音の情景画――少女が紡ぐ物語
- ★★★ Excellent!!!
ピアノが語る物語は、言葉を超えた感情を伝えてくれます。
第1話では、一人の少女が奏でる旋律に観客の心が奪われる瞬間が鮮烈に描かれていました。指先から生まれる音が、戦場の悲劇や未亡人の絶望を情景として浮かび上がらせます。音楽とはここまで強く人を惹きつけるものなのでしょうか。
第2話以降では、そんな才能を持つ少女・アリスと親友・和奏の関係が、繊細な心の揺れと共に丁寧に描かれます。全国の舞台で奨励賞を受賞したアリスを誇りに思う一方で、和奏が抱えてしまう「言葉にならない感情」に胸の奥がチクリと痛みます。
音楽を通じて紡がれる友情、競い合い、そして微かな嫉妬と成長。思春期特有の揺れ動く感情が丁寧に描かれており、まるで音楽の余韻が続くように心に残ります。
果たして、アリスと和奏は再びユニゾンを奏でることができるのか――これからの展開が楽しみでなりません。