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概要
え?留年?しかも半年だけ?
人間は本当に驚くと声が出ない。教務課からの電話を受けて私はそれを体験した。声が出ないというかそもそも頭も真っ白になる。これまで小説の中で散々そんな描写を使っていたが、実体験はさすがに一味二味違った。
本来であれば私は2025年3月31日をもって大学を卒業する。はずだった。それが想定外の半年延長。学割期間は伸びるが要するに家の穀潰しになってしまう。同い年のいとこは就職が決まり、同期達もそれぞれに行き先を決めた。後輩達にも卒業する前提で接されている。家族には留年ちゃんと呼ばれている。色々とちょっとしんどい。
しかし私はとにかくポジティブであった。しんどかろうが何だろうが、留年することに変わりはない。そしてこれは恐らく、人生に1回きりの経験である。せっかくだから記録に残してみようと思い立ち、
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