ある価値観
はすみらいと
ある価値観
刺身よりつまを先に食べる。昔から、わさび醤油の染みてとても良い。刺身は所詮つまの脇役だ。繋ぎあわせたらどこに繋がるんだろう。
シャワーを浴びる時はつま先から上に向かってかける。特に意味はないけれど。やはりタイルの冷たさからわかってもらえるだろ。特に冬場は。
妻が先立つ物語はまるで残された夫が、泣くものが多い。やはり日本人はつま先で物事を考えているらしい。
相手の行動を止めようとする時僕は、つま先めがけ包丁を突き立てようと思う。もはやつま先は僕が好きなものである。
人を想うときつま先が浮遊するのを感じた気もする。やはり心はつま先にあるのである。
食べ物というとだ。人間の造形そっくりのたい焼きの人間verのようなものが流行っている。つま先からたべるか頭から食べるかと論議されるが断然つま先からだ。
恐怖を覚えた瞬間もつま先から粟立った。
しかしだ。産まれる時は頭からだ。初めて泣き声をあげるのは口だ。心臓とかが先に止まるのが一般的である。つま先からなんてことはない。
もし食人をするのならば、つま先からでありたい。
死ぬときも地面から浮かせたのはつま先からだった。
そんな偏見を拗らせぼくは、思う。幽霊になるとつま先から消えるらしい。と、この身を持って知った。
ああそうともつま先主義だ。つま先論者だ。つま先に心はある。
ある価値観 はすみらいと @hasumiwrite
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
参加中のコンテスト・自主企画
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます