概要
灼熱の安楽に抗う覚悟が、いま凍てつく世界への扉をこじ開ける
誰もが知るこたつの快楽に囚われた主人公は、底知れぬぬくもりに溺れ、生きる意欲すら失いつつあった。だがある日、自分自身の存在がこたつの中で朽ち果てていく恐怖に気づき、寒さへの挑戦を決意する。いざ布団をめくり、震える足を押し出す行為は、足元の大地が割れ、荒れ狂う津波に飲み込まれるほどの恐怖を伴う。しかし、その一歩は甘美な監獄からの解放でもあった。脚を抜いた瞬間、世界は刺すような冷気に満ち、感覚は激痛に近い痺れで支配される。それでも歩みを止めれば、再びこたつの誘惑に捕らえられ、もはや二度と抜け出せなくなる危険がある。主人公は生きるために、足を震わせながらも立ち上がるのだ。極寒の地で苦しみに耐えながら、主人公が見いだす希望とは何か。こたつの温もりを捨てて得た自由は、果たして本物の生へと繋がるのだろうか。
おすすめレビュー
書かれたレビューはまだありません
この小説の魅力を、あなたの言葉で伝えてみませんか?