消えかかった足跡

 四十年ほど前、カール・セーガンという学者が書いた『核の冬』という本が発表された。私は三十年ほど前に読んだ。

 同書によると、たとえどれほど小規模なものであれ、局地的なものであれ、一発でも核兵器が使われれば、全面核戦争につながる可能性がほぼ百パーセントということだ。蛇足ながら、同書は世界中の科学者を招いて、慎重に計算された研究内容をまとめたものだとも述べておく。

 本作では、『ソレ』が現実となった。腹の底から震えあがる内容であり、それ以外に表現のしようがない。

 必読本作。

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