(本当の意味で)神の目線だからこそめちゃめちゃに笑えます。
貧乏神の悪行に困る少女の下に、突如現れた何か知ってそうな老婆。
そして老婆によっていきなり出てきた源次郎。
――いや、誰やねん。
そして、事あるごとに、源次郎、源次郎。
普通なら「何を頓珍漢なことを」、となるのですが、その見ず知らずの源次郎との奇跡的なシンクロのせいで、貧乏神がどんどんと追い詰められていきます。
ずれてるのに確実に急所を突いてくる「証拠」に、貧乏神のツッコミもキレッキレ。
もう途中からは「げwwwwんwwwwwじwwwwwろwwwっうwwwwwww」となること間違いなし。
しかし、この源次郎によって巧みに覆い隠された一つの「謎」こそが、この作品の最大の面白さ。
終盤にその答えが明らかとなった時、思わず「成程上手い」と唸らされました。
皆さんも是非とも存在しないはずの源次郎の影に惑わされながら、本作をお楽しみください。
ところで、最近私の財布から小銭がよく転がり落ちるんですけど、これ源次郎のせいですかね?
オチが最高です。
そこを1番推したいですが、ネタバレになるので何もいえません。
黒澤さんの伝家の宝刀、どんでん返しといったところでしょうか。
予想はしてみましたが、私は思いつきませんでした。やられました。
この作品のポイントは、推理していく過程も相変わらず面白いのに、それを上回る勢いで圧倒的に源次郎です。
源次郎についていくら私が語ったところでネタバレにならないというか、本編を読まないとどうしようもないので、遠慮なくぶちまけます。
タグで源次郎ってありますけど、人生でこんなに源次郎が印象に残ったのは初めてです。
貧乏神の話なはずなんですけど、源次郎が脳内へとひたすら連呼されていきます
起承転結も推理とか構成とかもすごいのに、それを猛烈に破壊する源次郎というワード。
ある意味もったいないぐらいに源次郎が、コメディが輝いています。
本当マジで推理だけはしっかりしてるのに源次郎で台無しにしやがって。
まじで貧乏神納得いかないだろうとしみじみと思えました。
素敵な作品を読ませていただき、ありがとうございました。