《白き焔と薔薇のボタン》

竜の王国〈ザルディア〉に、かつて“可愛い”という概念は存在しなかった。
トーガの衣に翼を隠し、尾を通して生きる姫君たちにとって、フリルもレースも禁忌の象徴。
だが、東方より届いた一冊の雑誌が、王国の歴史を変える。

白の姫・エルセリアは恋をした――ロリィタ服に。
そして彼女を支えるのは、黒の妹姫・ロゼッタ。

ボタン一つに恋が宿り、
吐息ひとつで文化が生まれる。

可愛さが、世界を変える。
これは、姫たちが紡いだ「布の革命」の物語。