河童───日本ではだいぶポピュラーな妖怪です。
その正体は諸説ありますが、その中には“水死体説”というものがあります。本作においても以下のように紹介されます。
「曰く、水死体の皮膚は緑色、頭髪は川底に削られて禿ハゲる(皿)、背中は膨張して甲羅のように見える、肛門は拡張して尻子玉を抜かれたようにも見える、内臓はすかすかで食べられたようにも見える───」
田舎に戻った男は、河童伝説の正体を探し求めます。
男の祖父も見たという、河童の正体とは何だったのか。
そしてこの作品の冒頭、水死体となった男に何があったのか───
さぁあなたも、川のほとりまで行き目を凝らしてみましょう。
ほらほら、“河童”がいるかもしれませんよ。
おっと、足元には気を付けましょうか。
怪我でもしたら大変ですから……
河童の正体を探るホラー……
小説家である嶋田という男が丹念に取材をしていくという冒頭に始まり、ホラーの王道に則った流れから怪異に行き着くと思いきや……
オカルト・都市伝説界隈が好きな私は、伝承の裏にある、河童の正体にまつわるとある「一説」などを連想しながら、いつ河童の正体が判明するのかを楽しみに1話、1話読み進めていったのですが……
……見事に予想を覆される衝撃の展開でした!
河童を追う嶋田の足跡の中にじっとりと漂う不穏感やゆっくりと彼の身に降りかかる恐怖にゾワゾワ感を抱かずにはいられない……!
まるで、サスペンスドラマやホラー映画の一節の回顧シーンのようなセピア色の情景が自然と思い起こされて、その忍び寄る異変と恐怖を是非とも映像化してほしいと思うような作品です♪
作家の主人公は田舎にやってきた。
次作のネタになるかと河童の伝説について調べ始める。
が、彼は後日、水死体となって発見される──。
いやあ、怖かった……!
物語の焦点は「主人公はどうして死んだのか」というところに当てられているのですが、1話目からずーっと「この時間に読むべきじゃなかったな」と思わされていました。
読めば読むほど怖くなっていくのです。読めば読むほど引き返したくなるのです。
でも「ここが1番怖いんじゃ⁉︎」と思って読み進める。
結局、最後まで読んでキャッチコピーにある「衝撃の結末」を見届ければどうにかなるんじゃないか なんて思い始めて、一気読みです。
……まだちゃんと怖いです。
最後、直前までの恐怖が途端に現実的に感じられるものに変わるのです。
〇〇〇によって亡くなる人、少なくないですもの……!
最初から最後までずっと怖いお話です、ぜひぜひ!
亡き祖父母の古い家を受け継いだ主人公、嶋田崇。
妻にも先立たれ、子も独立した彼の田舎暮らしが始まった――
「魔物が棲む魔の山」
かつてそう言われた土地に、嶋田がこれから暮らす家はありました。
彼は小説家です。ここに越してきたのは、小説のネタ探しが目的でもありました。
中でも関心があったのは「河童」のこと。
幼い頃、祖父からよく聞かされていたのです。
――ここは河童が出るから一人では来るな。
――祖父も河童に遭遇したことがある。
このお話、最初から驚きの事実が提示されます。
そして2ページ目からは、スルスルと最後まで一気読み必至!
嶋田の日記をメインに淡々と進んでいく物語。
静かに――いいえ、
内緒話のように耳の奥から忍び寄る影は「河童」でしょうか。
それとも……
民俗伝承の空気感と、生物学的なリアリティが見事に融合した傑作でした。
まず、1話目の最後がめっちゃ怖いです!
ぜひぜひ、そこまで読んでほしいです。
1話目を読めば、最終話まで読み進めてしまいます…!
小説家が河童の正体を追うストーリー。
警察が変死体の謎を追うストーリー。
その2つが交錯しながら、真相へと近づいていきます。
民俗学とミステリー、どちらの謎解きもおもしろく、そして怖かったです!
伏線がたくさん張られているので、カッパの正体を推理しながら読むと楽しいと思います!
私は全くわかりませんでしたが(笑)、わからなくても楽しいです。
「何!? 何が起こってるの!?」とゾワゾワの連続でした。
個人的な恐怖ポイントは、1話目の変死体の状態と、10話目の変死体になる直前の状況です。
また、最後に明かされる河童の正体も、今まで読んだホラーとは全然ちがっていて、新感覚の恐怖でした((((;゚Д゚))))
正体がわかっても、なお怖いのがすごいです…!