宇宙最速の運び人
到達者師失人
第1話
! 宇宙最速の運び人
俺はしがない宇宙連盟政府の管轄するとある惑星の運び人。
今回はそのエピソードの一つを紹介しよう。
俺がご機嫌な気分でコスモエネルギーエンジン搭載の俺特性のカスタムジェットカーで空をドライブていると。
『おい仕事が入ったぜ相棒』
「おいおい俺が作ったAIにしては俺の気分を害しかねないタイミングだぜ」
『まあそう言うな相棒。今回の物は車に転送済みだぜ。タイムリミットは30分届先はαシティのA-3-3だ』
「αシティ最近話題の宇宙の未知の文明と交流をしているとかいう。スーパーシティかこの地点から普通にいけば三時間かかるが俺の愛車なら簡単だな」
『オメガドライブシステム起動まで十、九、八――』
「おいおい俺の命令なしかよ。わかっているな相棒。俺が独自開発した星の核の力コスモエネルギーを螺旋回転させてエンジンにぶち込む事で可能となる超高速オメガドライブシステムのドライブが始まるぜ! 気合いれな! 相棒!」
『オメガドライブシステム起動』
次に車は高速で動き出したそのあまりの速さで発生するソニックブームはアンチソニックブームが搭載されたこの車により中和されソニックブームによる周りの被害はない。
「おっ! やっ子さんがまた現れたぜ!」
「当方は宇宙連直管の治安維持部隊である! そこの車直ちに止まりなさい!」
「やっ子さんまだオメガドライブシステム狙っているのか、今度はB-23型軍事用高性能AI搭載の軍事人型兵器か懲りないね」
『警告高エネルギー反応を計25機から感知したぜ。こりゃ半径数キロの電磁ネットだな。どうする相棒』
「突っ切るに決まってんだろ!」
『了解オメガドライブシステム最大出力』
「全機電磁ネット発射!」
25機の人型ロボットにより発射された電磁ネットが俺たちを襲う。
しかし。
「こんな穴だらけの網なんて俺の運転テクとオメガドライブシステムがあれば楽勝なんだよ!」
俺は広範囲に放たれた電磁ネットの隙間を上に下に斜めに左右にかわす。
「そんな馬鹿な!?」
「顔洗って出直しな! 俺は運び屋の仕事が忙しんでね!」
『また性懲りもなくこの車のナンバーと車体のデータ読み取ろうとしていたから適当な犯罪者の車のナンバーと車体のデータ代わりに送っといたぜ』
「ひゅーやるじゃないの。流石俺制作のAIだぜ。もうすぐ運び先たぜ。パーフェクトショックアンチシステム起動準備」
『了解相棒いま届け先の空の交通路は大混雑だ事故るなよ』
「俺を誰だと思っているんだよ。名実ともに宇宙最速の運び屋だぜ。さて突っ切るぞ」
俺は愛車の頭を下に向けた。
相棒の言う通り空の交通路はジュットカーで大混在だが全ての衝撃を打ち消すパーフェクトショックアンチシステムがあれば、外の衝撃は消え去り、ぶつかりさえしないなら車の合間をいくらすり抜けても問題ない。
そして俺は余裕で車の間を通り抜けジャスト25分で物の届け先に到着しこういった。
「スペースピザです! ピザのお届けに参りました!」
こうしてまた俺の宇宙一の運び屋の仕事は達成されたわけだ。
宇宙最速の運び人 到達者師失人 @siusiboto
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