主人公サラは、『雨船』と呼ばれる生物に乗り、あるものが燃えて廃となったものを海に還すための旅に出る。あるものとは手紙で、エリオからのものである。彼が、読んだあとに手紙を燃やすよう頼んだのである。サラがおこす風に乗って、海に還るために。異世界が舞台の物語ではございますが、なんとなく和の習慣文化に通ずる考え方があると思います。非常に静かで、優しい物語です。ご一読を。
幻想的な描写が続いて好みでした大きな蛞蝓色とりどりの蛾燃える炎灰色の海そのどれもが静謐で美しかったです
短編でありながら世界観の奥行きと広がりを感じます。文章の細部にいたるまで表現の技巧が素晴らしく感動しました。切ない物語自体にも胸を打たれます。
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