竹槍物語〜もしもかぐや姫の主役が影の女王スカアハだったら〜

Li'l Hatter

竹槍の女王

むかーしむかし。あるところに、竹ハンターと呼ばれるおじいさんがいました。ある日のこと、竹狩りをしに裏山に行くと、赤いオーラを放つ一本の竹を見つけました。


「ぬうっ? テラレ◯ドの結晶並みに光っておるのう……どれ、切ってみるか」


と言って竹を切ると、竹の中から正座のポーズをした小さい女の子が出てきました。


「なにっ!? 正座をしたまま宙に浮かんでいるじゃとぉ!? こ、こやつ……使えるかもしれん……ッッ!!」


おじいさんは謎の女の子を育てて、竹狩りのお手伝いとして利用できると打算し、家に連れて帰りました。それから数年後……。


竹魔槍奥義たけまそうおうぎ! チーズ・ストライク!!】


──ビューーン!!

🧀三三三三三三🫲🏻



🪨🪨🪨



──ドゴォォーーン!!

💥💥💥🧀三三三三


「うむ。腕を上げたな、我が娘よ!」

「フフッ、爺やに伝授してもらった奥義のおかげでありますよ」


おばあさんと共に大切に育てた女の子は"スカアハ姫"と名付けられ、美人で強い娘に成長しました。強く美しい娘がいるという噂は国中の猛者たちにも耳が届き、スカアハ姫に決闘を申し込む武闘派組織、五大老ごたいろうが現れました。


「ヒッハァー!!俺は五大老の1人、岩作皇子だ!! いきなりだが、死ねぇぇーー!!」


──ベチィーーン!

( ・ー・) つ三💥🗿))Д:)〈痛ァーーーッ!!


などと言って襲ってきましたが、スカアハ姫の竹魔槍奥義たけまそうおうぎ モアイの御石の鉢みいし はちをくらって再起不能になりました。


「岩作皇子がやられたようだな……」

「フフフ……奴は五大老の中でも最弱……」

「女ごときに負けるとは、男の面汚しよ……」

「……(あっ、これフラグじゃね?)」


竹魔槍奥義たけまそうおうぎ! 5◯1のキャンデー!!】

── キィィ〜〜ン!!

( ・ー・)つ彡🍨💥))Д:)〈あるときぃーッ!!


竹魔槍奥義たけまそうおうぎ黒鼠の蒸気船くろねずみ じょうきせん!!】

──ドゴォォーーン!!

( ・ー・)つ彡 🛳️💥))Д:)〈ハハッーーーッ!!


竹魔槍奥義たけまそうおうぎ! 龍のキーホルダー!!】

──バキィ!!

( ・ー・)つ彡🐉💥))Д:)〈ダサかっけーッ!!


竹魔槍奥義たけまそうおうぎ! 叫ぶチキン!!】

──GRAAAAR!!

( ・ー・) つ🐥🔈 )) Д:)〈鼓膜がぁーー!!


案の定、フラグめいた台詞を吐いた残りの五大老もあっさりとやられました。



それから5年後。霊長類最強となったスカアハ姫はある日、ベランダで星をジッと眺めていました。


「おや? 娘よ、星と睨めっこしてどうしたんじゃ?」

「あっ、爺や。実はかくかくシカジカのもへじで〜」


スカアハ姫はおじいさんに耳打ちをした瞬間、驚愕します。それもそのはず。スカアハ姫は『自分はケルト星からやってきた宇宙人』であることをカミングアウトしたからなのです。


「えっ? マジ?」

「うん、ガチ寄りのガチ。『1月1日にケルト星からケルトの使者が迎えにやって来る』」

「ふむ……」


おじいさんは心の底から思いました、竹狩りのお手伝いとして役立っている娘がケルト星に帰れば、また1人で竹狩りに行かなくてはいけない。メンディーのう〜、腰いてぇのう〜と


「それは残念じゃの〜。まだ娘に最終奥義を伝授しておらんのじゃが……致し方ないのう」

「ダニィ!? 最終奥義ですって!?」


最終奥義の言葉にスカアハ姫は秒で食いつきました。


「フッフッフッ、教えて欲しいか? じゃが1つ条件がある」

「条件……とな?」

「うむ。ちょいと耳をかしてみい」


ーーーーーーーー

ーーーーー

ーーー

ーー



迎えた1月1日。スカアハ姫とおじいさんとおばあさんは、家の外でケルトの使者が来るのを待っていると、上空に無数のUFOが瞬く間に出現し、そのうちの一機が爺やの家に降り立ちました。


「お迎えに上がりました、姫様」


UFOのタラップから降りて来たケルト星の使者セタンタはそう言ってスカアハ姫に会釈しました。


「遠いところからわざわざご苦労だったな、セタンタ」

「滅相もございません! ささ、早くこの惑星からおさらばいたしましょう!」

「悪いがそれはできぬ」

「えぇっ!? どうして!?」

「爺やとの口約束でな、最終奥義を教える条件としてここに残れと言われてな、それを破れば竹槍千本飲ませられる罰が待っているのだ。それは避けておきたい」


苦笑いの表情で語るスカアハ姫にセタンタは鬼の形相へと変わり、おじいさんの胸ぐらを掴もうとします……が、その手首をスカアハ姫は──ガシッっと掴みました。


「姫様! 手を離してください! そいつを殺せない!」

「セタンタよ、妾を連れ戻したくば……このスカアハ姫と勝負せよ!」

「えぇ〜!? 姫様と!?」


スカアハ姫の真剣な眼差しにセタンタはたじろぎました。


「怖いか? ならば、ハンデをくれてやろう! あの上空に浮かんでいるUFOも含めて相手にしてみせよう!」

「ばっ、ばか言わないでくださいよ! あのUFOは俺含めて1000機以上ありますよ!? たった1人で立ち向かうのは無理ですって……!」


それがどうした?と言わんばかりにスカアハ姫はセタンタを軽く押しのけ、UFOに向かって大きな声で叫びました。


「妾を連れ戻したくば、力づくでかかってこい!!」


するとその声をキャッチしたUFO一行は、爺やの家に向けて一斉にウィッカーマンを大量投下してきました。


※ウィッカーマンとは

古代ケルトの時代にドルイドが生贄の儀式に使われた木製の檻のこと。それは巨大な人形の形をしており、中に生贄の動物や人間を入れたまま火をつけて燃やされたという。


──PON⭐︎ PON⭐︎ PON⭐︎ PON⭐︎ PON⭐︎

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──ヒュ〜〜……

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──ドゴォォーーン!!

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家の屋根から降り注ぐ巨大人形に、おじいさんとおばあさんは恐れるどころか「ほっほ、上空から人形が降ってきたぞ〜w」「あらあら、もうひな祭りの季節ですか〜?」とこの状況を楽しんでいます。


「Shit! 姫様が無茶なことを言うから、彼らが本気を出したじゃねぇーですか!」


この最悪の事態を招いてしまったスカアハ姫に対し、セタンタは説教しますが、姫は反省するどころか「一向に構わん」と呟き、そっと背中の竹槍を引き抜きました。


「撃ち落としてしまおう。竹槍で」

「はぁ!? んな無茶っすよ! 竹槍なんかUFOどころか、B-29すら撃ち落とせないゴミ武器っすよ?」

「理論的にはそうであろうな……だが、妾ならできる。爺やから教わった最終奥義でな!」


スカアハ姫はそう言って視線を爺やに向けると、不敵な笑みを浮かべていました。


「よし、では投げるぞ!────」


竹魔槍最終奥義たけまそうさいしゅうおうぎ!! タケ・ボルグ!!】


の掛け声と共に竹槍をUFOに目掛けて投げ飛ばしました。すると……


──ビューーン!!

🫱🏻三三三三三三🎋


↓↓↓


──シュパパパパパパパパッッ!!!

三三🎋三三🎋三三🎋三三🎋三三🎋

三三🎋三三🎋三三🎋三三🎋三三🎋

三三🎋三三🎋三三🎋三三🎋三三🎋

三三🎋三三🎋三三🎋三三🎋三三🎋

三三🎋三三🎋三三🎋三三🎋三三🎋

三三🎋三三🎋三三🎋三三🎋三三🎋


竹槍が複数に分裂しました。


「なっ!? 一本の竹槍が複数に増えたァ!?」

「驚くのはまだ早いぞ、セタンタ」


──パチンっ🫰🏻


スカアハ姫はドヤ顔で指パッチンすると、複数に分裂した竹槍が合体をし始めます。


──ガシンッ! ガシンッ! ガシンッ!

三三🌟🎋🎋🎋🎋🌟三三

三三🌟🎋🎋🎋🎋🌟三三

三三🌟🎋🎋🎋🎋🌟三三

三三🌟🎋🎋🎋🎋🌟三三

三三🌟🎋🎋🎋🎋🌟三三


「複数に増えた竹槍が合わさってる!?」

「見よ! これがタケ・ボルグ真の姿……」



【新 年 お め で と う ご ざ い ま す・ キ ャ ッス ル!!──だぁ!!】



\ババァァ〜〜ンッッ!!/

三三三三🎋🎋🎋🎋

三三三三🎋🎋🎋🎋🎋🎋🎋🎋

三三三三🎋🎋🎋🎋🎋🎋🎋🎋🎋🎋🎋

三三三三🎋🎋🎋🎋🎋🎋🎋🎋

三三三三🎋🎋🎋🎋


なんと、巨大な門松のお城になってしまったのです。


「ええっ〜?!?! こんなのってアリっすかぁ〜〜!!??」

「竹に抱かれて塵となれぇーーーっ!!」


拳を突き上げて決め台詞を吐くと、新年おめでとうございます・キャッスルは、マッハ6.7の速さでUFOに接近しました。


\ヒャッハー! もっと人形を振らせ……ん?/

🛸🛸🛸🛸🛸🛸🛸🛸🛸🛸🛸🛸🛸🛸

I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I I

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↓↓↓


──チュドドーーン!!

三三🎋🎋🎋🎋💥💥💥〈ギャァーーッ!

三三🎋🎋🎋🎋🎋🎋🎋🎋💥💥💥🛸

三三🎋🎋🎋🎋🎋🎋🎋🎋🎋🎋🎋💥

三三🎋🎋🎋🎋🎋🎋🎋🎋💥💥💥🛸

三三🎋🎋🎋🎋💥💥💥〈う◯ちーー!!


ウィッカーマンの投下でイキってたUFOたちですが、新年おめでとうございます・キャッスルの体当たり(10秭ダメージ)には耐えきれず、そのまま爆散してしまいました。


──ビューーン!!

三🛸💦〈ひぃぃ〜撤退!!

三🛸💦〈勝てるわけねェだろうが!!

三🛸💦〈逃げる準備だ!!


っと、捨て台詞を吐いて逃れようと撤退するUFOたちもいますが……


──ビィィィィーーーッッ!!

🎋▁▂▃▅▆▇█🍊💥〈ぐわーーっ!!

🎋🎋🎋🎋🎋▁▂▃▅🍊💥〈アーーッ!

🎋▁▂▃▅▆▇█🍊💥〈ぬぉぉああ!!


新年おめでとうございます・キャッスルの先端から放つ鏡もちビームからは逃れられず、そのままデデーンされます。


それから数分後……。

セタンタを除いたUFOたちは、あっという間に全滅しました(そりゃそうじゃ)。

そして新年おめでとうございます・キャッスルが元の一本の竹槍に戻り 、


──ビューーーン

🎋三三三三


↓↓↓


──パシッ

🫸🏻🎋三三三


スカアハ姫の手元に戻りました。


「さてと、残るは……」

「ひ、ひぃぃ〜!! 許してください!!」


セタンタは怯えた表情で命乞いをします。するとスカアハ姫はそっと彼に忍び寄り、こう言います。


「今いくつになった?」


唐突に年齢を聞かれて「えっ?」っと困惑気味になるセタンタですが、とりあえず「……16歳っす」っと答えると、スカアハ姫は「そうか。無駄遣いするなよ」と言って袖からお年玉を取り出し、彼に手渡しました。


「あ、ありがとう……?」

「うむ。良い一年を過ごすようにな」

「へっ、へい……?」


こうして激しい戦いは幕を閉じ、スカアハ姫はケルト星に帰るセタンタを見送りました。


「のう、娘よ。何故セタンタを殺らなかったのじゃ?」


おじいさんは、スカアハ姫の謎の行動について疑問を投げかけると、彼女は顔を赤らめてこう語ります。


「後輩にお年玉をあげたかったから///」


おしまい♨️

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