第4話

 チャイムの音が聞こえる。目を開けると、鳥が飛んでいるのが見える。起き上がって伸びをする。右腕が痛い。まだ少しぼんやりするな。

 空を眺める。結局、あれは現実だったのだろうか。夢の可能性もある、というよりは、そっちのほうが濃厚だよな。

「アンタさぁ、何やってくれてんのよ」

 声のした方を嫌々ながらも見る。簡単に言えばクラスカースト上位の女子だ。私には苦手な人種だ。面倒だな。

「なんの話でしょう?」

「アンタが授業中に爆睡した話。先生の機嫌が悪過ぎて、迷惑被ったんだけど?」

「それは、ごめんなさい」

「謝って済む話じゃ……」

 一瞬風が強く入り込む。女子は少し顔を顰めた後、私の机上を見て驚く。

「アンタ、虫と一緒に寝てたの? きも……」

 相手の視線を追うと、机の端に虫がいた。でも、これ、もう死んでる気がする。

 女子は嫌がって元の輪に戻る。私はまた視線を外へ移す。すると、窓辺に1枚の羽根が座っていた。見紛うはずもなく、あの美しい雪花石膏だった。

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トビタイ Cris @sekieikurisutaru

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