まいったまいった!!
思わず口に出してしまった。
主人公は、事故に遭い、ゲームの世界に転生してしまう。
……それも、悪役。
自分で買ったゲームということで、このキャラクターが主人公に何をして、
どんな末路を送るのかをわかっていた。
そこで、そんな運命を回避するために、イレギュラーな行動をとるのだが……
ここから不穏な空気が漂い始めます。
何をやっても裏目に出てしまうのです。
そして、この悪役が行ってきた悪行は、実は世間を潤滑に回すための『火消し』だったことが判明し、このゲームのシナリオライターが一筋縄ではいかない存在だということに気がつきます。
そして……このままではバッドエンドになってしまう世界をどうにかするために、
『真エンド』なるものに辿り着こうと右往左往するのですが……
もうここからの展開が、この先生にしか書けない末恐ろしい部分なのですな。
……変な地名だなあ、
とか、
この作家先生にしては、変な文字の演出するなあ……とか、
違和感はあったんだ! なのに気が付かなかった! 悔しい!!
是非ご一読ください。
……
……
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……
ところで、先生の運転手を務めている私から発表があります。
このゲームには、『裏真エンド(?)』というものがございまして、
先生は、こちらのシナリオを執筆中でございます。
内容はこうです。
ヴァージニアではこの世界を覆い尽くすバッドエンドの運命から皆を救えない、
と、誰もが諦めた時に、
『あの男』が覚醒したのだ。
そう。『バミューダ』その人である。
「諦めるのは早いぜ! みろ! これがアンチエイジングだ!!」
そう言い、世界は『2周目』に突入した。
バミューダの活躍は、これに止まらない。
学園を案内してほしいアンジェとヴァージニアの間に入り、
「そんなものより、俺の大臀筋を案内(オペレート)してやるぜ! みろ!
これがストイックな『肩』だ!!」
といい、
少年の落書きに関しては、「これが本物のストイックだ!!」と言って腕を切り、
自分の血液でかき消した。
「この血管が見えるかい!? これはプロテインパウダーなんかでできてはいないんだぜ!!」
しかし、弊害があった。アンジェも、ヴァージニアも、その他猫も杓子も、
「バミューダ」としか結ばれないという結末を強制的に迎えてしまう。
何を、どうしても、である。
これはバミューダのチートスキル、「筋肉の吸い込み」であり、
あのザンギエフ師匠が投げ技時に好んで使っていたスキルである。
「僕がどうして『バミューダ』と呼ばれているか知っているかい……?」
これが、シナリオライターの用意した『バミューダ・トライアングル・エンド』である!!
という物語を執筆中である!!
先生の今後の執筆活動に期待しよう!!
また驚かされた! 「ミステリー」に天賦を感じざるを得ない作者様の作品で、今回は「悪役令嬢転生モノ」を利用した『どんでん返し』満載の秀逸な作品!
視点人物となる主人公ヒロインが「悪役令嬢転生モノについて、おおよその知識はある」というのが、また読み手としての臨場感を高めてくれる面白いポイントですよね……良かれと思ってした行動が裏目に出る時、共感が発生してしまいます。フフフ……。
前編「伏線の散りばめ」と後編「回収の爽快感!」でミステリーの満足感を充たしてくれるのは、さすがの御手前というか、もはや職人技の域。
しかも今回は「ゲーム世界である」という設定面まで利用してくれるのですから、驚きもひとしお……これは、この衝撃は、是非とも読んでみて頂きたいほど……!
さりげに「乙女ゲームや恋愛ゲームに一人はいそうなネタ枠」である「マッスル!」の人が好み。「特にどんでん返しはなかった」直後のしょんぼりが可愛かったです(!?)
思えばミステリーの緊迫感や爽快感だけでなく、コミカルな描写も挟んでくれるので緩急があって、色んな方面から楽しいのも凄い所ですね……引き続き、応援したいです――!
ゲームには疎い私でも楽しめるめちゃくちゃ面白い展開は実にお見事です。
悪役令嬢のヴァージニア、嫌われたくないがためにやることなす事、全て裏目に出ちゃうどんでん返し地獄には大笑いです。
BGMの誘導で洗脳されたキャラたち。
さらには「トリの降臨」の使い方が最高です!!
スタッフからのメッセージの『三文字目』を『縦』に読む。
これには一瞬 ん? になりましたが、その文字が読み取れた時は痺れました。
最初から最後まで色んな面白さが散りばめられていて、これぞ、衝撃の大傑作でした。
今回もお見事でした。
是非、ご堪能ください。
「縦ドリルな髪型の人って、どうして意地悪するんだろうね?」
「悪役だから?」
「説明になってないよ。彼らなりの行動原理を決めないと、底が浅いゲームと言われてしまう」
「でも予算が……」
「カネより頭を使え。面白いシナリオには大体どんでん返しが使われている。逆に、どんでん返しを多用すれば――」
こんなやり取りがあったかは不明ですが、とにかく読者の(プレーヤーの?)意表をつく仕掛け満載のゲームができてしまいました。
悪役令嬢に転生してしまった「私」は、このゲームの世界を生き抜けるのか?
ハッピーエンドはあるのか? そもそもエンディングって?
ぜひ読んで、意外な結末を体感なさってください。
最後に一言。
バミューダこそ真ルート。
悪役令嬢系の作品でよく見られる要素を使いながらも、従来のその系統の作品にないようなことが満載のとても斬新な物語でした。
主人公はトラックに轢かれ、ある乙女ゲームのキャラである悪役令嬢のヴァージニアに転生します。
そしてヴァージニアはゲームとは態度を変え、ゲームの主人公、アンジェに優しくしようとします。
ここまでは普通の悪役令嬢系の作品ですよね?
しかしここからが違う。
この乙女ゲームは普通とは全然違う斬新な物語だったみたいで、どんでん返しが多数用意されています。
ヴァージニアに転生した主人公はゲームを序盤しかプレイしていなかったみたいで、そのどんでん返しを知らず、自分の意図とは全然違う方向に物語が動いていきます。
ヴァージニアと共に、読者もこの作中の作品である乙女ゲームの衝撃展開に振り回され続けることになるでしょう。
また、この作品のすごいところは、それらのどんでん返しが、ゲームであるということを最大限に活かしたものであることです。
まさかそんなところにまで仕掛けがあったのか! と後半は驚愕してばかりでした。
この作者の作品には衝撃を受けてばかりでしたが、個人的にはこの作品が今までで一番驚かされました。
読んで絶対損はない作品です! 私を信じてこの作品を読んでください!