第4話 エンドロール
筆者の拙いあとがきのようなものになりますが…
幽霊というと、グロテスクな見た目、恐ろしい姿を想像する人が多い。人ならぬものとなった彼らは、化けることを覚える。多くは、怖い経験の方が記憶に残るから、自分が消えなくて済むと言って恐ろしい姿になると聞いたことがある。しかしなかには、生きていた頃夢見ていた美しい姿をとる幽霊もいるのではないだろうか。あの日見た美しい人を忘れられない、なのにその人には二度と会うことはない。そんな経験を持つ人は、もしかしたら花澄のような、美しい姿をとった幽霊を見たのかもしれない。
死んで幽霊になった人は恨みのある人がだいたいだろうが、その恨みにせよ何か達成できなかった望みにせよ、ただ未練があるというのは同じなのではないだろうか。自分の存在に気づいてほしい、居ないものにしないでほしい。まだ生きていたかった。生きている人が羨ましい。きっと彼ら、それだけなのでしょう。羨ましさから殺してしまうような狂暴な幽霊には確かに注意が必要だろうが、ただそこにいるだけの幽霊なら、依存されない程度に少し優しくしてあげたいと思ってしまった作者、沙淑と申します。
お化けだって、何かの思いがあってそうなっているんじゃないでしょうか。
ここまで読んでくださった優しい方、お付き合いいただきましてありがとうございます。
さいごのわがまま 紗淑 @sayo_570
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