第3話 変な鳴き声。

「あにゃ、あぎにゃ…… 」

上から変な声がする。


そう、手が届かない高い場所。


そこにいる。


「いや、やめて…… 」 


大きな目で、此方を見てる?


「お願いやめて!! 」


変な声で鳴いているこの鳴き方は、わかっている。


「お願い、降りてきて!! 」

この鳴き方の後にはいつも。


「お願い、下で、下で!! 」

無情にも私の願いはとどかない。


「お願い!! 」


心からの願いは、猫にはとどかない。


こうを描くように飛ぶ、ゲロ。


「飛びゲロや 猫鳴き私の 目は泪。」  

(行く春や 鳥啼き魚の 目は泪 【松尾芭蕉】) 


スッキリした猫の横。


私は泣く泣く掃除をするのであった。


『お願い、ゲロは下に降りて吐いて。』


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恐怖の猫。      (ΦωΦ)mニャ~ ❄️冬は つとめて @neco2an

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