成果主義を掲げる新英総合学園では、部活動が株式で評価される独自の制度が採用されている。部活動を支援する「アドバイザー部」を立ち上げた間宮彗は、不思議な少女・朝比奈るいと出会う。彼女は、人や組織の可能性を「視る」ことができる共感覚の持ち主だった。
部活動が企業活動のように評価されて、高校生活が社会の縮図として描かれる設定がユニークで面白いです。
彗が立ち上げたアドバイザー部は、いわば学園版の経営コンサルタント。成績が伸び悩む部活動に対して分析を行い、他の部とのシナジーを探って業務提携やコラボレーションを提案する。そこで朝比奈の異能を駆使して、依頼主に最適なパートナーを見出していく展開が興味深い。
もちろん、初対面の生徒同士を引き合わせても、すぐに協力できるわけがない。方向性の違いや意見の対立から衝突も起こる。そうした場面では、両者の間を取り持つ彗のコミュニケーション能力や、計画的な段取りの巧みさが光る。論理的な問題解決の裏で、ぶつかり合いながら成長していく青春ドラマが読み応えがあります。
自分と異なる才能や努力を認め合い、新しい可能性を切り開いていく少年少女たちを描いた青春学園ストーリーです。
(新作紹介「カクヨム金のたまご」/文=愛咲優詩)
すべてが「成果」で評価される学園、新英総合学園。
部活動は企業体制、部活株は数値化され、成果ポイントが個人の未来を決める。
新英総合学園では、成果が未来を作り、部活動はリアルビジネスの縮図なのだ。
そこに飛び込んだのは、かつて全てを失った少年・間宮 彗。
目的はただ1つ、「自分の価値」を取り戻すためだ。
「アドバイザー部」という部活を一人で立ち上げたが、まだこれといった成果を挙げられてない。
そして出会ったのは、人間模様の響きを「視る」ことができる少女・朝比奈 るい。
彼女が「視て」いるのは、誰も知らない光と色で描かれた人間関係の地図だ。
この「共鳴視」があるゆえに、彼女は人と関わることを恐れ、学校で成果を挙げられてない。
2人の「無価値」が出会うとき、学園の勢力図は大きく塗り替えられる――。
その「成果」は、いったい何で測られる?
戦略×共鳴の青春バディ・ドラマ。始動!