概要
ポスターは色褪せても、憧れは色褪せない
【KAC220252】参加作品。
佐々木さんには憧れの場所があった。
佐々木さんには憧れの場所があった。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!私のモン・サン・ミッシェルは、心の中にあった。
誰の心にもきっと、「いつか行ってみたい場所」や「まだ辿り着けていない憧れ」があるのではないでしょうか。そんな思いが、人生の節目や日々の支えになっていることもある――この物語は、そうした色褪せることのない想いが、時を越えてそっと花開く、やさしい奇跡を描いています。
過去と現在がやわらかく交わり、登場人物の言葉やまなざしから、深いぬくもりがにじみ出ていて、読んでいて心がじんわりと温かくなりました。
読み終えたあとには、きっとあなたの心の中にも、あの景色が静かに浮かんでくることでしょう。忘れがたいひとときを、ぜひ味わってみてください。 - ★★★ Excellent!!!たとえ認知が揺らいでも、「憧れ」だけは消えずに残る
切ない。ひたすら胸を締め付けられました。
介護施設にいる老人が「モン・サン・ミッシェル」に行った記憶を語る。
そこがいかに素晴らしいかを聞き、介護士はそれに相槌を打つ。
でも、実はそこには一つの「裏」があって……
海外旅行。特にモン・サン・ミッシェルの辺りというのは、日本人の観光客にとっては憧れのスポット。「いつか行こう」という気持ちだけは持っている人も少なからずいるはず。
介護施設に入って、認知もままならなくなっている老人。
そんな老人の中にもしっかりと根付いている「憧れ」の場所の記憶。
想像するとひたすら切ない。老人の心を考えても胸が締め付けられるし、彼の息子…続きを読む