野菜が主役のファンタジー、と聞いて一発ネタやギャグ作品を想像した方にこそ読んでほしい作品です。
本作は、ブロッコリー・カリフラワー・ダイコンといった野菜の特性を、生態・文化・政治・戦闘にまで落とし込み、驚くほど真面目に世界観を構築しています。
物語は政略結婚から始まる王国の危機という王道展開ながら、
兵器化された蝶や品種差による力関係など、設定の一つ一つが物語の展開にしっかり噛み合っており、「ネタ設定」で終わらせない説得力があります。
ギャグとシリアスの切り替えも巧みで、笑って読んでいたはずが、気づけばキャラクターの選択や覚悟に引き込まれている。
特にクライマックスの決着は予想外でありながら、この物語だからこそ納得できるもので、読後感も爽やかです。
設定の面白さだけでなく、「物語としてちゃんと面白い」ファンタジーを求めている方におすすめの一作です。
物語は野菜たちの王国で巻き起こる騒動のワンシーンから、あれよあれよという間に大変なことに!
初めからフルスロットル、そしてそのまま最後まで突っ走ります。
野菜ネタ満載なのですが、読むと結構真面目。
でも随所に笑いがちりばめられている。
この物語の一番の推しポイントは、『徹底した野菜ネタへのこだわり』です。
何から何までぜーんぶ野菜!
野菜ならではの事情が端々から垣間見えて、読みながらなるほど~と唸ってしまいます。
とにかくめちゃめちゃ面白くて、ついついニッコリしてしながら読んでしまいました。
タイトルで「おやっ」と気になった方は是非とも読んでみることをお勧めいたします。
野菜ならではの視点が、じわじわと心に迫ってくる作品でした。
ブロッコリーのブロッコ・リーや、ダイコーン王など、野菜たちが暮らす世界。そこで起こる野菜たちの対立構図、からの熾烈なバトルが描かれて行きます。
途中で出てくるフレーズの数々が、野菜ならではの切実さが感じられ、人間とは違った世界観が出来上がっていて最高でした。
「病める時も健やかなる時も」が「虫に食まれる時も」になっていたり、青虫を異常に怖がっていたり、やっぱり野菜にとってはそこ重要なのね、と何度も頬が緩みます。
バトル展開も野菜キャラならではのファンシーさやシュールさが感じられ、コメディとしてずっと楽しい気持ちにさせられます。
ここにしかない世界観で、楽しい小ネタのフレーズ満載。すごく楽しい作品でした。