着ぐるみも妖精【KAC20253・妖精】第二弾
カイ 壬
着ぐるみも妖精
「妖精」といえば、皆様は異世界ファンタジーを思い浮かべるのではないでしょうか。
地の妖精ノーム、水の妖精ウンディーネ、風の妖精シルフ、火の妖精サラマンダーですね。異世界ファンタジーが舞台のゲームをやっていると敵としても仲間としても召喚としても出てくるので、このあたりは思い出しやすいはず。
これらは本来西洋思想の四大精霊として錬金術師が定めた妖精です。火にはサラマンダーが宿っている、風が吹いたらシルフのせいだ。そんな感じです。
ただ、ピクシーやフェアリーといった「小妖精」が出てくる人もいるはず。手のひらサイズの妖精で、アニメにもよく登場します。
そんな妖精の中でも、現実にお目にかかれる妖精がいます。
「海の妖精」とも「氷の妖精」とも呼ばれるクリオネです。
流氷とともにオホーツク海から日本へやってくる、ひじょうに小さな水棲の生命体ですが、その愛らしい姿で人気を博しています。
とはいえ、水や氷の魔法が使えるわけでもなく、日本人にとって「妖精」の概念が魔法にないことは確かなようです。
皆様にとって思い描く「妖精」が千差万別なように、どんな人を好きになるのかも人によって異なります。力強い人、足の速い人、身の軽い人、跳躍力のある人、泳ぐのが上手い人、格闘技に長けた人。実にさまざまです。これらはオリンピックで見られます。オリンピックをテレビで見て、その中から好きな「妖精」を推していくようになるのです。
「妖精」とは「現実感のない人」を指しているのかもしれません。
あまりにも高度な技を、いともたやすくこなす人。もちろん裏では血のにじむ努力を繰り返してきたことでしょう。しかし大舞台ではそんな姿を微塵も感じさせず、さも当然かのように技を繰り出す。
人は自分にできないことができる人のことを「妖精」と呼ぶのでしょうか。
とするなら、三段論法として「自分にできないことができる」「現実感のない人」が「妖精」であると定義できます。
人はなにもないところから火を生み出すことはできません。道具を使ってようやく火が生み出せます。枯れ木であったりマッチであったりライターであったり。火種を作らなければ火が生み出せない。
だから火の妖精には、なにもないところから火を生み出す存在として炎のブレスを吐くドラゴンの亜種であるサラマンダーを当てたのではないでしょうか。
自分に、というより人間にできないことができる存在が「妖精」であるなら、クリオネはどんな特技があるのでしょうか。
そう考えると、着ぐるみという存在がクリオネのような「妖精」であると類推できます。
着ぐるみもなにかができるわけでもないのに、愛らしい姿で人々を魅了します。
世界一の着ぐるみといえば、ネズミのキャラクターですよね。黒か黄色かは意見が分かれるところでしょう。このふたつは法務がめっぽう強い企業のキャラクターなので、名指しはできません。始末されたくはありませんので。
それ以外だと船橋市の〇〇っしーや熊本県のくま〇〇、彦根城の〇〇にゃんのようなご当地キャラクターも「妖精」ですね。
カクヨムにも「トリの降臨」ワードで人気のトリさんがいます。トリさんも「妖精」ですよね。KADOKAWAさん、妖精設定でいいんですよね。
そして、近日支えてくれていた方がお亡くなりになった、日本野球界随一の人気キャラクター・つば九郎も「妖精」だったのかもしれません。
あんなに空気を読まない割に世情に通じていて毒舌でやさぐれてふてぶてしいキャラクター。もし友達だった大迷惑もよいところですが、あの着ぐるみを見ただけでそんな迷惑を面白がれる稀有な存在だったと言えるでしょう。
つば九郎は「妖精」なのです。
「自分にできないことができる」「現実感のない人」
この定義にがっちりと噛み合っています。
であれば、自然に還る存在かもしれませんし、時を経てまた私たちの前に現れるかもしれません。
「妖精のきまぐれ」はいつの時代のどんな地方にでも見受けられる伝承です。
働き者には銀貨をくれたり、靴を作ってくれるんだけどなぜか片方しか作らなかったり。
つば九郎は、どんな「妖精のきまぐれ」を起こしてくれるのか。
妖精がきまぐれで復活するように、いつかつば九郎も復活してくれるのではないでしょうか。
そんな「妖精のきまぐれ」を皆様も見てみたいとは思いませんか。
着ぐるみも妖精【KAC20253・妖精】第二弾 カイ 壬 @sstmix
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