煙草のうまい吸い方
加賀倉 創作【FÅ¢(¡<i)TΛ§】
ピース信者のつぶやき
どうすれば、より煙草を美味く吸えるのだろうか。
わかりやすいのは、
景色のいい場所、例えば、森林、海辺、河辺。
他にも、自宅のベランダ、自宅の換気扇の下、高層ビルの屋上階、雰囲気のあるバー、居酒屋、狭い喫煙ルーム、等々……
個人的には、ひょっとすると罰当たりかも知れないが、大自然の中で喫むのが最もよいと思われる。
※もちろん吸い殻は持参の吸い殻入れへ
が、それらは、感覚的にしか説明がつかない側面も大きい。
なら……
うーん……
うーーーん……
……
あっ!
そうだ、火種🔥だ!
シャッ、ボゥ……
カチッ、ボゥ……
カチッ、ボォオオオ……
マッチ。
弱いライター。
ターボライター。
タバコに着火するための火種は、様々に考えられるが……
火種が何であるか、またどの程度、どのように燃焼するのかによって、タバコの葉が嗅細胞や味蕾でどう受容するのか変わる、と思われる。
そこで、先にあげた三者で、比較してみようではないか、という考えに至った。
この実験に選ばれた銘柄は……
私が入手できる限りで最も高い紙タバコ、〈ザ・ピース〉である。
平たいスクエア型の缶入り二十本で、確か1000円ぐらいだったはず。
これは本当に美味く、香り高い。
では、三種類の着火方法を、比較してみよう!
🔥
—ⅰ—
まず、マッチ。
ごく普通のやつだ。頭薬の塩素酸カリウム・硫黄・
シャッ、ボゥ……
割とすぐ着火。
スパァアアア……
普段はライターなのだが、それと比べると……
何だかちょっぴりやさしい味、な気がする。
が、気がするだけ、気のせいかも知れない。
🔥🔥
—ⅱ—
次に、弱いライター。
ガス式で、燃料はブタンという液化石油ガス。赤橙色の火が出る、一般的なライターである。
カチッ、ボゥ……
太陽のごとく、赤橙の炎。
僅かな
スパァアアア……
うん。
いつもの味である。
まぁ、ザ・ピースなんて代物をいつもは吸っていないのだが。
ただ、さっきのマッチの時よりも、ちょっぴり焦げた風味が強い気がする。
正直な話、元が美味すぎるタバコなので、不満は何もない。
🔥🔥🔥
—ⅲ—
最後に、ターボライター。
弱いライターと同じくガス式で、燃料はプロパン三割、ブタン七割ほど。詳しい仕組みはわからないが、とにかく青紫色の炎が出るやつ、である(誤解を恐れずに言えば火や電磁波は赤橙黄緑青紫と強さが上がっていく)。
カチッ、ボォオオオ……
即時着火。
スパァアアア……
ん?
ちょっとこんがりし過ぎている気がする。
要は、焦げ臭く、苦め。
こうやっていざ三者を比較してみると、何だか、さっきのマッチや弱いライターの時よりも……
微、妙??
まさか、あの
獄炎により陥落!?
いや、もちろん大前提、上手くはあるのだ。
が、結構な差を感じた。
🔴🟠🔵¡i¡i¡i¡i¡i¡i¡i!!!!!!
【検証結果】
どうやら少なくとも温度の違いは、タバコの風味に影響しそうである。
調べてみると、マッチの火は、着火直後ではなく火が落ち着いてからだと、500℃ほどらしく、普通のガスライターは、だいたい1000℃弱だとか。ターボライターは、火が青いので、それ以上のはず。
体感的には、温度上昇に比例して風味も損なわれたように感じたので、やはり高温はよくないらしい。
これを他の現象に例えるなら、フライパンを使って料理している時に、食材を焦がしてしまったことが誰しも一度くらいはあるだろうが、つまりはそれと同じことが、芳しき円筒の中で起きているということだ。
どんなにいい食材も、焦がしてしまっては台無しであるのと同じように、どんなにいいタバコも、超パワーで、力任せに燃やしてしまうと、風味を損ないやすいということである(沸騰させたら不味くなる味噌汁にも似ている)。
【課題】
今回は考慮・比較できなかったが、火種の温度以外の条件もあるはずである。
また、吸気の勢いによっても燃焼度合いは変わる。今回私が、完全一定の勢いで吸えたかどうかは怪しい。ただ科学的論理に従うのであれば、せかせかと吸えば、不味くなるかもしれないし、ゆっくり吸えば、上手くなるかもしれない。
しかも、酸素が多いだとか、二酸化炭素が多いだとか、周囲の空気の組成にもよるだろう。
それに、火種側の燃やす成分によるタバコの風味の違いも、深掘りしてみると面白そうだ。
はたまた精神・肉体の状態も喫煙の味や香りに影響を与えるはずであるから、結局断定的なことは言えない、が……
とにかく煙草は美味い。
シナプス増強剤だし(スティーブン・キングが言ってた)。
〈
煙草のうまい吸い方 加賀倉 創作【FÅ¢(¡<i)TΛ§】 @sousakukagakura
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