縺ィ階
stdn0316
第1話
仕事が遅くなってしまった。
会議で部長が思いつきで出した企画の具体的な進め方について、資料作成するようにと押し付けられたのだ。
仕事を押し付けた課長は定時で帰宅した。
来週頭の部内ミーティングで進捗状況を発表しなければならない。
何とか目処がたったため仕事を切り上げる。時刻は23時半、定時退社奨励日も無視したため社内には自分しかいない。
事務所のあるビルの8階からエレベーターに乗り込み1階のボタンを押す。
しかし、5階〜4階に降りる時間がやけに長い。動いている感覚はあるのだが...
やがてエレベーターが止まった。
「縺ィ階」と表示されドアが開いた。
開いた先はやけに明るいミーティングルームだった。
長机に席が4人分あり、うち3人が座ってこちらを見ている。
3人とも知っている顔だった。
「おはようございます!それでは朝会始めまーす!じゃあまず今日のGood & Newから!私からですねー」
「朝起きたら両手いっぱいにボタン電池を握りしめてたんだけど、その子たちがみんなでおはようおはよう!ありがとう!って言ってくれたんです!」
聞いていた2人に拍手が起きる。
「じゃあ次!村田さんお願いしますー」
「玄関の鍵穴の中の居心地が良すぎてこのままずーっとお湯の中で早口言葉を言ってたいなーって国語辞典全部食べました!」
1人が吹き出した。
「それじゃ田中さんの番だね!」
「階段カイダン足音アシ影揺んんんんんん」
拍手と笑い声が起きる。
「じゃあ次ー」
3人がこちらを指差す。エレベーターに駆け込み1階のボタンを連打する。
家には帰れず、嫌がる後輩を無理矢理呼び出して朝まで飲み明かした。
うちはブラック企業である。あそこにいた3人は、激務に精神を病んで退職した同僚であった。
3人とも真面目な社員だった。
縺ィ階 stdn0316 @stdn
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