設定ネタで終わらない、本気の野菜ファンタジー
- ★★★ Excellent!!!
野菜が主役のファンタジー、と聞いて一発ネタやギャグ作品を想像した方にこそ読んでほしい作品です。
本作は、ブロッコリー・カリフラワー・ダイコンといった野菜の特性を、生態・文化・政治・戦闘にまで落とし込み、驚くほど真面目に世界観を構築しています。
物語は政略結婚から始まる王国の危機という王道展開ながら、
兵器化された蝶や品種差による力関係など、設定の一つ一つが物語の展開にしっかり噛み合っており、「ネタ設定」で終わらせない説得力があります。
ギャグとシリアスの切り替えも巧みで、笑って読んでいたはずが、気づけばキャラクターの選択や覚悟に引き込まれている。
特にクライマックスの決着は予想外でありながら、この物語だからこそ納得できるもので、読後感も爽やかです。
設定の面白さだけでなく、「物語としてちゃんと面白い」ファンタジーを求めている方におすすめの一作です。