誰彼刻

【毎週火曜日・木曜日・土曜日の18時更新】

巨大な版図を誇った帝国は、白鬼と呼ばれる鬼によって滅ぼされ、白鬼は諸国家へとその触手を伸ばす。
諸国家は団結して戦うが、白鬼の力の前に敗れ、次々と滅ぼされていった。

人は武器を手に戦うが、白鬼の力の前になす術がない。
唯一有効であった死を願う呪術であったが、それを扱う呪術師の数は少なく、その少ない数の呪術師も、戦闘の中で消耗していった。

大陸の端に唯一残された奉国は、銀を媒介にして呪術を武器に込める術を編み出した。
折下、同時期に開発された火器と、土と堀に作られた長城を持って白鬼の侵攻を食い止めることに成功する。
白鬼との膠着した戦線形成から、270年の月日が流れ、奉国では新たな兵器を用いて失われた大地と他の人類を求めて、白鬼の領域へと足を踏み入れる。