて使い分けると良いだろう。
Hについて
エロゲーなんだから当然ある!のだが文章の要所要所で笑わせに来る。かと思えば真面目に酷いこともするので、温度差で風邪を引きそうになる。また中にはこれが更なる悲劇の引き金になることもしばしば。場合によってはホラー演出まで用意されている。ただのエロで終わるとホッとすることもある。プレイヤーに多方面で追い込みをかける準備が出来てんのねコレ。
ハニートラップってそういう意味じゃねえから!
キャラクターについて
このゲームの魅力を遺憾なく発揮する演者たち。概ね被害者か加害者かに分けられる。そして黒幕とか元凶が沢山いる。陰謀渦巻くってレベルじゃねーぞ!
童話や動物モチーフのヒロインもいるが、ヒロインたちには魔獣化フラグが有って場合によっては襲い掛かって来る。しかも強い。
古来より女は魔物って言うけどさあ。
・主人公/グリム/ルイス・キャロルなど
世界を改変した1のラスボス曰く、あまりに強く抵抗したため肉体と記憶を消してやったとのこと。そして童話作家たちの魂と合体させられ、不死者として創られたのが彼。創造神の最高傑作。神話生物ホイホイ。アルティメット暴力装置。最終的にコズミックホラー共を皆殺しにして全てを終わらせた後にそれを無かったことにされる。不憫で報われない苗床ならぬ種馬。赤ずきんがヒロイン兼前作主人公ポジションであり、彼は一応その後輩とも言える。
夢の世界ことワンダーランドで最低でも65周は物語を繰り返しており、その過程で他の女怪と子作りしては、記憶を消されて冒険をやり直している。そのため知らぬは本人ばかりだが、他の敵たちとは殺し殺されを繰り返しており、それを覚えている奴らもいる。本当に死なないとは言え気が狂っとる。そういえばそういう世界観だったわ。
攻略においては、武器は全て強化すると大化けして非常に強力な性能を有する。しかし火力で押し切るなんてのは最終手段で、しっかりと傾向と対策を、意識する必要がある。もっとも指輪以外の盾・頭・胴の装備で有用なものは終盤まで手に入らないのだが。強いて言うなら下水道の銀の短銃くらいか。
個人的には進行度を上げる前に他のエリアを回り、装備や誓約を用意して、篝火をブクマして、セーブを小まめに分けてから進むくらいが丁度良い。
エロに関しては不死者ということもあって非常に体を張っており、巨大化させた女性に丸のみプレイをさせてそのまま食われたり、何度かちんちんが捥げたりする。また2では主人公の人格の主導権を、度々ルイス・キャロルが握るのだが、この人がまた度し難い畜生だったりするので、余計に救いが無かったりする。Gエンドだと彼とアリスの魂は解放されたのだが、Hエンドルートが追加されたせいでそれも無かったことになり、増々悪夢とは良い付き合いである。なお誓約が結べる女性の半数は彼の子どもであり、近親相姦である。聖戦の系譜かな?
メイベル曰くそろそろ器が壊れるとのことなので、先も無いように見えるが。
アリスたち
美少女の原風景。いっぱいいる。2の舞台、ワンダーランドにおける元凶かつ黒幕でラスボスの一人。這う物。また主人公がOPで選ぶ母・妹・娘のアリスは中身が別の悪魔たち。
Eエンドルートで敵対するとそれぞれの正体が分かる。どういう訳か姉は途中でいなくなっているらしい。人形のアリスは1の不思議の国にいたアリス。
1のDエンドから主人公を連れ去って2をおっ始めた。メアリースー曰く『部屋の隅で昆虫観察してるのが趣味の陰湿な奴』とのこと。老いたアリスが星を見ていた際に、これを見つけて乗っ取り、ルイス・キャロルとの悲恋に興味を抱き、それを成し遂げるためアリスに成り切って、主人公とループを繰り返していた。
サキュバスクエスト老史書の見る夢ならぬ老淑女の夢という訳だ。役柄と主人公にドハマりを起こし抜け出せなくなってしまった。役が抜けないってそういう意味じゃないよ?ワンダーランドを作る際他の神話生物共に、表向きは自分たちの繁殖に丁度良い種馬がいるから増えて行かない?と声を掛け、この人形劇めいた舞台の役者に仕立て上げた。真意がアリス(自分)とキャロルの恋愛劇のための駒に過ぎないと分かると、彼らは粗方去って行ったらしいが。念のために言うと、主人公を作ったのはアリスじゃないし、主人公はアリスのものじゃない。
言わば旧支配者の訳だが、このゲームではまだ現役で没落していない物は支配者、何らかの形で落ちぶれた者は旧支配者となる。OPの三人のアリスたちも雇われっぽいが、人間のフリをしていると、メンタルがどんどんガワに浸食されていくそうで、邪悪な本性は変わらないが、主人公に対しては執着や愛情を抱くようになっていく。
ただこれは、神話生物の特性でも何でもなくて、他の支配者たちの言葉から察すると、嘘でも欲しかった物が手に入り、夢中になっているだけなんだと思う。
ああ、悲しきは果て亡きメルヒェン。不思議の国のアリス。
メアリースー/リィフ/メアリーアン
原作をぶち壊しにする二次創作人物の意。
1のラスボスにして元凶。主人公の創造主。
羽虫、グリーンスムージーなど。外見は緑色の妖精。親の愛に飢えた子どもで、現実改変能力者。非常に捻くれた性格と嗜好をしており度々主人公を裏切っては痛い目を見る。1では自分の箱庭(支配者たちの縄張り)ロストエンパイアを作り残酷かつ悪趣味な冒険を楽しんでいた。一族の特徴は顔芸をすること。
その改変能力は一級品で、付加された設定はほぼ絶対である。このためノーデからは『貴方の能力は周囲に与える影響が大き過ぎる』として没収され、神格は引き下げられ、幽閉されることとなった。自分の母親でさえあっさりと殺したり、全く顧みなかったりとコケティッシュながらも非常に残忍な性格。条件を満たして裏ルート入りするとアリスこと這う物について言及するが、盛大な前振りをかましてくれる。自分の末路を全部言う奴があるか!
もう死んだら生き返れないという状況で、自分の実力も弁えず、主人公に再度襲い掛かって返り討ちに遭う。或いは彼女を取ってFエンドを迎えると、最早手が付けられない主人公に1のCエンドを再現させられるなど、状況が見えてないことが多々ある。人の感情を読み取るのが得意とはいったい……。
1のCエンドだと自分も誰かに愛されたかったと吐露した矢先、自業自得とか因果応報なことになるが、そうなってしまったのは全て神である彼女の思し召しでもある。主人公を『周りを巻き込んで不幸にする』という風に創っており、まんまと自分もその通りになっているのに気づいていないっぽい。グリムは言わば神話生物用自爆装置付きハニートラップなのだ。
彼女は嗜好こそ悪いが、愛と許しを求めており、流石に生まれと環境が悪過ぎたことには同情する。メイベルが父親でバフォメットが母親なら、リンダメアはご兄弟か何かで?
ノーデ
今作最大の黒幕にして負けヒロイン。支配者の一人で耽美趣味。プレイヤー側を見ているようにも見える赤い目が怖い。主人公欲しさに自分の箱庭を捨ててやって来た白兎。前作の祈り主こと黒兎が嫉妬心からメアリースーを呼び込み、1の話が始まったことを考えるとアリスのループの途中で1が有って、Dエンドから2に戻って来たと見るべきだろうか。このゲームにおいて兎は裏切り者と思って差し支えない。実際に全てを裏切り狂わせている。
プリケットの話が先にメイベルにされて、メイベルから他を出し抜くプランを提示されるとそれに乗っかり、悪くても独り勝ち良くて主人公の救済計画は遂行されるなど、あまりにも見事な腹芸をやってのける。筆者は負けヒロインという言葉が嫌いだが、それにしても本当に見事な負けヒロインをやるの。このゲームを傑作たらしめているキャラは、アリスと赤ずきん、そしてこのノーデである。
元ネタはクトゥルフ神話のノーデンスらしく気に入った相手を巣に連れ去るという何とも古式ゆかしい怪物である。人間の創作力や種族を越えて絆を育む愛に憧れており、神話生物ホイホイに改造された主人公に一目で恋に落ちた。それが終わりの始まりだった。
主人公に対してのみ異常なまでの愛情を示していたが、中身は完全に狂人であり、有事の際の他者に対する冷たさや無情さは、こいつも怪物に過ぎないのだということを、プレイヤーに嫌というほど思い知らせて来る。
物腰が穏やかなだけで、他人への情など殆ど持ち合わせていないのだ。メイベルが言う彼女への嘲りはだいたい当たっている。
Bエンドでも分かるが、ループで主人公と大量に繁殖しており、作中に登場する女性の半分以上は、主人公との間にこさえた子どもだが、それらに物語の役割を与えて使い潰している。DLC3の舞台のラストでも、子どもたちが大量にいることが判明する。
ただ主人公を愛するあまり、支配者にも関わらず、主人公に『だけは』正しく愛を示して恋を諦めるに至るなど、他の支配者たちとは一線を画したメンタリティを有している。というかまるで北斗の拳のケンシロウみたいなことを言ったり、ラオウみたいなことを考えていたり、この発情兎愚直が過ぎる。どうしてそう変な所でばっかり思い切りがいいの。
メイベルから保険屋と呼ばれており他の支配者たちからも頼られるなど、理性的で信用されているが、作中での行動を見ると始末屋とか掃除屋に近い。Gエンドルートで挑めるが下手するとラスボスより強い。スピードアップとスピードダウンと行動回数増加という敵側がやったらあかん奴を思う様やって来る。倒した場合支配とは退屈な物ですと吐露して死亡する。
Hエンドルートでバッドエンドを迎えると怪物と化した主人公に対し喜んで苗床になるなど、人間にはなれず愛を全うできない辺り、アリスと比べてヒロインとして負けているのもポイントが高い。
周りを出し抜きながら愛と支配の天秤で揺れる様は、虹の輝きを秘めた黒い硝子細工のようである。彼女に出来ない演目は無い。
ただ一人、アリスを除いては。
図書室の夢は言わばワンダーランドの楽屋裏のような場所であり、本来ならばワンダーランドからは繋がっていないはずだが、混沌ダンジョンを経由して、クイーンランドと繋がっている。この裏口の関係を這う物はどうやら気付いていないっぽい。また篝火の転送から位置情報を確認すると、クリミア看護墓地も同じ場所にあるが、図書室の夢から行くことはできない。中にいるメイベルを指しているのだろうか。
ノーデ曰く支配者の子どもは愛情も注がれず躾もされず放逐されるそうで、本人も同じかそれより酷いことを平然としており、主人公に見せる愛嬌の数々は、主人公にしか見せない。それがどれほど恐ろしいかはゲームをプレイしていく内に嫌というほど思い知らされるだろう。
ちなみに童話集めは2だと特典が貰えるだけでルートには関係がないため、無視しても全然構わない。白兎の指輪もDLC3のエリアで入手可能なため、何度もガチョウを殺すようなこともしなくても良くなった。誓約内容はHP増加。このゲームで最後に物を言うのは
火力・速力・HPなので、きっちり大事な所を押さえている。
ドド
絶滅したドードー鳥モチーフのアホの子。巨乳かつ巨女。成人男性の主人公と比べて、ゆうに頭一つデカく幅も厚い。人によっては最初に出会うヒロインだけあり、イベントも豊富。半分くらいは悲しいことになるけど。移動力アップのドド走りは彼女との誓約で修得する。誓約の効果も速度上昇と先制率アップであり、このゲームでは敵に後れを取ることは概ね敗北を意味するため、非常に有用と言える。
アホの子だが非常にいい子。誓約レベル3になると眠る主人公を励ましてくれるのだが、個人的にはドドを置いて夢から目醒めることには、かなりの罪悪感が有った。Hエンドルートで全てがご破算になるも、主人公の娘たちはDLCエリアで保護されることになるので、それを考えると痛し痒しである。
つがい記念日でシーシャの前で調子に乗って跳ねたりモダモダする様はとてもかわいい。
シーシャ
愛情に飢えた腹ペコあおむし。チェシャ猫が麻薬の隠語を連発し、羽化もできないと散々に言うだけあってだいぶ救いが無い。
誓約の内容は、防御力と防御効果率の強化。煙を吸うとレベルが5回まで上げられるけど、5回やると最終的に死亡するので、4回に留めるべき。誓約レベルが上がると薬が切れて、孤独と不安に押し潰されそうな彼女の本音を目にする。ジャブジャブによって狂死する際にも、本音が地面に書き殴られている。魔獣化すると第二形態を持ち、非常に強力だが、それでも羽化しない。場合によってはドドの魔獣化の引き金になるなど悲劇が連鎖する。
ビル
学名カマホモクソトカゲ(Ass Hole)。
オス。かわいいは作れる。誓約内容はMP+と消費半減。このゲームのスキルは割合消費ではないため、後半ではほぼ死にスキルと化す。レベル3でオスであることを告白すると、色んな意味でデッドオアアライブが発生する。
彼の愛を受け入れて正式に愛し合うと更に蛇神様(幼女♂)が出現。主人公の性癖を開拓する。キャロル先生も思わず『アリスも男の娘で良いかもしれない』なんて思いかけるなど危険な存在である。なおクイーンランドの門番たちも男だから良いんじゃないか、と既に染まっている。彼を酷い目に合わせると、ジャンプスケア(ホラー系のびっくり)が発生するようになるのでやらないほうが良い。
トゥイードル姉妹
どっちが姉でどっちが妹か分からないが、左側の目が赤いのがダム、右側の目が青いのがディー。食欲が強いのがダム、性欲が強いのがディー。キャロル先生の好きそうな金髪幼女の双子。古来より寝取り或いは寝取られというジャンルに『レズ/百合の』『チン負け/チン堕ち』というものがある。同性愛者の仲を性的ななんやかんやで引き裂くというものでありディーの魔獣化もこれが原因。ヒェっとなること請け合いで、だからどうしてエロの最中にホラーを仕込むんだよやめろよ!
誓約内容は逃走成功率の上昇で、レベル3だと確定逃走が可能になる。RPGにおいてこれがどれだけ有用かは言うまでもない。ボス戦や闇霊を相手にするとき以外はずっとこれでもいい。
ウミガメモドキ
前作のRTAにおいてソウル稼ぎの標的がバンダースナッチだったのに対し、今作では魔獣化した彼女が、そのポジションである。小動物っぽい言動に反してガタイの方は結構ある。戦闘をせずに撃破が可能ということで乱獲され、ジャブジャブによる狂死イベント時にクティが上陸すると死体が食われるなど、かなり不憫である。鷲騎士グリフィとは良い中で乳繰り合っているが、グリフィのイベントを進めてしまうと彼女がお尋ね者になってしまい、やっぱり不遇である。
誓約内容は魔法防御アップに、シーシャと同じく防御効果率の上昇もあり、盾枠に銃を装備している場合に、防御が使い物になる程度には性能を引き上げてくれる。グリフィ来店時にウミガメモドキのおたまが手に入り、これは運が上昇し、殺害すると盾として甲羅(雷半減)が手に入る。総じて弱点を塞ぐような伸び方をする。
鷲騎士グリフィ
変わった鳴き声と所詮は鳥類かと思わせる知能の有翼系女騎士。プレイボーイめいた仕草のちゃっかり者。ウミガメモドキことウミちゃんの友人。ドドとシーシャといいレーテといい、主人公の子たちは人間の部分が強いのか、割と仲が良い。彼女のイベントを進めクイーンランドで話しかけてしまうと、心臓の女王殺害イベントが起きてしまう。まあ本人の内心としては、悪名とはいえ名前が遺せたから、まんざらでもないかも知れない。
マリー
ラドウィッジの酒場にいるバニーガール。1のマリーと比べると、随分はすっぱな感じになっている。娼婦であり当然Hの対象だが進行度が5になって、まだ切り裂きジャックを倒せていないと、上層に呼び出されて殺害されてしまう。手紙にはハドソン夫人と言われるが旦那は出て来ない。本人も自分の悪行を自覚しており、末路についても予期している節がある。珍しく監禁しても悲壮感は出ない。
まあ元いた場所がハエの飛び交う汚い店か、紳士という名の暴漢や人攫いが闊歩し、死体と乞食が放置され、毎晩同業者が殺される街なんだから、まともな食事が付いた清潔な独房のほうが、マシというのも頷ける。頷けるけど何だかなあ。
帽子屋ハッタ
篝火での場所説明が比較的優しい『終わらないお茶会』にいる三人娘の一人。変なシルクハットに背広姿の女性で、DLC3にも再登場する。誓約が可能で内容は魔力の強化と発狂耐性。レベル3で完全耐性となるので、如何にもジャブジャブ戦に備えろと言わんばかりである。内容のないことを只管口走る上、不死者なので殺しても死なない。アリスとジャブジャブが嫌いな様子。三月兎ヘイアと眠り鼠ヤマネと一緒にいるが、どうしてヤマネだけDLC3にいなかったのだろう。
三月兎ヘイア
色情狂の兎。なんとこのゲームにはバニーガールが三人もいるのだ。バニースーツを送れる相手の一人。ヴァーナイは断る。マリーの場合は同じ服を幾つも持っていると言う。そりゃそうだ。しかしこっちはなんと!逆バニーに改造して、改造?それは服を着てないだけなのでは?魔獣化しても全くテンションが変わらない。そして弱い。本人が見せてくれるステータスの内容が、性的な経験よりも殺害件数のほうが多い。ハッタ曰くお前がばら撒くのは性病だろとのことで、監禁時にもそういうことを言うし、立ちんぼやビッチと関係を持ってはいけないことを、暗に示して来る。なお兎が淫乱の象徴みたいに言われるのは、生後半年くらいから妊娠と出産が可能になり発情期が通年型で多産なことから来ているらしい。
眠り鼠ヤマネ
夢の世界で眠るという小柄な女性。魔獣化するとティーポットに鼠とぶんぶく茶釜みたいな格好になる。寝言(自己申告)が物騒であり監禁するとどうやってか脱走する。ハッタがおふざけを止めて「ヤマネに気を付けろ」と警告し、監禁ハーレムが完成すると今作随一の惨劇を引き起こす。だから(省略)。またHルートのラストで主人公は図書館の夢の地下に戻って来るのだが、その際に彼が出て来る独房はヤマネの独房である。白の城下街にヘイアとハッタしかいないことと、関係があるのだろうか。
クティ
元ネタはクトゥルフ神話のクティーラ。
クトゥルフ神話といえば海産物なのか、この邪神をモチーフにしたキャラの、出塁率って結構高い気がする。誓約内容は行動回数と攻撃回数の追加。攻撃回数はヒット数と言い換えると分かり易いだろうか。DLC1にて追加された深海エリアの奥にいる触手系女子。襲うと魔獣化して戦闘になる。姉の生意気なカキに置き去りにされ、王子様を待っていた。
神を探してやって来た大工をそのまま洗脳、眷属にして家を作らせている。大工がいなければ海底にずっと野晒しだったんだろうな。だからって人を洗脳したらいかんが。
支配者の娘の一人で、本来は母親に送られた招待状を姉がくすねて、ワンダーランドへ連れて来られたことが、監禁時のイベントで分かる。まだまだ幼く愛情に飢えており取り返しも付きそうな感じなので、罪悪感がだいぶ強い。またその際ノーデの狂人っぷりも確認できるので、興味があったら見て見ると良いだろう。セーブは分けてな。ちなみに姉の『なまいきなカキ』ことメスガキ、或いはメスカキは戦って倒すと武器を落とす。魔法回避が設定された貴重な武器なので、魔法偏重のボスと戦う際には出番があるかも。
SEN0以下の状態での姿が、他と違って少しかわいい。
生意気なカキ
姉。メスガキのメスカキ。駄洒落か!戦うとだいぶ強い。親の招待状を盗んで妹を連れて来て、海底に置き去りにして来たド畜生。どうしてそんなことをしたのか分からないが話してみるとだいぶクソガキ。監禁可能だけど正直放置でいいと思う。
深海騎士/大工
あちこちで言われる大工とセイウチコンビの大工の方。ダディやないかい!元は腕の良い大工だったらしく、昇降機は彼の制作物。最初こそおかしな建造物が多く、童話的な変人なのかと思えるが、攻略サイトには彼がラドウィッジから離れると建築物がどんどん真面になっていく、街に近付くほどに狂っていくという記述があり、なるほどど感心した。実際篝火で見て見ると、ラドウィッジ上層の直ぐ後ろには病みたる時計塔が有り、恐らくここから狂気とか毒電波が出ていたんだろうと察せられる。
戦闘をすると序盤は脳筋で、セイウチの指輪を装備していると苦しみ、行動が無効化されることが何度かある。第二形態からはそれもなくなり、恐怖付与からの高速高火力で殴りをかまして来るためシンプルに強い。RPGで単純に強い奴って壁のイメージがあるけど、彼の場合は正しくクティへの道を塞ぐ壁に他ならない。
そのソウルから作れる深海騎士の錨は脳筋極まる性能をしており、大変強力。また茸村のボス『巨人の家』を倒すと、彼が作った物らしき碑を発見することができる。
シヴーチ
大工とセイウチコンビのセイウチの方。
たぶん今作最大最重量のヒロインで、ソ連系女子。手近なカキを食べてぼーっとする以外のことはしない。魔獣化する場合も生意気なカキが生きていると、彼女を食って逆に腹をぶち抜かれて死亡するなど弱くてどん臭い。彼女から貰えるセイウチの指輪を装備していると、ダディ(第一形態)の行動がキャンセルされることがある。ただし第二形態には通用しない。
また裏ルート時でも魔獣化こそしているがその場を動かず、ずっとこっちを見てまごまごしている。虫の姿で事あるごとに嫌な音を立てて、胸板を開閉するので精神的にきつい。ただし攻撃らしい攻撃は殆どして来ない。
台詞もこれじゃ皆が可哀想だと泣きじゃくるなど、幼くも優しい性格が伺える。誓約可能であり内容はHPの自動回復で最大30%。
公爵夫人マルガレーテ/レーテ
侯爵夫人の館の奥にいるボス。結構大きいご婦人。宥める以外の選択肢を選ぶといきなり魔獣化して襲い掛かって来る。誓約が可能で内容は素早さと引き換えに行動回数+1。
シヴーチのいる深海や心臓の女王ことロリーナの城まで遊びに行くなど顔が広く行動力も有る。常にテンションか高くておかしい人だが裏ルート時に戦闘すると、役割が失われているためか、初めから旦那なんかいなかったと呟く。侯爵夫人というキャラクターのためには、夫という存在が必要だったから、彼が発生したのだと分かる。それが切ない。
左の戸棚を調べるとウミガメレストランに大量の料理を注文した記録があり、何故あの店が休業したかの原因が、伺えるようになっている。
騎士パンプキン・オー
ソウルシリーズの玉ねぎモチーフの騎士。レーテの旦那。殺害するとヒット数+1のカボチャの指輪を落とす。女房に家を追われた哀れな亭主、その偶像。最終的な居場所は無限食物の中で、食い物の腹の中という何とも嫌な納まりの良さを見せる。レーテに体よく使われており、最早自分は愛されていないのかも知れないと察して尚、彼女の喜ぶ顔を見たいと言い、見ているこっちはやり場のない悲しみを覚える。侯爵夫人の館の彼らの肖像画はSEN値が0の時に見ると『アリスはどこだ?』と書き殴られている。レーテを殺害すると闇霊化や敵討ちの一つもなく、敵対した無限食物を倒すとそのまま消滅する。
心臓の女王/ロリーナ/ロリーナ・リデル
心臓の女王の城の主で、モデルはアリスの姉だが、そっちは金髪である。こっちは黒髪で誓約可能。内容は属性ダメージの軽減で、ダメージよりもバステやデバフがきつい後半では、あまり出番は無いように思われたが、DLC3は氷属性で猛攻を仕掛けて来る者もいるため、急に重要さが増す。グリフィ曰く小心者で本当は罪人の首を切る所も怖くて見られないらしい。そんなの誰でも怖いと思うが。
また何気に脱衣トランプ後の情事で主人公に『アリスより好きと言え』と迫り、一時的に洗脳を揺らがせるなど、思いの外侮れない存在である。裏ルート時の魔獣化状態で戦闘をすると真面な愛を囁いてくれと言う。主人公かプレイヤーかはたまたルイス・キャロルに言ったのか、ともあれ何も言い返せない。
彼女たちは怪物でもあるが、主人公の子どもでもある。面と向かって言われると、だいぶ堪える。ノーデから四大悪夢の一人みたいに言われるが、本人に戦闘能力は全く無い。
燻り狂えるバンダースナッチ
元祖100万ソウルの魔獣。1では最大1200万とハイリターンな強敵だったが、今作ではアホの子に転生した。バン太郎。小さな体に大きな腕。褐色赤髪にギザ歯と、特定の嗜好を狙い撃ちにするような外見である。喋り方も非常に独特。
戦うと結構強いがスルー可能。糞団子を開幕にぶち込むと台詞が発生する。ただなあ、糞尿に輪をかけて汚い屍肉を食って、全回復する特技持ちなのに、それを気にするのってどうなのとも思う。誓約可能で効果は攻撃力と反撃率アップ。このゲームでは手数のほうが大事だが、DLCの食屍鬼たちの不死状態を解除する際、メアリィの枝杖で殴ると火力が足りないこともしばしば。なのでその一押しをしてくれるのが地味に助かる。
ノーデの言う四大悪夢の一角だが、本人はあくまで邪神たちに、良いように使われ魔獣扱いとなった被害者である。裏ルートでも最後はジャブジャブと共に退散しようとするがジャバウォックに謀られて死亡する。こいつの不憫さを考えるとHルートで死亡が無かったことになるのも、まだ救いはあったのかも知れない。その非常に鋭いギザ歯で、主人公のちんちんをばつんってする。監禁時に洗脳が解けるのか、アリスの存在を忘却する。
また彼女のいる燻りの森だが、元々ジャバウォックの縄張りだったらしい。雪だるまが誰の物か分からないらしいが、このゲームでそれを作る奴も彼女に送る奴もジャバウォックしかいない。ひんやりして気持ち良いとのことだが非常に怪しい物体で、破壊すると何故か血が溢れる。バンダースナッチは悲しむだけだが。
撃退後に主人公と会話をすると、1でアリスが殺害された場面を言うのだが、その必要があるのはCエンドルート。今作がDエンドからの物語なのでもしかすると、主人公は1でも周回をしていたのだろうか。
凶鳥ジャブジャブ
でっけえ鳥その2。元ネタはデビルマンのシレーネ。ハッタからは服装のセンスが悪いと言われているが、センスも何も全裸である。進行度10までに殺害か監禁をしないと皆死にます。シングルマザー。普通に戦うと発狂付与と高速高回避で中々苦労させられる。誓約可能で内容は物理と魔法の回避率上昇。レベル3で30%という中々強力なものとなっていた。しかし魔法反射率50%の鏡の盾や、物理回避100%の無風の衣などが登場し、敢え無く出番がロストした。
四大悪夢の中でただ一人、ジャバウォックや這う物の命令に従い、悪役としての役目を全うしていた。縄張りをうろつくだけのバンダースナッチや、縄張りで雪だるまを作るだけのジャバウォックに比べ、真面目に不思議な国の住人を狂わせていた。何気に彼女がいなければ今作の世界観は成立しないまである。大役を立派に果たしていた。サボってくれたほうが八方丸く納まるのに。
中盤から終盤の大ボスらしく、高笑いの声が設定されているなど、何か妙な所で恵まれている。余談だがキャロル川のハンプティダンプティは、ガチョウが孵化する前だと狂気イベントで落ちて割れる。逆に孵化していると様子を見に来る。我が子が可愛いのに言い出せないの、1のエルマのお父さんみたいね。
ジャバウォック/忌むべき邪悪ジャバウォッキー
諸悪の根源。或いは真の元凶。このゲーム他に比べて悪い奴が多過ぎるんだよな。親の愛に飢えた子ども(メアリースー)に童話を与え、邪悪の方向性を決定付けた。当人はそれで支配者の自分にも物語が作れるのだと、イストワールのトルバドールみたいなことを言って来る。またミランダからの問いかけに普通に自分の子どもを愛して育てることを、つまらないと切り捨てるなど根っからの悪でもある。
邪龍なのでヴォーパルソードの特攻対象で何気にヴァ―ナイとのイベントではワンダーランド内の設定なのか、彼の一族に兎になる呪いをかけた張本人とのこと。実を言うと赤ずきんやカエルのハインリヒと同じくシリーズ皆勤賞。赤ずきんの森だと終盤のザコ敵、
1だと不思議の国でヒロインたちに究極スキルを授ける死体。グラフィックでは首と腕が無かったものの、2ではそれが付いている。
「お前たちの最期を見届けられないのは残念だが、最早手遅れだ」的なことを言い悪の王道を行く姿は、見事と言えば見事である。なおHルート時は偽アリスたちに他の二人と共に背後から襲い掛かっており、その後どうなったか不明である。誓約可能で内容は会心率と命中率の強化。
こいつのいる場所はどうも1の不思議の国で転がっていたのと同じ場所っぽい。またキャロル川の篝火近くの地下室は、赤ずきんの森に登場した、赤ずきんの家の地下室である。独房の雪だるまにはそれぞれメアリースー、アリス、赤ずきん、主人公の名前が書かれている。本編のどこからどこまで、支配者たちの計画に噛んでいたのかは不明だが、途中で退場させなかった場合、一番危険なのはジャバウォックだったのかも知れない。
兎騎士ヴァーナイ
黒いウサギ。稲葉。故郷という名の物語から飛び出してきた若き獅子、もとい兎。正体は1の祈り主の子ども。あいつ息子いたんか!
彼にとっては元を糺せば親がアリスと主人公の中を妬んだことが原因で1が始まった(もっとも主人公はアリスといる時点で2の真っ只中っぽいけど)ので、そのことに責任を感じているようだ。
ウサギ穴→ビリングズゲート魚市場→キャロル川で話し、そこのボス討伐後に画面を『絶対に切り替えないで』もう一度彼に話しかけハーブ瓶を渡すと、以降のジャバウォック三人組との戦いで夢霊として、召喚可能になる。童話の回収だけなら別にそうしなくても良いが、全部やってイベントを完走すると月光の大剣が貰える。他の誰でもない、主人公のために祈りを捧げるたった一人の騎士、その餞別という耽美かつ胸と目頭が熱くなる展開に、どうしたこのゲーム風邪でも引いたのか?となる。
戦力としても結構強いが、それでも一人で勝てるほどではないので過信は禁物。俺はお前とパンプキン・オーと肉壁ちゃんの四人でボスと戦いたかったぜ。
ビクトリア
1の『ヴィ』クトリアがメアリースーに掴まり改変されてしまった姿。1でも自発的に創造神への信仰に目覚めたり、或いはポセイドンホテル2回目で覚醒したりと、最初こそ貧弱だが元々はサキュバスだったらしく、強力な魔物に生まれ変わってしまう。ただ淫魔の中でも性よりも血と暴力に快楽を見出す者は暴魔と言うらしく、彼女は正にそれ。初対面時はムービー銃で主人公を食い殺す。
性的に衰弱させて怯えさせて殺すのも、頭蓋骨を嚙み砕いて恐怖を与えて殺すのも特に違いはないだろうという、恐るべき改変を受けてしまった。いやこれは元からなのか?
周りのサキュバスからも異端扱いを受けて、妹設定の悪魔たちも感化され、積極的に暴力を振るう存在になったことが、ハノーヴァー廃駅で明かされる。ただしDLC3のエリアでランジェリーナと会話した後が条件。誓約可能で内容は運の上昇と少量ながらHPMPの自動回復。
このゲームでは運はそのまま状態異常の命中率兼回避率なので、実質的な状態異常防御アップと見て良い。
プリケット
名誉プリケツ。コズミックアイドル。這う物の一側面。
そして、本当のアリス。
自縛霊にして主人公の守護霊。ノーデが負けヒロインなら、プリケットは正ヒロインである。アリスという役と主人公との物語を繰り返す内、愛に目覚めて支配を恐れるようになり、主人公を解放してやりたいと考えるようになる。その結果本体から切り離されて、ワンダーランドの座敷牢ことクイーンランドに隔離されることに。この物語の終盤で知る彼女の真意はあまりにも眩しく、あまりにも切ない。
デートでお茶会の映画を見ると、在りし日の自分と兎と主人公の日々を、上映されて涙する。前日譚的なエピソードでは罪悪感に押し潰されそうになっていたりと、神はおらずとも愛は罪を与えるのだと示して来る。Gエンドルートラスボスの『何か君だけ違くない?』という部分は彼女である。自分の死後を人形に託していたり、重ね重ね主人公のことを想っており、その意志はノーデをも動かすほどである。
主人公の救済という計画においては、プリケットが黒幕、というか発起人である。ループの果てに主人公が記憶を取り戻し、悪夢に気が付き、這う物を打倒とするという、これ計画って言えるの?というレベルものだったけど。うっかりこのことをメイベルにも話してしまったせいで、メイベルがノーデに一人勝ち計画を持ち寄ることになるのだが、結果としてそれがDLC3のラスボスへの対応に繋がるのだから、人生何がどう転ぶか、本当に分からないものである。
Hルートに入ると、満を持して圧倒的なヒロイン力を発揮して主人公を救う。ただし這う者は闇の中でしか生きられないという設定が元ネタにあるせいか……。伊弉諾と伊弉冉は二人を見習え。
また誓約可能で内容は獲得ソウルとドロップ率の増加。指輪と合わせると稼ぎが捗る。殺害すると画面に一瞬だけノイズが走り消失する。しかし誓約は消えていないためノーデが保護したっぽい。明るく振る舞っているがそれこそが作り物で、キャロル川の古き羊の店のマネキンたちの言葉を見ると、恐らく作中で最も苦しんだ人物とも言える。
こんなに清純で光属性の闇おる?
赤ずきん
シリーズ皆勤賞にして元祖主人公。
プリケットが正ヒロインならば、彼女は正妻である。よく見ると赤ずきんの下がボンテージになっていて、ああ赤の女王ってやかましいわい。ポロと主人公は穴兄弟。他の仲間に比べてだいぶ強いが、敵が強いためそれでも控えめ。死んだ魚みたいな目をしているが、それもそのはずで、詳しくは赤ずきんの森をやって欲しい。あの話もメアリースーが作ったことになっており、バッドエンドで終わるはずだったが、どっこいそうはならなかったので彼女の人生と物語が始まった。物語の中には確かに登場人物たちがいる。しかし物語を終えた後、彼らは彼らの時間を生きているのではないだろうか。
創作的に考えればどう見ても奇跡的な成功例だが、バッドエンドを求めたメアリースーからすると失敗作らしく、Gエンドルートで主人公と共闘すると『お前たちは本当に登場人物として失敗作っていうか』と愚痴を零す。立て続けに自ら歩き出す人物を作れた辺り、正に創造主の御業なのだが、どうにも好みと良し悪しを切り離して考えられない辺りに、幼さが残る。赤ずきんの話をしろよ。
ノーデの手引きで不思議の国に来られたようで、進行度1かつSEN0の状態でラドウィッジ城下街(下層)で初遭遇を向かえないと、魔獣として出会うか、一生出会わないかで、その後のフラグが全部ぶち折れるというド心折な仕様をしている。各地点の篝火で話す毎にポイントが貯まって行くので、なるべく話すように。
また主人公のキャロル汚染を間近で見て、直接の被害者になるなど、シリーズ物の主人公ともなれば、多少のギャグに巻き込まれることは、避けられないのか。こっちはギャグで笑っていいのか、シリアスに戻っていいのか反応に困る。
彼女は言ってしまえば主人公のプロトタイプみたいなもので、寿命が著しく短く設定されているため、どの道先は長くない。だからこそGエンドで全てに決着を付けたのもやり切った感があった。しかしHbエンドではその最期で以て主人公に救われ、同時に救う姿は何よりも尊く、そして眩い。
言ってしまえば「お前は誰も守れない!誰も幸せにできない!」という呪いを掛けられた主人公に助けられ、幸せだと告げることでその呪いを解き、遂には神々の悪意を退けたのである。ED7の音楽も相俟って象徴的な一幕で、前段のカタルシスを引っくり返してのラストは本当に美しい。
終わりがないのがメルヘンだというなら、人になれば死なねばならないのか。
人魚は泡となって消えたが、二人はずっとその手を握り合っていた。
シヨ
DLC3エリアで追加されたヒロインで、元ネタはショゴス。ヒロインの失敗作を食らうと言っているが、こいつ自身が一番の失敗作っぽい。スライム娘だけど強酸性で、主人公のちんちんも溶かす。女体化しても酸の体が精子を溶かすため繁殖も不可能。お前さては欠陥生物だな?誓約可能で内容は割合ダメージ軽減及び回復効果のダウン。よくある割合ダメージはこちら側の現在のHPを参照にしたダメージで、安定して被害が出る代わりに死にはしないものだが、このゲームは敵が自分のHPを参照したダメージを投げて来やがるので、HPで劣る主人公には非常に手痛い攻撃である。そのためこういった分からん殺し対策には有効である。ただ場合によっては他のヒロインを食い殺したりするので要注意。また誓約のレベルアップ時の必要ソウル数が、桁違いに多い。
フローレンス
DLC3エリアのクリミア看護墓地の大ボス。メスケモ改造人間女医。不死者であり死なないことで休みなく、また甲斐の無い医療に奔走する。助からない患者が際限なく何時までも流れて来る病院で、患者を不死者にしながら人を救うことに囚われている。撃破時にブラックウェルの手紙を渡すと成仏して、最後には夢霊として参戦する。
ブラックウェルは進行度5未満の時に、ラドウィッジ、というか精神病棟を出て下、左の細い路地に柱みたいに突っ立っている。このとき会話して進行度5でリポン大聖堂の篝火に移動する。再度話しかけ今度は進行度10で再度訪れると置手紙がある。地下に言って魔獣化したブラックウェルと遭遇してしまうと手紙が消えるらしいので、必ず手紙を拾ってから地下に行こう。とはいえ倒しても戦っても、特に良いことはないが。
ちなみにフローレンスを倒し、手紙を渡した後に病院の左下にいる、麻袋を被った女と話すと、安心して成仏する。気は狂っていたが彼女のことを案じて、ずっと死ねないでいたのだと思うと、それまでの非礼を詫びて冥福を祈らずにはいられない。便器に頭ぶち込んで自殺していたジキルとハイドはこの子を見習え。
暴魔ランジェリーナ
ビクトリアの妹たちの一人。自称天使の殺人鬼。フローレンス撃破後に戦闘可能で難易度0なのにHP8万ステ2万の主人公を瞬殺する火力の持ち主。このゲームで難易度を上げるのはアホです。いいことないです。撃破後に襲い掛かると事後に、主人公は姉から頭を槍で刺されて、取り逃がすことになります。正直エロはいらないのでその場で殺害したほうが良いと思う。筆者はそうした。
ゲルダ/雪の女王/雪の少女
罠。クリミア看護墓地を攻略後に出会う、雪ん子みたいな少女。普通に話を進めて行くと魔獣化して襲い掛かって来る。その際の発狂ぶりたるや作中一の大迫力でとても怖い。筆者も思わずマジかよって乾いた笑いと悔しみに包まれた。しかもこれがまた強いのよ。事態を回避するには、先に彼女が探しているカイと会って彼を介錯してやる必要がある。そうするとゲルダは雪の少女となって、後々夢霊となって出現する。
これまでグリム、ルイス・キャロルと来て遂にアンデルセンとなった訳だが、彼女に関する選択肢や思考にやたらと殺害があるの正直怖い。それもたぶん善意から。攻略サイト曰く、アンデルセンの価値観では貧乏人は死ぬ以外に救いとか幸せはないという、かなり絶望的なものだったらしく、それが影響を及ぼしているのだろう。しかしそこでパツキンょうじょに目が無いキャロル先生の魂が待ったをかける。Gルートが消えたことで、作中最初で最後にして最大の善行を施したと言っても過言ではない。彼のおかげでゲルダは立ち直り、暗黒面に堕ちることなくヒロインの大空へと羽ばたいて行った。
ありがとう!しんじられないロリコン野郎!
幽霊狩人カーナッキ
貧乏からの脱却を求めて冒険をしている気取り屋の放浪騎士。この手のキャラにしてはしっかり強いよ。高慢ちきで口が達者な憎めない奴。イベントを最後まで進めると夢霊となってくれる。最後の最後で彼は死亡してしまうのだが、そこには誰もいないしなんで?となる人もいると思う。どうもキャロル川に出現していた冬騎士と冬魔導士を倒していないとここに出て来るそうなのだ。つまり彼はそいつらにやられたと見るべきだろう。ラドウィッジと屠殺場にいる人攫いと同じ設定な訳だな。あっちも片方倒すともう片方では出なくなる。まあこっちにはロルドがあちこちに潜んでいるから、それに襲われたとも考えられるけど。
筆者のプレイでは最後のラスボス『グランギニョル』戦において最終形態にグランドクロスのクリティカルを叩き出し、まんまと決め台詞と共に、美味しい所を持って行った。『悪しき魂よ、還り給え!』という彼の雄姿が見えるようであった。彼の冒険物語の最後の一幕は、恐らく主人公が書くのだろう。本当に頼もしかったし格好良かった。
筆者も当時ダクソ2で腐れ相手にルカティエルのイベントを進めていた際、もう自分もルカティエルも死ぬしまた失敗か、と思っていたら、シュミットの矢が刺さって命拾いしたことがある。こういう味方NPCの予期せぬ活躍に遭遇すると、RPGの思い出ってずっと色濃くなる。彼らにも物語があるのだ。
ロルド
攫われてきた作家の一人だがメアリースーに腫れ物扱いされ隔離されている男。目に光の無いフクロウ。カンストしてるのかってくらい素早く、開幕からありったけのバステとデバフをかけてくる。そして一方的に殺して来る恐るべきルサンチマン。彼の使う蛇腹剣或いはガリアンソードは必中ではないため、回避率を高めていればやり過ごすことが出来る。殺意が非常に高くこればかり使って来た時がチャンス。ただし反撃でガンブレイクを挟んで待ったを掛けて来るので、油断は禁物。
その圧倒的な攻撃性が台詞の端々から臭い立つが、彼の名前を関したロルドの万年筆はHPとMPの最大値を底上げするという一見主人公には、そこまで重要ではなさそうに見えるアイテム。しかし夢霊たちにも使用が可能であり、これの有無で仲間たちの耐久力が大きく変わって来る。DLC3でやたら手に入るので安心して使おう。
先が欠けているのは暗に未来が無いという隠喩だろうか。或いは何本も万年筆をダメにするほど、ロルドも創作に打ち込んで来たという示唆なのかも知れない。
食屍鬼メリフィリア
もう名前でオチてんだよなあ。グールについての設定で、グリフィとロリーナが前振りでフルスイングしてるし、私はミランダって言ってるし、行動も性格もミランダなんだけどメリフィリア。1のCエンドで力尽きたのかDエンドのメアリースーに消された際の亡骸なのか、どうあれ彼女は助からず、グールの餌になり、取って代わられてしまった。彼女の童話もないので復活は絶望的である。
1からの続投組のビクトリアやエリザベートはメアリースーの改編を受けており、Cルートのラストで主人公の不死者設定も消してやるみたいな台詞から、自由に生やしたり消したり出来ることは分かるが、彼女は顔芸羽虫の興味を引いておらず、また元から不死者という訳でもないので、どこから不死者の設定が来たのかを考えると、やっぱりというかイベントを見ると胸苦しくなる。
彼女をミランダの偽物と取るべきか偽物だけどミランダと取るかは人による所だろう。裏ルート入りでハインと共に加勢に来てくれるけど、たぶん今度はハインになってるような気がする。強くなることと戦うことが目的となっていて、黒の裁判で道具扱いしかされないのが嫌で出奔したのに、その末路がこれだとあまりに報われない。
ハイン
元黒の裁判の自称最強にして最古参、現ハノーヴァー廃駅の車掌さん。切符が無いと入手方法を教えてくれる親切さん。リンダメア共々どうやったのか不思議の国に来ている。というか1と2の場合、支配者の領域が所々で重なっていると見るべきか。飄々とした風を装っているが、内心では後輩に後れを取り焦りながらも、自分が最強なんだという自負やプライドがあった頃も良かったが、今作は今作で格好いい。周りの血文字にもいいやつって書いてある。
ポジションとしては青ニート的な奴なんだけど、なんやかんやミランダの加勢に参上して死ぬまで戦うので、本当に良い奴。ミランダは黒の裁判裏切ってるのに。彼のソウルから作れる鎌は固定ダメージ系で、ジャバウォックの鎌とは内容が少々被っている。言い換えれば固定ダメージが欲しい際に、持ち替えで同系統のスキルを連発できると思えば良いだろう。難易度が上がるに連れ相対的に弱体化していくのがハインらしいが、どうせなら難易度に応じて攻撃回数が増えて行く仕様なら良かったのに。
せめて誰か先輩と呼んでやれ。
黒騎士リンダメア
黒騎士!おお黒騎士!ファンタジーにおいてこれほど心擽る敵役はいない!ヒロインといえばアリスというようにライバルといえば黒騎士である。元ネタはティンダロスの猟犬らしく、角っこから現れる上に自力で空間移動も出来るらしい。黒の裁判連中はこの辺が全員優秀というか羨ましいというか。1では主人公と同じ不死者であり、Cルートだと条件次第だが、ミランダの言葉によって我に返り行方を眩ます。
のだが2のDLCエリア3でまさかの登場、ハインやミランダが目じゃないくらい強化されて、正真正銘最強となっている。ただ元々黒の裁判は四人しかいなかったが、1の時点でミランダとエズワルドとハインが離反し、同組織は本人も言うように壊滅している。再建するというが果たしてどうなることやら。そしてメアリースーとの関係も明かされるのか。
ちなみに戦闘時にミランダとハインの武器を装備していると、それぞれ二人についての台詞がある。裏切者であるミランダについては辛辣なことを言うが、ハインの場合は「貴様には死すら生温い」と静かに激怒する。
何気に彼の中では最古参の先輩に対し、敬意を持っていたようだ。撃破時には赤ずきんと主人公に猶予を与えて去って行くが、もしかしたら二人に先が無い事を察していたのかも知れない。
メイベル
メアリースーの父親でバフォメットのダーリン。箱庭『シャトランジ』の支配者。繁殖計画に参加するに当たって女体化して、5周目くらいで飽きて辞めた。情事ではよぐよぐ煩いがヨグソトースだかららしい。取って付けたような喘ぎ声しやがって。性格が悪くユーモアのセンスも無いし愛情も理解できないが、宇宙の崩壊を回避したいのは本当のことで、プリケットの主人公救済計画を利用しノーデに一人勝ち計画を打診する腹黒。
しかも彼女が放棄した箱庭を、本人に無断で不思議の国に繋げる上に、這う物へのブービートラップとしても利用するなど、協力者の立場を危うくするような立ち回り方もする。ノーデの理性的な面に一目置いているが宇宙の崩壊について信じてもらえなかったことや、偽アリスたちに暴言をぶつけられて傷付くなど、自分の性根の悪さを自覚していない振る舞いが目立つ。他人の粗は幾らでも指摘するし愛情は繁殖欲や生存本能に過ぎないという、このゲームの支配者の鑑とも言うべき精神構造をしている。
メイベルの箱庭『シャトランジ』は言わばリサイクル工場やコバンザメ、拉致施設とでも言うべきもので、本人は機能美と言って憚らないが、実態はノーデが言う通り他人の箱庭に寄生する寄生虫である。他で敗北、脱落した旧支配者たちやソウルを自身の一部としており、混沌ダンジョンでは赤ずきんの森や1のマップを再利用したり不思議なダンジョンをやったりボスラッシュが始まったりする。そしてボスラッシュをクリアすると頭装備にパンツが貰える。どこのElonaだ。掠め盗られた魂に意志は無く、記憶を繰り返しているだけだと言うが、ヘルカイザーの説明を見ると絶対意志がある。
こんな輩だが支配者としては非常に強力で旧支配者であるライデンやユニスを一方的に屠ることが出来る。陰謀を巡らせる以外は適当なことを言ってダル絡みするだけの高齢者なので、およそ美徳の類は一つも持ち合わせていない。この辺もノーデから嫌われる理由の一つだろう。それでもアリスADVでは、一応主人公が精神世界から抜け出す手助けをしたりと最低限の仕事はする。
俺が本気を出せば白痴の者が目覚めて宇宙が消えてしまう……!という理由で、本気を出せない。
ライデン
褐色巨女。巨乳枠。一人称は我だがアホではない。DLC3にてユニスと選択になるヒロインだが、メイベルとの遭遇時に庇わないと殺されてしまう。チェシャ猫曰く破滅願望のテロリスト。だいたいノーデが悪い。本人は弱肉強食をモットーにしており、自分が傲慢という自覚も有り、弱者を餌にすることしか考えていないが、強い相手が自分を倒すならそれも良かろうという武人気質も併せ持つ。
元々ユニスより強く、ライデンの双斧のスキル『双斧獅子旋風』は全体攻撃で体力吸収かつ50%でおかわりが発動するので、こんなものを連打されたらユニスが負けるのも当然である。分身もさして意味がない。説得後は主人公とは分かり合えないことを理解して、すっかりやる気が無くなってしまう。この世は適者生存であり弱肉強食もまた生物が生き残るために整備した、一つの環境に過ぎないのである。
ユニス
フwェwミw。きっつーww。活動家に意味を汚染されて久しいフェミニスト。その実両親のセックスを見てショックを受け、二人を家ごと焼き殺した狂人。国内の男性の割合を1%まで殺したり追い出したりして減らした恐怖のミサンドリスト。チェシャ猫曰く思想の強いレイシストで、ライデンとユニスのどっちが勝ったとしてもウィンターベルに明日は無いとのこと。
活動家のエミュが完璧過ぎて完璧過ぎる無様を見せつける。ユニスルートでないと味わえない展開が目白押しで、生かしておく価値はないものの、メイベルからは雑音しか出さないと言われてワンパンで黙らされ、その後分からせ劇場が始まるなど一度は通っておくべきルートだと筆者は思う。見苦しさと監禁後の口の減らなさも含めて、作中一の道化を演じてくれる。
ユニスの刺剣は回避とカウンターに特化した性能になっており、グランドチャレンジはHP回復効果も付くので、一見持久戦に強いがクールタイムが重いという、弱点がある。本人がノーデを尊敬していたというが、実際ノーデの能力でこの弱点をフォローしてもらうと、恐ろしく強力な回避盾が完成する。
仲間がいてこそ輝くポイントマンなのに、いるのは手下ばかりで、負けて帰るとツリーに縛り付けられて焼き殺されてるんだから、活動家の最期って惨めなもんだなあ。
グランギニョル
メアリースーから切り離された改変能力そのものであり、DLC3Hルート及び本作最後のラスボス。自我に目覚めて悪意を持ち、主人公を取り込もうと全てを引っくり返した破滅の歯車。難易度0だろうが容赦なくこちらを殲滅する強さを持っており、一人で戦うのは得策ではない。もしもこれまでに主人公が、彼らの未来と希望を繋いでいたのなら、今一度目の前に光は掲げられているはずだ。
今作最初で最後の四人共闘に、否が応でもテンションは上がる。敵もまた多過ぎる形態変化、凶悪なフィールド効果でこちらを苦しめてくるが、決して無理ゲーの類ではないため腰を据えて戦おう。ここまで一人で戦うことも多かった主人公が、善意で支えた人々に助けられて、自分にしか使えなかった魔法やアイテムの数々を彼らに使うとき、あなたもきっと気付くだろう。仲間のために力を奮う喜びを。
これまでの長い旅が、この一戦のためにあったということを。
チェシャ猫
大抵の篝火にいる偉さが違うドラ猫。キャミソールでいいのかなこれ。Gエンド後にご褒美でCG解禁。各地で聞ける内容は一言程度だが攻略情報だったり、ゲームやキャラクターの核心に迫る話だったりと、無視できないものが多い。正体は通常時のラスボスことダイナであり、ノーデの忠実な番犬ならぬ番猫である。女王の懐刀と書くと格好良いな。
場の空気を読まないコミカルなBGMが一服の清涼剤だったが、変更後は逆に胡散臭さが増した。進行度が10になると各地からいなくなるがそれ以外にもクイーンランドとか深海など、這う者やノーデの目が届かない場所にも出て来ない。主人公と支配者にしか姿が見えないかもと思ったが、カーナッキに気取り屋と言いうるさいこのドラ猫!と言い返された辺り、そんなこともないようだ。
味方じゃないが敵であり、マスコットであり、メイベルからはノーデの手駒だから嫌いと言われ、だけどアリスを愛しているが、仕えているのは別の人。ままならない物語と人間関係を何処吹く風で渡り歩くが、辛い顔一つ見せやしない。殺し殺されの記憶もあるが、さりとて主人公を恨んだりもしない。懐の深い猫だよお前は。
終わりに
いやあ真面目に書いたら、かれこれ三週間かかったよ。いや武器とかスキルについても書くべきなんだろうけど、いい加減量が増え過ぎた。クリアしたときは脳汁いっぱいでこれは書かねばと思い立ったのだが、いざ書き始めるとこれまでのどのゲームよりも真面目に書いていた。ノリと勢いと笑いでやれていたのに、筆がめちゃくちゃ重いのだ。
独特で際立ったキャラクター造形、引き込まれる物語、噛み合う音楽。紛うこと無き傑作である。最後に男女の物語の終わりとして幕を引いたのも、決して手放しで喜べないが、邪魔をすることもできない。赤ずきんの物語の終わりでもあり、或いはグリムの物語の終わりでもある。
寂寥感と悲しみに包まれて、あらゆる批評や要望を捻じ伏せるラストは、このシリーズの最後として美しい。本当に美しいのだ。脳を焼かれ二次創作に走るファンが出るのも頷ける。もっと早く遊べば良かったと思う反面今手に取ったから良かったのだとも思う。
BLACKSOULSⅡ、非常に面白かった。
ありがとうございました。
BLACK SOULS Ⅱ クリア記念雑感書き散らし 泉 とも @izumitomo20231231
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます